国立がん研究センターと三井不動産
柏の葉スマートシティにおいて国立がん研究センター東病院と連携した宿泊施設計画の合意~がんの「治療」と「研究」を支える宿泊施設を2022年に開業予定~
2020年6月22日
国立研究開発法人国立がん研究センター
三井不動産株式会社
in English
発表のポイント
- 国立がん研究センター東病院の敷地内に、国内外からのがん患者さんやご家族、研究者などを受け入れる病院連携宿泊施設を建設します。
- 国立がん研究センター東病院と三井不動産の公・民・学の連携により、千葉県柏の葉エリアに5GやITなどを活用した新しい診療モデルを創出します。
国立研究開発法人国立がん研究センター(所在:東京都中央区、理事長 中釜斉、以下「NCC」)と三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信、以下「三井不動産」)は、がん患者さんや付き添いのご家族の利便向上および、千葉県柏の葉エリアに新たな診療モデル創出を目的とした宿泊施設を整備するため、5月27日に国立がん研究センター東病院(所在:千葉県柏市柏の葉6-5-1、病院長 大津敦、以下「NCC東病院」)の土地の一部を三井不動産に賃貸する事業用定期借地契約を締結しました。
多くの患者さんやご家族の通院・入院を支える連携宿泊施設
国内有数のがん専門病院であるNCC東病院は、柏の葉エリア近郊だけでなく国内外の遠方からも含めて年間約30万人弱のがん患者さんに加えて、医療従事者や研究者などの多くの方が訪れています。特に放射線治療や薬物療法等の一定期間の通院治療を必要とする場合、遠隔地からの通院は身体的な負担も大きいことから、近隣に宿泊や滞在できる施設が求められていました。
今回、来訪者のニーズに応え利便性を向上させるために、NCC東病院の敷地内に病院と連携した宿泊施設を整備することとなりました。本施設は140室程度の客室を有し、患者さんが付き添い者の方と一緒に過ごせる広めの客室や、中長期滞在者のためのキッチンや家電などを備えた客室も整備する予定です。またNCC東病院と連携し、緊急時やご相談への対応、治療と仕事の両立を支援する体制を計画しています。その他、がん患者さんやご家族を支える具体的なサービス・機能については、NCCと三井不動産が共同して今後検討を進めて参ります。
5GやITなどを活用し、新たな診療モデルを創出
NCCと三井不動産は、2019年6月に次世代医療技術・ヘルスケアサービスの開発のための連携協定を結んでおり、がんの「治療」と「克服」を目指したライフサイエンス拠点の形成を推進しております。本施設も5Gなどといった新たな通信環境の整備も視野に入れ、遠隔診療・在宅医療を目標に宿泊者の健康管理に繋がるセンシングデバイスなどの実証フィールドとして活用し、新たな診療モデルの創出を目指していきます。
柏の葉スマートシティで「新たな病院と街のモデル」を創出
NCC東病院がある千葉県柏の葉エリアにおける柏の葉スマートシティは、「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」をテーマに、未来の課題解決型街づくりを目指しています。NCC東病院は新しいがん治療・診療の開発を目指し、ITなどを活用した先進的な研究に取り組んできました。三井不動産は、公・民・学の連携によるオープンイノベーションを促進するため、民間企業との実証実験を加速する「イノベーションフィールド柏の葉」や、IoTの普及や活用、IoT関連ビジネスの機会創出を目指す「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」などを進めてきました。2019年には三井不動産、柏市などが中心となって「柏の葉スマートシティコンソーシアム」を組成しました。民間データ・公共データを連携したデータプラットフォームを構築し、データの分析・利活用による新たなアプリケーションやサービスの創出にも取り組んでおり、NCC東病院も参加施設の一つとして連携・協力しています。
参考リリース
- 2019年6月24日「柏の葉エリアにおける次世代医療技術・ヘルスケアサービス開発のための連携・協力に向けた基本協定書を締結」
- 2019年6月20日「柏の葉IoTビジネス共創ラボ、ヘルスケアプロジェクトの実証実験開始 IoT技術を活用し、患者の行動フローを自動で可視化し、待ち時間の改善へ」
- 2019年6月5日「『Society5.0』の実現に向けた国土交通省のスマートシティモデル事業に選定 柏の葉スマートシティはデータ駆動型のスマート・コンパクトシティへ進化」
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 院長 大津 敦 コメント
「国立がん研究センター東病院は、世界最高レベルのがん医療の提供と新しいがん医療の創出を目指して病院全体での取り組みを進めています。この度の三井不動産様との連携による宿泊施設建設により、増加している遠隔地や海外からの患者さん・ご家族の受け入れがより円滑となり、さらに先端的なICT・AI技術の導入などにより宿泊施設との新しい次世代型の医療連携の形を構築してく所存です。」
三井不動産 代表取締役 副社長執行役員 北原 義一 コメント
「三井不動産は柏の葉において世界最先端のスマートシティの形成を進めております。街づくりのテーマは「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」です。今般、NCC東病院様にご選定いただきホテル事業を推進させていただくこととなりました。最先端のICT技術を用い宿泊される患者様とNCC東病院様をつなぐなど病院とホテルが連携したこれまでにない計画とする予定です。本事業をきっかけとしNCC東病院様と更なる連携を進めさせていただくことにより、ライフサイエンスの一大拠点化を進めるとともに、人々の幸せにつながる技術革新が生まれる場を形成していきたいと考えております。」
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/)
国立がん研究センター東病院は、1992年に世界最高レベルのがん医療の提供と新しいがん医療の創出を目的に設立され、年間9,000人を 超える新患の方が訪れる国内トップクラスのがん専門病院です。国の「臨床研究中核病院」、「ゲノム医療中核病院」、「次世代医療機器開発連携拠点」などに選定され、併設する先端医療開発センター(NCC-EPOC)とともに、横断的なネットワークを基盤としたTR研究開発の拠点として、がん新薬のFirst-in-Human試験や医師主導治験等、先進的ながん治療薬・医療機器開発を推進し、多数の実績を上げています。
三井不動産株式会社(https://www.kashiwanoha-smartcity.com/)
街づくりを通じて社会課題の解決に挑戦し、新たな価値を創っていく総合デベロッパー。柏の葉スマートシティにおいては、AI/IoTなど新技術の導入によるデータ駆動型のスマート・コンパクトシティの形成を目指しており、国土交通省「Society5.0」の実現に向けたスマートシティモデル事業の先行モデルプロジェクトに選定されました。今後、健康・医療に係る医療機関サービスのスマート化に取り組んでいきます。また、三井不動産グループは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進することで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
本件に関する報道関係お問い合わせ先
国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室(柏キャンパス)
TEL:04-7133-1111(代表) FAX:04-7130-0195
E-mail:ncc-admin@ncc.go.jp
三井不動産株式会社
広報部 TEL:03-3246-3155
建設予定地
- 住所:千葉県柏市柏の葉6丁目5番1
- アクセス :首都圏新都心鉄道つくばエクスプレス 柏の葉キャンパス駅西口 バス約6分
- 敷地面積:約3,950平方メートル
- 着工:2020年12月頃(予定)
- 開業時期:2022年夏頃(予定)