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新人教育プログラム
新しく看護師になる方に、国立がんセンター東病院の新人教育の体制や考え方、教育プログラム、新人看護師の実際の生活をご紹介します。
新人教育の考え方
当院の教育プログラムは「学んで輝き生き生きと動く看護師」を目指すもので、職員全体が成人学習者として自律し、臨床での判断力、柔軟性、実践力を高めるために、それぞれの段階に必要な能力を養うため計画しています。新人教育は、その基礎となる部分で、とても力を入れています。
全員で育てる教育体制
看護部の教育体制は、全職員で育てることを基盤とした短期間のチューターシップを導入しています。チューターシップの期間は概ね3ヶ月です。新人看護師が、「職場に慣れる」ことをサポートしていきます。実際の知識や技術は、ベテランの卓越した先輩看護師から教えてもらいます。新人看護師の“学生から社会人へ”のこころの成長を考慮した上で、現場での重圧を緩和しながら新人看護師を段階的に支援できるシステムになっています。
また、新人看護師が病棟スタッフ以外に相談できるコミュニケーション体制を整え、国立看護大学校の臨床教員が技術面での再指導をはじめ、こころのゆとりを回復できるよう支援しています。臨床教員が対応することにより学生にできるだけ近い立場で新人看護師を擁護できることを目的にしています。
「 ほめる」教育を重視しています
ほめるとは、相手(新人看護師)を承認し、居場所をつくることです。同僚とも寄り添い、さまざまな看護体験を積むことで、先輩の素晴らしさに気付き、自ら学ぶ姿勢が身に着いていきます。指導にあたる先輩は全員、「指導の心得」や「どのようなポイントをもって接すればいいのか」など指導者も新人教育に関する研修を受講し、新人教育に当たっています。
看護過程と学習過程
看護過程は、情報を収集し、分析、実践したことを評価します。各段階でそれぞれの根拠を問われます。根拠を得るためには自ら学習する必要があります。新人看護師の個性を大事にして、成人学習者としての学び方に慣れていない場合は、学び方の教育から行っていきます。 学習過程は目に見えるものから理解します。目に見えない根拠の理解はあとからになります。つまり、抽象的なことは学習しにくく、具体的に分かりやすいものから人は学び始めます。 この理論を踏まえて新人教育の年間スケジュールを計画しています。 この教育課程を踏み、具体化から抽象化、抽象化から具体化がスムーズにできることをめざしています。
分散教育「行為の中での省察(振り返り)」の指導方法
集合研修で得た知識や技術は、さらに現場で先輩看護師が熟練した技術・知識をフル回転させ、考え、行動した行為を見せて学べるようにします。実際には一緒に行う(患者に寄り添うのと同じ)、同じ目線で(共同注視)、意図的に見せる(説明する、巻き込む、呼び込む)。この行為によって知識・技術・態度を学習していきます。
「自ら学ぶ」学習への転換を支援することで、意識は変わると考えています。指導を行う際は「責めない」「焦らせない」「待つ」「説明する」ことを基本としています。本人の納得や疑問符を引き出すことを徹底して行い、「がんばれば自分にもできるかもしれない」と言う意識を尊重しながら、継続への動機づけとなることを大事にしています。
新人看護師の習得状況に応じて、指導内容と指導時期を考える
新人看護師が技術を習得したり、知識を活用してアセスメントしたりする際には、新人看護師個々の習得状況に応じて、段階的に目標を設定し、指導内容を検討しています。短期間で定期的に振り返りの機会を持ち、自分の成長を実感しながら前向きに取り組めるように、細やかなサポートをしていきます。
看護技術演習
定期的に行われる合同研修では、基礎的な知識からがん看護をより深く学ぶためのものなど、さまざまな研修を用意しています。1人ひとりが自己実現へ、主体的に取り組めるように、また、組織として研修教育を支援しています。
平成29年度より、eラーニングシステムを導入しました。基礎看護技術の手順や動画で、最新の内容をパソコンやスマートフォンから、いつでも学習できるようになりました。研修前後や、現場の技術確認ができ、学習効果が上がっています。