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光線力学診断(PDD:Photodynamic Diagnosis)補助下TURBT
膀胱がんの診断・治療において、当院では最新の技術を用いた光力学的診断(PDD: Photodynamic Diagnosis)補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術(PDD-TUR)を実施しています。
従来のTURBTは、白色光(一般的なライト)を用いて腫瘍を確認し切除します。ただし、一部の膀胱がん(微小病変、平坦型病変や上皮内がんなど)はこの白色光では検出しづらいことも報告されています。
PDD-TURは、従来のTURBTの技術に光感受性物質(5-アミノレブリン酸:5-ALA、商品名: アラグリオ)を組み合わせた先進的な手法です。悪性腫瘍細胞では5-ALAの代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PPIX)が蓄積しやすいことが分かっています。手術前に患者さんにアラグリオを内服いただき、手術の際に青色光(400~410nm)を照射すると、がん細胞に蓄積されたPPIXが赤色蛍光を発するため、従来の白色光では見えにくい病変の検出が可能となります。
赤く発行した膀胱がん
この技術は全症例に適用されるわけではなく、特に有用性が高いと考えられる症例に対して選択的に行っています。
この技術により、以下のメリットが期待できるとされます:
- がんの取り残しリスクの低減
- 正確な腫瘍範囲の把握
- 再発率の低下