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核医学業務

薬剤部核医学業務では、放射性医薬品の製造・品質管理・臨床支援・治験対応を薬剤師が中心となって行っている。陽子線棟内の放射線管理区域にGMP(Good Manufacturing Practice)準拠の製造施設を設置し、PET製剤および治療用放射性医薬品の調製と品質保証を実施している。医師、放射線技師、看護師と連携し、安全で高品質な核医学診療・治療を支えている。

PET(Positron Emission Tomography)製剤のGMP製造

  • 18F-FDG、18F-FES、18F-PSMAなどの短半減期PET製剤を院内で製造し、GMP基準に基づくバリデーション、環境モニタリング、滅菌確認、バッチリリースまで一貫して薬剤師が管理している。国内外の治験薬製造および監査基準(ICH-GCP、FDA、EMA)に準拠した品質保証体制を構築している。

    • 写真2

     

    薬剤師主導の統合管理

    • 放射性医薬品のレジメン設計、調製、記録、逸脱管理、副作用モニタリングを一元的に実施し、臨床と研究を連続的に運用できる体制を整えている。
    • 投与前後には薬剤師外来において服薬指導、被ばく防護、心理的支援を行う。
    • 核医学写真1
    • 核医学写真2

     

      放射性リガンド治療(RLT)

      • 177Lu-DOTATATE(ルタテラ®)によるPRRT(ペプチド受容体放射性核種療法)を2022年より導入し、腎保護輸液、制吐薬、血液・腎機能モニタリング、RI病室での投与確認を薬剤師が担当している。
      • 前立腺がんに対する177Lu-PSMA-617(プルビクト®)の国際共同治験にも参画し、承認後は同様の薬剤師主導レジメン管理を臨床運用へ展開予定である。
      • さらに、225Ac-PSMA-617や211At-Naなど、次世代α線放射性医薬品の導入準備を進めている。

      国際治験対応体制

      • 治験薬(IMP)の製造記録、温度ロガー、逸脱およびバッチトレーサビリティ管理を含むGMPデータシステムを整備し、ICH-GCP、FDA、EMA監査に対応している。薬剤師がQP(Qualified Person)相当として治験薬の製造・出庫を監督し、国際共同治験や第I相(FIH)試験にも対応している。

      今後の展望

      • Radiopharmacy部門は、薬剤師主導による放射性医薬品の製造・臨床応用・教育を統合した体制をさらに強化し、国際的な品質基準の確立と先進的RLTの普及に貢献していく。 日本発の核医学を世界へ発信する中核拠点として、安全で高品質な放射性医薬品業務を推進する。

      更新日:2025年10月15日