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対象疾患
精神腫瘍科では、心のつらさに対する対応の他に、下記の疾患などに対する診断・治療も行っています。
「これまでに診断を受けたことがある」「症状が当てはまる気がする」といった方はお気軽にご相談ください。
不眠
睡眠に関する問題はがん治療中の方が最も多く体験される症状の一つです。
不眠が長引くことは身体と心の両方に悪影響を及ぼすため、我慢せずにご相談いただき、お薬の調整や眠るための環境を整えるなど、適切な対応が大切です。
不眠の種類には大きく分けて以下の5つがあります。
- 寝付きが悪い
- 夜中に何度も起きてしまう
- 朝早くに目が覚めてしまう
- 眠りが浅い
- しっかり寝た感じがしない
睡眠薬は種類によってはせん妄を引き起こす原因になる場合や、体調によっては強すぎたりしてしまう場合があるため、長年使用しているお薬があっても一度ご相談ください。
適応障害
適応障害はがんの患者さんに最も多く見られる症状です。
ストレスイベント(悪い知らせを受けたなど)から気分の落ち込みや不安が続きます。
またその始まりから3ヶ月以内にさまざまな形で以下のような症状が現れます。
- 気分が落ち込む日が続く
- 集中力が落ちて、仕事や勉強がはかどらなくなった
- 寝つきが悪い、食欲が落ちた
など
不安障害
不安障害は心配事や不安が高まったとき、さらには日常生活で突然以下のような症状が身体に出てくることがあります。
- 胸がどきどきする(動悸)
- 息が詰まる様な感じや呼吸がうまくできない
- めまい感やふらつく感じ、または気が遠くなるような感じ
など
うつ病
強いストレスがかかると、誰でも気持ちが落ち込んだり、眠れなくなったりすることがありますが、長く続く場合にはうつ病の可能性が出てきます。
以下のような症状が2週間以上続く場合は一度ご相談ください。
- ほとんど一日中気分が落ち込んでいる
- 涙が止まらない
- 今まで楽しめていたことが楽しめない、する気にならない
- テレビや新聞などに集中できない
- 食欲がまったくない、もしくは食べすぎてしまう
- 眠れない、もしくは寝すぎてしまう
- そわそわして落ち着かない
- 何をするにも時間がかかる、動作が遅くなる
- 何をするのも億劫
- 自分は迷惑ばかりかけていると思う
- 消えてしまいたいと思う
など
認知症
がん、認知症はどちらも一般的に高齢になるほど罹る割合が増えることから、認知症の症状を持ちながらがん治療を受けることは珍しくありません。ご家族が気づきやすい症状としては以下のようなものがあります。
- もの忘れが目立つ
- 何度も同じことを言う
- 忘れていることを取り繕う
- 薬を飲み忘れる、飲み間違える
- 料理の味付けが変わった
- 昔できていたことができなくなった
- 外出をしなくなった
など
ご本人の中では最近の記憶がなくなったり、自分でしたことを思い出せなくなったり、どうして以前はできたことができなくなったのかと戸惑い、不安を感じます。
がん治療中の方が認知症になった場合、「治療に必要なお薬を飲み間違える」「医師や看護師から指示されたことができない」「症状を伝えられないために対応が遅れる」などの問題が起きやすくなります。
認知症に気づくことで、認知症の進行を遅らせるお薬の調整や、入院中のケアに活かしたり、退院後ご自宅での生活上の工夫点を相談したりすることができます。
せん妄
せん妄は身体に何らかの負担がかかったときに、一時的に脳の機能が乱れることで生じる症状です。
以下のような変化がありましたら、担当医や看護師にお知らせください。
- 意識がくもってぼんやりする
- 朦朧として話の辻褄があわない
- 急に怒りっぽくなったり、興奮したりする
- 昼夜逆転している ・点滴などを抜いてしまう
など
脱水、感染(肺炎など)、貧血、薬物、脳へのがんの転移などが原因になりますが、高齢の方、お酒の量が多い方、物忘れや認知症がある方、以前にせん妄になったことがある方は特に注意が必要です。
「認知症」や「気持ちの持ちよう」によるものではなく、原因となった身体の負担を取り除き、脳の機能の乱れを改善するお薬や環境の調整によって、多くの場合で症状が改善します。
症状や原因・予防について患者さんやご家族の方がイメージしやすいよう動画・パンフレットでも説明しています。
動画:「せん妄 発症と重症化を予防するために~患者様・ご家族の方に知っていただきたいこと~」(外部サイトにリンクします)
動画:「あれ?いつもと様子が違う=せん妄とは?」患者様・ご家族向け(外部サイトにリンクします)