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治療方針
胃がんの進行度や患者さんの状態(年齢・併存疾患)を総合的に判断して治療方針が決定されます。
胃がんが粘膜にとどまる浅い病変であれば、一定の基準(拡がりの範囲、潰瘍の有無、組織型など)を満たす場合、リンパ節に転移している可能性はほとんどないため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ねんまくかそうはくりじゅつ/ESD:イーエスディー)の適応となります。
ESDは胃カメラを用いて病変を含む場所を部分的にくり抜く治療法で胃の機能はほぼ温存されるため、後遺症はほとんど残らない理想的な治療法です。この場合はステージIの診断になります。
しかしESDで摘出した腫瘍(しゅよう)を顕微鏡で確認した際に、血管やリンパ管にがん細胞が入り込んでいる像が確認された場合や、粘膜下層へのがんの進展が認められた場合などは、追加手術が必要と判断される場合もあります。ステージIでもESDの適応とならない場合は、リンパ節郭清(かくせい)を伴う胃切除が選択されます。
ステージII, IIIはさらに進行した胃がんですが、手術でとりきれる範囲にとどまっているという診断です。この場合も基本的にはリンパ節郭清を伴う胃切除が選択されます。ただしステージIIIの一部には、手術で取りきれるか取りきれないか判断が難しい場合があります。この場合、手術の前に抗がん剤治療を行い、腫瘍の進展範囲を縮小させてから手術を選択する、という方法もあります(術前化学療法)。さらに、他の臓器(肝臓、肺、大動脈周囲のリンパ節、腹膜など)に転移していることが判明した場合は、ステージIVとして全身化学療法が選択されます。
詳しくは、化学療法を併用した治療についてをご覧ください。
図:東病院胃外科の胃がんに対する治療方針