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診療について

診療内容

放射線治療は悪性腫瘍の治療の根幹となる治療法のひとつであり、当科では当院の全科を受診される患者さんを対象にして、治す治療から症状緩和まで様々な放射線治療を行っています。
当院では、放射線治療において体幹部定位照射(SBRT)/強度変調放射線治療(IMRT)、さらに陽子線治療を行うことができ、高精度放射線治療に加え先進医療にも対応しています。

X線による放射線治療について

I/IIA期肺がん、5センチメートル以下かつ転移のない肝細胞がん、転移病巣のない限局性の膵がん、5センチメートル以下の転移性脊椎腫瘍、少数の転移を伴う病態であるオリゴ転移病変などに対して、高線量を1回もしくは数回に分けて照射する体幹部定位放射線治療(SBRT)も実施しており、より高精度な治療も行っております。また、3センチメートル以下、4か所までの脳転移に対する定位手術的放射線治療(SRS)も導入されております。
前立腺がん、進行した頭頸部がんや食道がん、肺がん、子宮頸がん、直腸がん、肛門がん、一部の乳がんなどに対して、より確実に、より少ない副作用で治癒を目指す方法として強度変調放射線治療(IMRT)を積極的に取り入れています。その他の通常の放射線治療に加えて、これらの先進医療技術を安全かつ有効に行うために、医学物理士と連携して品質管理の実施とさらに高い品質の獲得を目指した研究に力を注いでいます。
骨や脳などへの転移に伴う疼痛や神経症状など、症状を緩和するための放射線治療も行っています。痛みの程度や部位、患者さんの症状や具合により1回の治療で十分な場合もあります。また、血液腫瘍に対する同種造血幹細胞移植の前処置として、全身照射も実施しております。

小線源治療について

2021年7月より婦人科がんに対する小線源治療が開始され、当院での治療可能疾患の幅がさらに広がりました。子宮頸がんに対する小線源治療では、通常の腔内照射だけではなく組織内照射も行っており、患者さんひとりひとりに合わせた治療を行っております。また、治療時に鎮痛薬を使用することにより、除痛をした状態で、患者さんの負担を軽減できるように外来での治療を行っております。

陽子線治療について

新しい技術の導入と評価、品質管理に力を入れています。陽子線治療(関連リンクをご覧ください)は先進医療および保険診療として行っており、今後の適応の拡大に向けて研究をすすめています。2015年10月より、複雑な形状の腫瘍に対応できる「陽子線ラインスキャニング照射法」による治療を開始しました。

  • 先進医療による陽子線治療の費用
    先進医療での陽子線治療は、2,941,000円(2025年4月現在)が全額自己負担の形で必要です(関連リンクをご覧ください)。
  • 保険診療における適用疾患と陽子線治療の費用
    2016年4月から小児がん(限局性の固形悪性腫瘍)に対する陽子線治療が保険適用となりました。また、2018年4月1日より、限局性及び局所進行性前立腺がん(転移を有するものを除く)、頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)、手術による根治的な治療が困難な骨軟部腫瘍の陽子線治療も保険適用となりました。さらに、2022年4月より4センチメートル以上の切除不能肝細胞がん、切除不能肝内胆管がん、切除不能局所進行膵がん、切除不能局所大腸がん術後再発病変、2024年6月から切除不能I期からIIA期の肺がんに対する陽子線治療も保険適用となっております。
    2025年4月現在、保険診療での陽子線治療費には、1,600,000円(前立腺がん)、2,375,000円(前立腺がん以外の保険適用の疾患)の2種類があります。陽子線治療の治療回数は部位により異なりますが、全体の費用の自己負担額分(通常の3割計算、約500,000-800,000円)を陽子線治療の開始日に一括でお支払いいただくことが原則となっています。
    「限度額適用認定」という制度を利用すれば定められた限度額の支払で済ませることが出来ます。治療の開始日までに保険証の発行元にて「限度額適用認定証」を発行してもらい保険証確認窓口にお持ちください。詳しくは保険者(各市町村など)にお問い合わせください。また、当院ではマイナンバーカードを利用した保険証確認(マイナ保険証)をご利用できます。マイナ保険証を利用する場合、限度額適用認定証が不要となります。


色々な治療法の中から陽子線治療・放射線治療を適確に選択し、患者さんに応じて他の方法(手術、化学療法、ホルモン療法など)を適切に組み合わせた治療を行うことを目指しています。

診療実績

放射線治療患者数の年次推移2022

 

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更新日:2025年4月23日