国際機関からがん白書2編を発行
2020年3月3日
世界保健機関 (WHO)、そして国際がん研究機関(IARC)は本年2月4日ワールドキャンサーデーにがん白書を発行し、各国のがん対策が現状のままでは20年後にがん罹患数が6割増加、発展途上国では8割増する、と警告を発しながら、がん対策の指標となる研究を紹介しています。それぞれの白書の編集で当センターの研究者が貢献しています。
WHO Report on Cancer
がん対策における各国共通の課題を提示し、政府や関係者によるがん対策の優先順位付けを支援するものです。現在そして将来のがんの対策として、その裏付けや実施できる施策を紹介しています。
当センターからは社会と健康研究センター予防研究部長 井上真奈美が編集委員として、同センター検診研究部長 中山富雄、がん対策情報センター全国がん登録室長 松田智大が査読委員として編集作業に参加しました。
IARC World Cancer Report
がんの予防に焦点をあて、その基盤となる研究を網羅的に紹介するもので、IARCが5-6年間隔で発行しています。
がんの病因学、細胞・分子生物学、毒性学、病理学、そして社会学にまでわたる広範な研究として格差とがん、ワクチン、検診、遺伝性がん、そしてリスク評価などが紹介されています。
当センター研究所エビゲノム解析分野長 牛島俊和がエピジェネティクスの章を共著したほか、がんゲノミクス研究分野長 柴田龍弘が肝臓がんの章を査読しています。