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ロボット支援手術(ダ・ヴィンチSP)

国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科では、2026年度、シングルポート型手術支援ロボット「da Vinci SP(ダ・ヴィンチSP)サージカルシステム」を導入しました。今回のda Vinci SP導入により、従来型の手術支援ロボットの利点を生かしながら、創の数を減らした、より身体への負担が少ない泌尿器科がん手術を提供できる可能性が広がります。

Da Vinci SPの特徴

1本のアームから、4本の鉗子を動かせる。手首と肘をもつことで入口は狭くても、体内で広く動ける。

da Vinci SPは、1本のロボットアームに、3本の手術用鉗子と自由に角度を変えられるカメラを備えた、シングルポート型の手術支援ロボットです。

従来型のda Vinci Xiでは、腹部に複数の小さな切開部を設け、それぞれからロボットアームを挿入します。da Vinci SPでは、原則として1か所の切開部からカメラと3本の鉗子を挿入し、体内で鉗子を展開して手術を行います。

骨盤内や後腹膜腔など、限られた空間でも適切な鉗子の角度を確保できることから、精密な操作が必要となる泌尿器科手術との親和性が高いシステムです。

患者さんに期待される利点

1) 身体への負担の軽減

創の数を少なくすることにより、術後疼痛の軽減や早期回復につながる可能性があります。ただし、その効果には患者さんの状態や手術内容による個人差があります。
注意:安全に手術を行うため、術式によっては助手用ポートなどの小さな創を追加する場合があります。

2) 狭い骨盤内での精密な操作

カメラと鉗子は体内でそれぞれ独立して曲がります。前立腺や膀胱などが存在する狭い骨盤内でも、手術部位をさまざまな角度から確認しながら操作できます。

当科における対象手術

当科では、保険診療として実施できる泌尿器科悪性腫瘍のロボット支援手術を幅広く行っています。da Vinci SPの導入にあたっては、これまでに蓄積してきた多数の手術経験を基盤として、医師、看護師、臨床工学技士、麻酔科医が連携し、安全性を最優先にトレーニングとシミュレーションを行っています。

前立腺がん、腎臓がん、腎盂・尿管がん、膀胱がんの順で導入していきます。

複数の手術支援ロボットの使い分け

da Vinci SPが、すべての患者さんに適しているわけではありません。広い範囲の操作やリンパ節郭清が必要な場合などには、従来型のマルチポート手術支援ロボットが適していることがあります。当科では、da Vinci SP、da Vinci Xi、hinotoriなど、それぞれの特徴を踏まえて使用する機種を選択します。

  • がんの種類、位置、大きさ、進行度
  • リンパ節郭清の必要性と範囲
  • 患者さんの体格や併存疾患
  • 過去の手術歴
  • がんの根治性と手術の安全性
  • 術後の身体機能と生活の質
新しい機器を使用すること自体を目的とせず、患者さん一人ひとりに適した機種と術式をご提案します。当科では、がんの確実な切除と安全性を第一に考えながら、身体機能と生活の質を可能な限り維持する治療を目指しています。

更新日:2026年8月19日