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国立がん研究センター

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子宮頸がんの予防・ワクチン

更新日 : 2025年4月1日

子宮頸がんはワクチンで予防が可能です

子宮頸がんHPVワクチン接種

子宮頸がんは、子宮の入り口付近(子宮頸部)にできるがんのことです。子宮頸がんは、若い年齢層で発症する割合が比較的高く、毎年1万人以上の女性が子宮頸がんと診断され、毎年約3,000人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)、国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)参照 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html

また、子宮頸がんにかかると多くの場合で治療のために子宮を摘出したり、放射線治療などの影響で、妊娠・出産ができなくなってしまいます。
子宮頸がんの多くは、性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)に感染することが原因で起こります。HPVは男女問わず生涯に一度は感染するといわれている一般的なウイルスで、誰でも感染するリスクはありますが、感染したからといって必ずがんを発症するわけではありません。しかしながら女性の場合は、ウイルスが排除されず、感染が長期間続くと、一部の人には異形成といわれる前がん病変が起こり、さらに、数年以上かけて子宮頸がんに進行すると考えられています。子宮頸がんの予防には、HPVの感染を防ぐことが重要であり、そのために有効なのがHPVワクチンの接種です。
HPVワクチンは、他のワクチンと同じように、有効性と安全性が認められており、早い年齢で接種するほど、高い感染予防効果が期待できます。

小学6年生から高校1年生相当の方は公費での定期接種を受けられます

HPVワクチンは、初めての性交渉前に接種することが望ましいといわれています。そのため、日本では現在、小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、2価・4価・9価HPVワクチンの定期接種が無料(公費助成)で行われています。
定期接種の受け方は、お住いの市区町村のウェブサイトなどでご確認ください。

HPVワクチンの種類

HPVワクチンには、防ぐことができるHPVのタイプにより、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード)の3種類があります。
ワクチン接種が普及しているスウェーデン、イングランド、デンマークなどの国からは、ワクチン接種世代で子宮頸がんが90%近くも減ったことが報告されています。

9価ワクチンで80~90%のHPV感染を予防

日本では2023年度から開始された9価ワクチンにより、子宮頸がんの原因の80~90%を占める、7種類のHPVの感染を予防することができます。接種できるワクチンは医療機関によって異なる場合がありますので、予約時にご確認ください。
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出典:厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf(外部サイトにリンクします)

ワクチンで予防できるがんはワクチンで防ぐのが原則ですが、子宮頸がんはワクチンで感染が予防できないHPVが原因となったり、HPV以外の原因が関係していることもあります。そこで20歳以上の人は、2年に1回は子宮頸がん検診を受け、早期発見に努めることが大切です。子宮頸がん検診では、がんの手前である前がん病変も発見でき、早期に適切な治療を行うことで進展を防ぐことができます。お住まいの市区町村から検診の案内が届いたら、積極的に子宮頸がん検診を受けるようにしてください。

一般的な接種スケジュールや接種間隔

HPVワクチンは、初めての性交渉前に接種することが望ましいといわれています。そのため、日本では現在、小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、2価・4価・9価HPVワクチンの定期接種が無料(公費助成)で行われています。
ワクチンの接種回数は同じワクチンを合計3回(9価ワクチンは1回目を14歳以下で受ける場合は2回)接種します。

HPVワクチンを互いに取りかえて接種した場合の予防効果は確認されていないため、同じワクチンを決められたスケジュールで決められた回数受けてください。

なお、サーバリックス®は、特別な事情がある方に限り、異なる接種スケジュールが可能な場合があります。その場合は、事前に医師にご相談ください。

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出典:厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf(外部サイトにリンクします)

HPVワクチン接種のリスク

HPVワクチン接種後は、他のワクチンと同様にさまざまな症状(副反応)が出ることがあります。接種部位の痛みや腫れのほか、頭痛や発熱、吐き気、めまいなどの全身症状が起こる場合もあります。気になる症状があれば、接種した医療機関に相談してください。また、過去に、予防接種で腕の痛みやしびれが長引いたり、アレルギーを起こしたことがある人は、接種前に申し出るようにしましょう。
HPVワクチンのリスク

出典:厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf(外部サイトにリンクします)

がんの解説「子宮頸がん」シリーズ

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参考情報

国立がん研究センターが提供する子宮頸がんに関する情報を紹介します。

監修

国立がん研究センター 中央病院 婦人腫瘍科 科長 石川光也

石川 光也 (いしかわ みつや)

1996年慶應義塾大学卒業。大学病院での研修の後、国立埼玉病院、東京歯科大学市川総合病院、当院婦人腫瘍科医長などを経て、2023年より現職。

「一生涯にがんになる確率は男性のほうが高いのですが、25歳から55歳までに限定すると、女性のほうががんの罹患率は高くなっています。 中でも、仕事や育児などに忙しい現役世代の女性に多いのが、子宮頸がんです。子宮頸がんは予防できるがんですので、このページでHPVワクチンについて知っていただき、ご自身や大切な娘さんの未来を守るための行動を起こしてください。」

  • 専門医・認定医資格など:
    日本産科婦人科学会 専門医・指導医
    日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・指導医
    日本臨床細胞学会 細胞診専門医
    日本がん治療認定医機構  がん治療認定医
    日本遺伝性腫瘍学会 遺伝性腫瘍専門医
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