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喉頭(こうとう)がん

喉頭とは

喉頭はいわゆる「のどぼとけ」といわれる器官で、気管と咽頭(いんとう)を分けています。鼻や口から取り込まれた空気は気管へ、飲食物は食道へと振り分けられます。また、空気の通り道というだけでなく、声帯を振動させて声を出す働きもあります。

頭頸(とうけい)部の範囲

喉頭がんとは

喉頭にできるがんで、できた部位によって声門上(せいもんじょう)がん、声門がん、声門下がんと3つに分けられます。声門がんが最も多く、喉頭がんの半数以上を占めます。ここでは声門がんを中心に説明します。

症状

嗄声(させい/声がれ)が最も多い症状です。進行すると呼吸困難が出現します。

診断

間接喉頭鏡や内視鏡(咽喉頭ファイバー)を用いて腫瘍を確認します。確定診断には腫瘍を一部採取して顕微鏡で組織・細胞を確認する病理検査が必要です。また浸潤(しんじゅん)、転移の有無を確認するために必要に応じてCTMRI検査などの画像検査を施行します。

治療方法

早期であれば喉頭部分切除(レーザー切除含む)、放射線治療や化学療法により、音声を温存し、根治を目指します(ただし、薬物療法は全身状態により行えない場合があります。)。しかし進行している場合は、喉頭全摘術が必要となります。喉頭全摘術後は声が出ない状態(失声)となります。
病状によっては、導入化学療法、化学放射線治療により喉頭温存が可能なことがあります。詳細については、頭頸部内科、切除可能かつ喉頭温存希望の場合をご覧ください。ただし、喉頭の形態は温存できても機能(話す、食べる)を温存できる見込みがない場合は適していません。治療方針は、患者さんの希望を伺いながら、我々専門家と相談して確定しています。
東病院の頭頸部外科では喉頭全摘術を受けた患者さんに対して、御希望を伺い、適格性を判断した後に気管食道シャント作成(プロヴォックス®留置)を行い、代用音声の獲得を目指しています。その他の方法として電気喉頭、食道発声法があります。患者さんやご家族のご希望や、術後の創部の状況に応じてこれらの対応が可能です。

代用音声について

  • 気管食道シャント法:気管と食道の間にシリコン製の一方通行弁(プロヴォックス®)を留置し、肺からの呼気を利用して発声する方法。
  • 電気咽頭:電気式人工喉頭をのど元にあて、振動を利用して発声する方法。
  • 食道発声法:空気を呑み込み、食道内にとどめ吐き出すことで発声する方法。いわゆるゲップによる発声

更新日:2024年5月16日