トップページ > 診療科・共通部門 > 外科系 > 泌尿器・後腹膜腫瘍科 > 病気と治療について > 主な治療 > 尿管がんに対する腎温存手術(じんおんぞんしゅじゅつ、NSS:Nephron-Sparing surgery)
尿管がんに対する腎温存手術(じんおんぞんしゅじゅつ、NSS:Nephron-Sparing surgery)
国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科では泌尿器がんにおける機能温存を企図した治療を積極的に行っています。腎盂・尿管がんの治療では一般的に2つある腎臓のうち、がんがある腎臓と尿管を全て摘出する手術を行いますが、術後の腎機能低下が避けられません。腎臓は老廃物の排出や血圧調整、体液量や電解質の調節など様々な働きをしており、機能温存は長年の課題です。近年機能温存に重点をおいた治療が拡がってきており、下部尿管がんの患者さんを対象に腎温存手術を行っています。
がんの切除と機能温存の双方を叶えるため、がんの正確な所在の評価・腫瘍の個数・大きさ・生検や尿細胞診の結果・画像検査結果・がんの組織型等、各種評価を十分に行い、適応がある場合は腎温存を企図した下部尿管切除および尿管膀胱新吻合術を実施します。
適応に関しては担当医とご相談ください。
下部尿管がんに対する下部尿管切除および尿管胱新吻合術
腫瘍が存在する下部尿管と膀胱の尿管口部周囲を摘出し、解放した膀胱壁を縫合閉鎖します。切除した尿管は尿管ステントを留置して膀胱の別部位と縫合します。
ステントは術後に抜去します。
新吻合完了後