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神経内分泌腫瘍(しんけいないぶんぴつしゅよう)
更新日 : 2023年9月29日
公開日:2014年4月28日
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お知らせ
(収録日:2022年11月25日)
★「オンライン 希少がん Meet the Expert」【第3回 神経内分泌腫瘍-PRRT(ペプチド受容体核医学内用療法)を中心に-】を一部動画公開しました。
神経内分泌腫瘍とは
神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor/neoplasm: NET/NEN)とは内分泌細胞に由来する腫瘍です。神経内分泌細胞はホルモンやペプチドを分泌する細胞のことで、全身に分布するため、腫瘍も全身の臓器に発生しますが、このうち、消化器に発生するものが約60%、肺や気管支に発生するものが約30%を占めます。消化器のなかでは特に膵臓、直腸に発生するものが最も多いとされています。
NETは、1907年にドイツのOberndorfer先生が カルチノイド(Carcinoid)と命名しました。これは “がんもどき”の意味になります。他の悪性腫瘍と比べて、比較的おとなしい腫瘍という特徴をよく捉えたものではありましたが、臨床的には、遠隔転移を有する症例も少なくなく、誤った認識を与えるとの懸念から、2000年に世界保健機関(World Health Organization:WHO)により、消化器領域については、カルチノイドからNETという名称に変更され、カルチノイドという呼び方はされなくなりました。これで、消化器領域は臓器を問わず(胃腸や胆膵など)、NETに統一され、カルチノイドという名称は、NETによるホルモン産生症状(皮膚紅潮、下痢など)に対する病態に対してのみ「カルチノイド症候群」として使われるようになりました。
しかし、肺、気管支領域においては膵消化管NETとは違い、細胞の形からカルチノイドと神経内分泌がん 2つに大きく分けられます。さらに、カルチノイドは定型カルチノイドと異型カルチノイドに、神経内分泌がんは小細胞癌と大細胞神経内分泌癌の4つに分けられています。
神経内分泌腫瘍はまれな腫瘍ですが、その罹患率は、世界中で、年々増加傾向にあります。
膵消化管神経内分泌腫瘍について、2005年、2010年に全国調査がなされて、5年間で人口10万人あたりの有病患者数は膵NETでは1.2倍に、消化管NETの患者数は、約1.8倍に増加しています。
これは健診機会の増加や画像検査機器の進歩とともに、NETの認識が広がったことも大きく影響していると考えられ、今後も増加傾向が継続すると予想されます。
啓発ポスター
患者会支援団体の皆さんとの連携・協働を通して作成した
「11月は神経内分泌腫瘍啓発月間」ポスター
希少がんリーフレット
執筆協力者
- 肱岡 範(ひじおか すすむ)
- 希少がんセンター
- 国立がん研究センター中央病院
- 肝胆膵内科
関連リンク
- 肺神経内分泌腫瘍
- 膵・消化管神経内分泌腫瘍
- 神経内分泌がん
- 動画:「神経内分泌腫瘍:総論」肱岡範(第39回 希少がん Meet the Expert)
- 動画:「消化管神経内分泌腫瘍」本間義崇(第29回 希少がん Meet the Expert)
- 動画:「膵神経内分泌腫瘍」肱岡範(第19回 希少がん Meet the Expert)
- 動画:「神経内分泌腫瘍」森実千種(第9回 希少がん Meet the Expert)
- 動画:「神経内分泌腫瘍」肱岡範~主に医療者向け~ (外部サイトにリンクします)
- 肱岡 範(ひじおか すすむ)
- 中央病院 肝胆膵内科
- さまざまな希少がんの解説
- 国立がん研究センター 希少がんセンター
- がん情報サービス:神経内分泌腫瘍 (外部サイトにリンクします)
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