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国立がん研究センター

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子宮頸がん検診

更新日 : 2025年3月7日

公開日:2025年3月4日

自覚症状がほとんどない子宮頸がん だからこそ定期検診が大切

子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)への感染です。HPVは、性交渉(性行為)によって感染する一般的なウイルスで、誰でも感染するリスクはあります。多くの場合、HPVは自然に排除されますが、一部は排除されず、感染状態が長く続くと、子宮頸部の細胞に変化が起こり、さらに数年以上かけて子宮頸がんに進行すると考えられています。
子宮頸がんはHPVワクチン接種により80~90%のHPV感染を予防できますが、HPVワクチンだけでは予防できない種類のHPVが感染していたり、HPV以外の原因が関与している場合もあります。またHPVワクチンでは1度感染したHPVを排除することはできません。加えて、子宮頸がんは自覚症状がほとんどなく発症に自分では気づきにくいがんです。

20歳になったら子宮頸がん検診

日本では、20歳になったら2年に1度、定期的に子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。これは、子宮頸がんの原因となるHPVへの感染が、性交渉(性行為)の開始とともに増加するからです。
20歳未満は、子宮頸がんの発症率が低いため、検診の対象にはなっていませんが、性暴力の被害に遭った場合などは、年齢に関係なく婦人科を受診して、相談するようにしてください。

子宮頸がん検診の方法

子宮頸がん検診では、問診や視診のほか、子宮頸部の細胞を採取(細胞診)して顕微鏡で調べることで、がんやその前段階である異形成などの前がん病変を見つけることができます。もし、検査の結果が「要精密検査」となったら、必ず精密検査を受けてください。

子宮頸がん検診Q&A

費用はどれくらい?

子宮頸がん検診は多くの自治体で無料で受診できたり、補助が出る場合があります。まずはお住いの市区町村でどのような制度があるか調べてみましょう。
そのうえで、検診の受診券が市区町村からご自宅に届く場合や、受診者が病院に直接予約や来院をする場合などがあります。

生理が重なりそうですが大丈夫ですか?

子宮頸がん検診を受ける時の注意点として、月経(生理)中の受診はなるべく避けるようにしてください。

どのような場所で受けることができますか?

産婦人科や検診センターなどで受けることができます。

内診台にあがってどのようなことをするの?

内診台で医師が子宮頸部(子宮の入り口)を、専用のブラシやヘラでこすって細胞を採り、異常な細胞がないか顕微鏡で調べる検査を行います。

子宮頸がん検査

子宮頸がんの検査では、内診台に上がり、腟の奥(子宮頸部)が見えるように座って行うものがあります。恥ずかしく感じるかもしれませんが、検査中はお腹のあたりにカーテンが引かれるなどの配慮がされています。医師や看護師はそばにいて、安心して検査を受けられるよう声かけなどを行いますので、深呼吸したり、足の力を抜くなど、リラックスして検査を受けましょう。検査には痛みや出血を伴う場合があります。不安なことや痛みなどがあれば、我慢せずに伝えてください。

 

どんな検査が行われているの?

採取した細胞を用いて、細胞診またはHPV検査が行われます。

細胞診

子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で観察することで、がん細胞や前がん細胞がないか調べます。

HPV検査

細胞診で採取した細胞が、子宮頸がんの原因であるHPVに感染していないかどうかを調べます。
厚生労働省の指針では30歳以上を対象者としています。ただし、「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン2019年度版」と「対策型検診におけるHPV検査単独法による子宮頸がん検診マニュアル」では30歳から60歳の女性を対象者としています。


子宮頸がん検診(細胞診検査、HPV検査)の流れと検診結果の判定

「要精密検査」となったらどうするの?

直ちに医療機関を受診しましょう。コルポスコピー(腟拡大鏡診)、組織診断などの精密検査を行います。
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がんの解説「子宮頸がん」シリーズ

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参考情報

国立がん研究センターが提供する子宮頸がんに関する情報を紹介します。

監修

国立がん研究センター 中央病院 婦人腫瘍科 科長 石川光也

石川 光也 (いしかわ みつや)

1996年慶應義塾大学卒業。大学病院での研修の後、国立埼玉病院、東京歯科大学市川総合病院、当院婦人腫瘍科医長などを経て、2023年より現職。

「一生涯にがんになる確率は男性のほうが高いのですが、25歳から55歳までに限定すると、女性のほうががんの罹患率は高くなっています。 中でも、仕事や育児などに忙しい現役世代の女性に多いのが、子宮頸がんです。子宮頸がんは予防できるがんですので、このページで子宮頸がんの事やHPVワクチン、検診での早期発見の大切さについてについて知っていただけたらと思います。」

  • 専門医・認定医資格など:
    日本産科婦人科学会 専門医・指導医
    日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・指導医
    日本臨床細胞学会 細胞診専門医
    日本がん治療認定医機構  がん治療認定医
    日本遺伝性腫瘍学会 遺伝性腫瘍専門医

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