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放射線治療陽子線治療
陽子線治療とは
陽子線治療の線量分布
陽子線治療はある一定の深さでエネルギーが最大になる現象(ブラックピーク)を利用した治療であり、正常細胞へのダメージを抑えた治療が可能となります。 陽子線治療は、計画用CT撮影から治療開始まで約2週間の治療準備期間を設けております。それは治療で使用するボーラス・コリメータ作成と、その検証といった幾つかのプロセスを踏んでから治療開始となるためです。 詳しくは、「陽子線の概要」をご覧ください。
陽子線治療の流れ
- 診察
- まず放射線治療医が問診・診察を行います。
- これまでの画像診断や病理診断等の結果から陽子線治療の適応があるかどうかを判断し、照射する範囲、照射線量、照射回数等の治療方針を決定します。
- 治療計画用CT撮影(詳しくは「治療計画CT」のページをご覧ください)
- 診察にて治療を行うことが決定した際は治療計画CT撮影を行います。
- 治療計画用CTは、放射線治療と同じ体勢で行うため照射精度を左右する重要な行程になります。患者さんの困難な体位は避けますが、固定具を使って両腕を挙上させたり、頭頸部固定用の専用の枕やお面を作成します。
- 呼吸によって位置が変化する部位は、呼吸性移動量を測定し、治療に反映させています。
- 治療する際の目印として、治療部位周辺にマジックで線を書かせて頂きます(お面に書く場合と直接皮膚表面に線を書く場合があります)。
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頭頸部固定用のお面(シェル)を作成する様子
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実際の治療計画CTの風景
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- 陽子線治療計画
- 一般的に放射線治療で用いられる線量は、診断領域と比べて非常に大きく、同じ照射範囲への再照射は許されません。さらに正常組織の線量を可能な限り小さくし、癌病巣へ照射するため、緻密な治療計画を立案する必要があります。
- 治療計画用CTで撮影した画像から、陽子線治療計画装置にて適切な照射方向、門数等の照射条件を決定します。
- 決定した照射条件から、病気の形状や、体表面からの深さに合わせて陽子線の広がりを調整するボーラス(写真左)・コリメータ(写真右)を作成します。スキャニング法での治療の場合はボーラス、コリメータはありません。
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ボーラス
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コリメータ
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- 治療計画の検証作業
- 陽子線治療計画装置にて作成された治療計画が問題ないか専用の測定器を用いて、実際に測定して確認します。
- 陽子線治療開始
- 照射部位によって異なりますが、おおよそ治療終了まで15分程度かかります。 治療計画用CT撮影時に作成した専用の固定具を使用し、体を固定します。そこで位置照合のためのエックス線写真撮影を行い、治療部位の位置確認を行います。計画された位置と誤差1mm以内になりましたら、陽子線の照射を行います。
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陽子線治療の風景
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陽子線治療の照射イメージ
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陽子線治療の注意事項
体幹部治療における体へのマーキング(線書き)
- CT撮影時、治療開始時に体幹部の場合は体にマーキングをさせて頂きます。
- マーキング部分は極力こすらず落とさないようにお願いします。
- マーキングが消えてしまうと治療時間が伸びる可能性があります。
前立腺治療
- 飲水してから約30分後に治療を行います。
- 30分で膀胱(ぼうこう)が膨らまない方は時間を延長します。このために飲水と治療の順番が前後することがあります。
- 直腸にガスまたは便が溜まっている場合は、排便のためにトイレへ行って頂く場合があります。