コンテンツにジャンプ

トップページ > 診療科・共通部門 > 外科系 > 形成外科 > 各種治療 > 下顎二次再建について

下顎二次再建について

下顎(かがく)骨の役割

  1. 顎の形態の維持:見た目を良くします。
  2. 咬合機能:安定した下顎骨があることで、食物を噛み砕き、スムーズな食事をすることが可能となります。
  3. 口腔の維持:口の中の空間を保ち、舌が複雑な動きをすることを可能にします。舌の動きが妨げられると食物摂取や発話が困難となります。

下顎骨が失われると

下顎骨は外傷や手術で失われることがあります。 最も多いのは、がんの手術により下顎骨が部分的に切除されることです。部分的切除であっても、下顎骨の連続性が失われると、下顎骨はぐらぐらになり、位置がずれてしまいます。 それによって、上記の機能が失われ、生活の質を著しく落とすことになります。

注:欠損の長さや範囲によっては、機能への支障をきたさないこともあります。

下顎再建の方法

下顎骨が失われた部分に代替となる硬い組織を置き、下顎骨の連続性と形態を再建します。

自分の骨を移植する再建

腓骨(足)、肩甲骨(背中)、腸骨(腰)などを血管付きで採取し、下顎部に移植します。顕微鏡を用いた血管吻合を必要とします。自分の骨で再建できるため、現時点では最も理想的な方法です。

金属プレートでの再建

医療用の金属プレートを下顎の形に合わせて加工し、骨と骨との間に固定します。プレートのみでは組織が不足するため、他部位(腹、太腿など)から皮膚+筋肉を一緒に移植することが多いです。
その場合、顕微鏡を用いた血管吻合を必要とします。プレートは破損や感染をおこし抜去しなければならないことがあります。

下顎再建の時期

一次再建

がんの切除と同時に下顎の再建を行います。このパターンが最も多く、術後の経過も良好です。

二次再建

下顎骨が失われた際、何らかの理由で再建ができなかった場合、後日再建を行います。難易度が高く、より高度な技術を必要とします。

二次再建の効果

下顎骨(の一部)が失われてからの期間が長いほど、下顎は変移した部分で固くなり、正常な位置に戻すことが困難となります。期待したほどの回復が得られないことがあります。しかし、再建前と比較すると舌の動きが良好になり、食物を口から摂取できるようになる可能性が高くなります。

下顎二次再建のご相談

診察の予約をして、形成外科外来を受診されてください。紹介状をお持ちください。

更新日:2024年5月13日