肝胆膵内科
中央病院 肝胆膵内科では、肝臓がん(肝がん)、胆道がん、膵がん(膵臓がん)に対する内科治療を、経験豊富なスタッフのもとで積極的に行っています。
標準治療だけでなく、新規治療の提供や開発を積極的に行っているのが当科の特徴です。
正確な診断に基づき、一人ひとりの患者さんにとってより良い治療をご提案します。
膵がん(膵臓がん)
膵臓(すいぞう)は、胃の後ろに位置し、消化酵素の分泌や血糖値の調整を行う重要な役割を担う臓器です。
この膵臓に発生するがんが「膵がん(膵臓がん)」です。その中でも、膵臓に張り巡らされた「膵管」という細い管の細胞から発生する「浸潤性膵管がん」が、膵臓がん全体の約9割を占めると言われています。
膵がんは、早期発見が難しい特性があり、発見時にはすでに進行しているケースが多く、外科切除が困難な場合も少なくありません。
しかし、中央病院 肝胆膵内科では、このような進行した膵がんや再発した膵がんに対して、化学療法(抗がん剤治療)や化学放射線療法を積極的に実施しています。
また、切除後の再発抑制を目的とした術前および術後補助化学療法も、肝胆膵外科と密接に連携を取りながら行っています。
さらに、超音波内視鏡(EUS)を用いた組織診断(EUS-FNA)や、内視鏡的ドレナージ(ERCPやEUS-BD)といった高度な検査・治療も積極的に行い、患者さん一人ひとりにより良い治療を提供しています。
胆道がん
胆道とは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へと運ぶ管の総称です。胆汁は、脂肪の消化吸収を助ける重要な消化液です。この胆道は、肝臓の中にある肝内胆管、肝臓の外にある肝外胆管、胆嚢(たんのう)、総胆管、そして十二指腸に開口するファーター乳頭部などから構成されています。
胆嚢がんや肝外胆管がん、ファーター乳頭部がんなど、これらの胆道にできるがんを総称して「胆道がん」と呼びます。これらのがんに対しては外科による切除が第一選択となりますが、がんの進展のために切除が難しい場合や、切除後に再発した場合、あるいは切除後の再発抑制を目的とした術後補助療法として、化学療法(抗がん剤治療)を中心とした内科治療を中央病院 肝胆膵内科で行っています。
また、術前の正確な範囲診断などの精査や、内視鏡を使った減黄術(ドレナージ)なども行っています。
肝臓がん
肝臓がんの多くは、肝細胞がんと呼ばれるタイプの腫瘍です。肝細胞がんに対する治療は、外科治療の他に、ラジオ波焼灼療法(RFA)、エタノール注入療法(PEI)、肝動脈塞栓療法(TAE)、肝動注化学療法(TAI)、全身化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法など多岐にわたっています。
個々の患者さんのがんの状況や肝臓の状態(肝の予備能力)に応じて、適切な治療方針を選択し、実施いたします。
また、肝内胆管がんと呼ばれる比較的まれな肝臓がんに対しては、外科で切除することが難しい場合に、化学療法を中心とした内科治療を行っています。
その他の肝胆膵領域のがん
肝胆膵領域を原発とするまれながん(神経内分泌腫瘍、神経内分泌がんなど)の患者さんも当科には多く受診しておられ、これらの疾患に対する内科治療にも取り組んでいます。