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3.悪性度の低いがんに対する機能温存
十二指腸に発生する悪性度の低いがんに対しては、膵臓や胆管も含めて大きく切除する「膵頭十二指腸切除」ではなく、膵臓は温存して十二指腸のみを切除してつなぎ直す「膵温存十二指腸切除」という術式もあります。この手術では胆管と膵管が十二指腸に合流しているところを一緒に切除し再建する術式(図6)やその再建を必要としない術式(図7)があります。胆汁や膵液といった消化液が流れるところを再建する手術はより複雑で、術後胆汁の流れがうっ滞し胆のう炎を起こすことが危惧されますのでこの手術では胆のうも摘出します。こうした膵温存十二指腸切除術を国立がん研究センター東病院では30年以上前から導入しており、治療成績を論文発表もし、安全に行えています。この手術の適応を判断するために、肝胆膵内科や消化管内視鏡科による超音波内視鏡などの検査を行い、がんの進展度を正確に評価するようにしています。図6 胆管、膵管も再建するときの膵温存十二指腸切除(イメージ)
図7 十二指腸だけを切除したときの膵温存十二指腸切除(イメージ)
また、膵臓の体部や尾部に発生した悪性度の低いがんに対しては、脾臓を温存する「脾温存膵体尾部切除」を行う場合もあります。国立がん研究センター東病院ではこの術式も、腹腔鏡手術で行うことが可能です(図8)。
図8 脾温存膵体尾部切除(イメージ)
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