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国立がん研究センター

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2万2000人のがん体験を国のがん対策にがん患者さんの医療や社会生活の実態に関する全国調査を実施いたします

2019年1月21日
国立研究開発法人国立がん研究センター

 

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、東京都中央区)では、厚生労働省より委託をうけ、わが国のがん対策の評価、方向性の検討に活かすため、がん患者さんの医療や社会生活の体験に関する実態を把握するための全国調査(患者体験調査)を行います。

2019年の患者体験調査のポイント

  • がん患者・家族約2万2千名に、調査用紙を郵送し、日本のがん患者の実態を把握
  • がんゲノムや治療と仕事の両立支援、ピアサポート等の新たな課題に対する調査を追加
  • 前回調査(平成27年実施)に比べ、より大規模かつ、より正確にがん体験を調査する方法で実施し、国や都道府県のがん対策に活用

調査概要

全国のがん診療連携拠点病院の177施設に、2013年・2016年の2年間のうちに受診した患者さんから各施設125名ずつが抽出され、総計2万2125人に対して、調査票を発送します。調査票は、がん患者さんの医療機関や社会生活の中での体験に関する内容で、今回の調査では、がんゲノムや治療と仕事の両立支援等に関する項目が追加されています。2019年1月~2月より順次発送し、国立がん研究センターで集計・解析を行い、がん対策推進協議会に報告の上、第3期がん対策推進基本計画の中間評価等に活用される予定です。

背景・目的

わが国のがん対策は、2007年にがん対策基本法が施行され、それに基づくがん対策推進基本計画(以下、基本計画という。)に沿って推進されてきましたが、がん患者・家族が病気から生じている様々な影響を国の施策に反映させていくことが欠かせません。患者体験調査は、がん患者・家族の方が、実際の医療現場や社会生活の中で体験されている実態を把握し、国や都道府県のがん対策に反映するために行われます。2015年に実施された第1回目の患者体験調査は、全国のがん診療連携拠点病院134施設がん患者・家族1万4千名に対して実施され、日本のがん診療において、病気に関する説明が不十分であること、身体的苦痛・精神心理的苦痛を抱えたがん患者さんが一定数存在していること、がん相談支援センターの認知度が不足していることなど、様々な実態を明らかにしました。これらの調査結果から得られた課題については、第2期基本計画の中間評価で検討され、その対策は、2015年のがん対策加速化プランや、本年3月に閣議決定された第3期基本計画に反映されています。これらを踏まえて、厚生労働省の委託事業として本調査は、引き続き、国立がん研究センターが行い、特に、がん対策推進基本計画における全体目標の、「患者本位のがん医療の実現」「尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築」が、どの程度達成されているかについて、実態を調査し、今後のがん対策に役立てていくことを目的としています。

調査方法・対象者

より正確にがん患者さんの体験を集約できるように、全国のがん診療連携拠点病院より無作為に選ばれた177施設において、2013年及び2016年2年間の受診患者さんから各施設125名ずつを抽出し、総計2万2125人に対して、調査票を発送します。がん以外の良性腫瘍や、他の疾患で受診した方も含まれ、がん患者との比較を予定しています。また、全国の患者さんの意見ががん対策に反映されるように全国すべての都道府県において、無作為に抽出した患者さんへ質問紙を送らせていただきます。既に亡くなった方を対象として調査が届くことがありますが、その場合も記入をお願いしています。調査協力施設においては、ホームページあるいは院内掲示で調査協力へのお願いが掲載されます。

調査項目

質問項目は、患者さんが医療機関や生活上体験された事柄に関するもので、その作成には、厚生労働省がん対策推進協議会、全国がん患者団体連合会の有志、国立がん研究センターがん対策情報センター患者・市民パネルの皆様をはじめ、様々な方々からご意見をいただき、患者体験の実態を適確に反映できるように、何度も表現に修正を重ねて作成しました。例えば、医療機関での診断から治療を受けるまでの期間の長さ、治療を選ぶ上で十分な情報が得られたか、治療後に療養の場が変わるときの移行はスムーズであったか、職場・仕事での体験、周囲の人からのサポート、治療の進歩を感じるかなど、様々な場面で重要であると思われる要素を設問に設定しています。今回は、前回の調査の内容に加えて、がんゲノムや治療と仕事の両立支援、ピアサポートに関する調査等、新たな国の課題に対する調査も追加されています。

調査票送付期間・返送期限

2019年1月下旬から2月より順次発送し、調査票到着より3週間を目安に設定しています。(施設によって準備状況により若干異なるところがあります。)

回答方法

質問紙は、選択式・無記名で回答いただきます。(一部記述もあります。また、自由にご意見、ご感想を書いていただける欄も設けています)。

解析・結果の報告

国立がん研究センターで集計を行います。集計・解析結果については、がん対策推進協議会へ報告し、第3期基本計画の中間評価等に活用される予定です。また、国立がん研究センターがん対策情報センターのホームページでも公開予定で、詳細解析を学術発表することも視野に入れています。各協力施設にも集計結果は返却し、医療の質の向上に役立てられるようにいたします。

個人情報について

アンケートは協力施設の協力により発送し、返送は無記名で直接、国立がん研究センターへお願いしております。

参考資料

調査対象施設一覧は、ホームページに順次公表予定です。

報道関係からのお問い合わせ先

国立研究開発法人国立がん研究センター
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
企画戦略局 広報企画室
電話番号:03-3542-2511
E-mail:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に置き換えてください)

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