西川 博嘉 国立がん研究センター分野長がアメリカ科学振興協会(AAAS)のフェローに選出
掲載日:2020年11月25日
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西川博嘉 国立がん研究センター 分野長、名古屋大学大学院 教授が、アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science、AAAS)のフェローに選出されました。
AAASは、「Science」など多くの著名な学術誌を出版している世界最大級の学術団体で、各研究部門において、功績が高く評価された会員に対し、毎年AAASフェローの称号が贈られています。
2020年は、Medical sciences部門で39名が選出されました。同部門での日本人の選出は西川のみです。
AAAS
AAAS Announces Leading Scientists Elected as 2020 Fellows
https://www.aaas.org/news/aaas-announces-leading-scientists-elected-2020-fellows(外部サイトへリンクします)
西川 博嘉(にしかわ ひろよし)
研究成果
これまで西川は、CD4+制御性T細胞をはじめとした免疫抑制ネットワークが抗腫瘍免疫応答を抑制する機構の解明に取り組むとともに、それを克服する治療法の開発を進めてきました。特に抗腫瘍免疫応答に重要なエフェクターT細胞が制御性T細胞による免疫抑制により免疫寛容に陥る機構が抗原の性質の違い(自己vs 非自己)により異なることを明らかにしました。これらの知見は、がん免疫のみならず、自己免疫、アレルギー、感染症、移植などの様々な免疫応答の理解にも極めて重要と考えられます。さらに近年は、がん細胞のゲノム異常が免疫応答に影響を与え、腫瘍微小環境に免疫抑制ネットワークを構築するという発がん過程の全く新しい概念を提唱し、免疫ゲノムプレシジョン医療の実現に取り組んでいます。
略歴
1995年 三重大学医学部医学科卒業
1995年 三重大学医学附属病院 研修医
1995年-1997年 松阪中央総合病院 研修医
1997年-1998年 鈴鹿中央総合病院 内科医員
1998年-2002年 三重大学大学院医学研究科内科学専攻
2002年 学位 博士(医学)
2002年-2003年 三重大学医学部附属病院 内科医員
2003年-2006年 Memorial Sloan Kettering Cancer Center リサーチフェロー
2006年-2010年 三重大学大学院医学系研究科 病態解明医学講座 講師
2010年-2015年 大阪大学免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学 特任准教授
2012年-2015年 Department of Oncology, Roswell Park Cancer Institute,
Adjunct Associate Professor
2015年-現在 国立がん研究センター
先端医療開発センター 免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長、
研究所 腫瘍免疫研究分野 分野長
2016年-現在 名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学教授
専門・研究対象
免疫学、腫瘍学、特にがん免疫及びがん免疫療法についての研究