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乳がん
乳がんは、本邦を含めた世界の女性のがん種別罹患率で1位のがんです。
乳がんは切除可能な乳がんと転移や再発を伴う乳がんがあり、状態により治療目標や治療内容が異なります。切除可能な乳がんでは、手術療法が行われますが、多くの場合術前、術後に薬物療法を施すことによって、再発リスクの軽減が図られます。また、転移や再発を伴う乳がんでは、薬物療法が治療の中心となります。すなわち、乳がんと診断された患者さんでは、ほとんどの場合、何らかの薬物療法が勧められます。
乳がんにはホルモン受容体と呼ばれるER(イ-ア-ル)、PgR(ピージーア-ル)や、HER2(ハーツー)と呼ばれる受容体の発現によりサブタイプが分類され、それぞれのサブタイプに見合ったより良い治療選択が行われます。これまで内分泌治療、化学療法、並びに抗HER2薬といった分子標的薬などが広く用いられてきましたが、さらに多くの新規治療薬が登場し治療成績が向上しています。その反面、経験される副作用も多様化してきているため、乳がん治療に携わる医師には、様々な薬物療法についての知識と経験が求められます。我々は薬物療法のエキスパートとして、全身治療や副作用マネジメントなどを実施しています。また当科は治験を含めた多くの臨床試験に参加しており、より広い中から治療オプションを考えられるところが特徴です。
東病院 腫瘍内科ではチーム全員で適切な治療法を検討することはもちろん、乳がんになったことで生じうる様々なニーズに応えられるように努めています。手術や放射線治療が必要な患者さんについては、乳腺外科、放射線治療科、形成外科との合同カンファレンスで治療方針を検討しています。また、それぞれの患者さんが「その人らしく」過ごせるよう、レディースセンターと連動して全人的な医療を提供しています。治療に伴う妊よう性、外見(アピアランス)、就労・就学への影響についても親身になって相談に乗ります。
また、遺伝性乳がんの話題が注目されるようになり、手術術式を検討するために、診断後早期に遺伝カウンセリングが必要な患者さんもおられます。当院では、遺伝子診療部門などと連携しそのための体制も整えています。
乳がんの基礎知識、治療等については「国立がん研究センターがん情報サービス」(https://ganjoho.jp)の乳がん(https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/index.html)のページをご覧ください。