中央病院「遺伝子診療部門」開設
2016年1月12日
国立研究開発法人国立がん研究センター
全診療科のゲノム診療をサポート、日常診療に本格導入
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、東京都中央区、略称:国がん)は、がん診療に網羅的な遺伝子診断に基づく診療を本格導入するため、中央病院(病院長:荒井保明)に「遺伝子診療部門」を開設いたしました。
ゲノム診療の現状
ゲノム診療は大きく分けて、遺伝的にがんになりやすい方への「個別化予防」と、個々のがん患者さんの遺伝子異常に基づく「個別化治療」があります。
「個別化予防」としてのゲノム診療は、これまで当院でも遺伝相談外来で行ってまいりました。反面、「個別化治療」としてのゲノム診療には、検査の品質管理、遺伝子解析情報の臨床的意義付け、患者さんへの伝達方法、情報の取り扱いなど様々な課題が残っており、世界的にも日常診療への本格導入が進んでいません。一方、遺伝子解析技術が進歩し、治療標的となるがんの遺伝子異常も次々と明らかにされており、「個別化治療」としてのゲノム診療を日常診療に導入することが喫緊の課題となっています。
中央病院の取り組み
中央病院では、1998年より遺伝相談外来を設置し遺伝性のがんについての相談、遺伝子検査、早期発見等の診療支援、臨床試験への協力などを行ってまいりました。2013年からは個々の患者さんの治療選択における網羅的遺伝子検査の有用性を検証する臨床研究「TOP-GEAR(トップ-ギア)プロジェクト」を開始し、2015年末には十分な精度管理が担保された網羅的遺伝子検査室を院内に設置、「個別化治療」としてのゲノム診療を開始するための体制整備を進めてまいりました。
「遺伝子診療部門」は、中央病院や研究所など各部門のゲノム診療や研究に関わるメンバーで構成され、専門家チームによる最終診断、解析結果レポートの作成、診療コンサルテーション、遺伝相談外来併診など、中央病院の全診療科をサポートします。同部門の開設により、ゲノム診療を日常診療に本格導入する体制が整いました。
プレスリリース
- 中央病院「遺伝子診療部門」開設
関連ファイルをご覧ください。
参考
- 中央病院「遺伝子診療部門」の概要
関連ファイルをご覧ください。
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