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子宮頸がんの治療について

子宮頸がんとは

子宮の入り口である子宮頸部から発生するがんです。その多くはヒトパピローマウイルスという性交渉で移るウイルスの持続感染によるものです。そのため30~40歳代の若い患者が多い特徴があります。また喫煙歴のある方に多いことが分かっています。

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出典:公益社団法人日本産科婦人科学会ホームページ

病期(ステージ)について

 治療方法を決定するために一般的な婦人科診療(膣鏡診・内診・経腟超音波検査)に加え、子宮頸部の病理組織学的検査や骨盤MRIや胸腹CTなどの画像検査を行います。手術療法を施行した方では最終的に術後の病理組織学的診断にて病期(ステージ)が決定されます。


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出典:国立がん研究センター がん情報サービス

病期(ステージ)ごとの治療法

IA期

子宮頸部円錐切除術としてループ式電気円錐切除法(LEEP法)を用い、2泊3日で手術を行い診断します。IA期であっても将来の妊娠・出産のご希望がない方へは、子宮摘出術をお奨めしています。

IB~IIA期

IB~IIA期までの早期子宮頸がんに対しては手術療法が選択肢となり多くの方が選択されます。放射線治療も選択肢の一つとなります。将来の妊娠・出産を考慮した広汎子宮頸部摘出術は当院では行っておりません。また子宮頸がんに対する低侵襲手術(ロボット手術や腹腔鏡手術)に関しても、開腹手術に比べて再発率・死亡率ともに高いという国際臨床試験結果があるため、当院では基本的にお奨めしていません。
子宮頸がんに対する手術療法は、広汎(こうはん)子宮全摘術という開腹手術で行っています。またこの術式の典型的な術後合併症である排尿障害が極力軽くなるよう、神経温存術式を取り入れています。ただし腫瘍が大きい場合や子宮周囲へのがん浸潤の可能性がある場合には神経温存術式は適応となりません。

IIB~IVA期

進行したIIB~IVA期の子宮頸がんに対しては、同時化学放射線療法(CCRT:放射線治療に加え抗がん剤治療を同時に行う治療)を中心とした治療をお奨めしています。当院の放射線治療科ならびに腫瘍内科の先生に治療を担当して頂き約2か月かけて行います。またCCRTの一部である、膣からの放射線照射(腔内照射)も、2021年より当院で行えるようになり、現在ではCCRTを当院のみで完結できる体制になっています。

 IVB期

骨盤を超えたリンパ節転移や、肝臓や肺に転移のあるIVB期症例に対しては、原則的に抗がん剤による化学療法を行います。

更新日:2024年6月13日