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科長あいさつ

坪井 正博の写真

 肺がんに対して多くの方がこわい病気というイメージを抱いていらっしゃることでしょう。しかし、一口に肺がんと言っても「十人十色」で、いろいろなタイプがあります。がんという重みに押しつぶされないでご自分の受けたい治療を選択し、それを受けることが大切です。

 最近の医療の進歩で肺がん全体の5年生存率は大きく延びてきていますが、まだまだ改善の余地はたくさん残されています。私たちは、患者さんやご家族と信頼関係をつくって「ワン・チーム」で肺がんに代表される胸部の悪性腫瘍という病気に一緒に向き合っています。患者さん個々に満足度の高い診断、治療を提供したいと日々の診療に惜しみなく心血を注いでいます。

 早期の肺がんに対しては、手術に耐えられる体力のある方には胸腔鏡やロボットを使った低侵襲な手術を行っています。局所進行肺がんに対しては、近年目まぐるしい進歩を遂げてきている免疫療法、分子標的薬などの薬物治療や放射線治療と手術を組み合わせて、がんを完全に取りきる工夫を行っています。また、私たちの施設では、国境の垣根を越えて行われている薬物療法や放射線治療と外科手術を併用した治験、臨床研究に積極的に取り組んでおり、新しい治療を受けられるチャンスがあります。肺がんに対する年間手術症例数は400例を超えており、日本を代表するハイボリュームセンターです。このような当院での日々の豊富な診療経験を世界に発表し続け、常に世界をリードしていく所存です。

 繰り返しになりますが、日常診療では患者さん一人一人の言葉に誠心誠意耳を傾け、様々な治療方針の中から個々の患者さんにとってベストと思われる治療を提供しています。そして、少しでも手術で肺がんを治すことが期待出来るのであれば、その可能性にかけ、チーム一丸となって持てる全ての技術を注いでいます。私たちの診療のモットーは、「あきらめない」です。
「レントゲンで胸に影がある」「CTで肺に異常がある」と診断されたとき、どうぞ当院呼吸器外科の外来にいらしてください。患者さんご自身もチームの一員となって、一緒に肺がんや胸部の腫瘍を治療して参りましょう。

国立がん研究センター東病院 呼吸器外科長

坪井 正博

更新日:2022年9月13日