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腎盂尿管鏡

上部尿路癌(腎盂・尿管がん)の診断において、当院では尿管鏡検査を実施しています。この検査は、尿管結石の手術などで広く使用されている内視鏡技術を応用し、腎盂や尿管の内部を直接観察するものです。必要に応じて、組織の生検や切除も同時に行うことが可能です。
従来の診断方法であるCT、MRIなどの画像検査や選択的尿細胞診(尿管カテーテルを用いた検査)も重要ですが、これらの方法のみでは確定診断に至らないケースもあります。尿管鏡検査は、これらの検査を補完し、より確実な診断を可能にします。
上部尿路癌の標準的な治療法は、病変がある側の腎臓と尿管をすべて切除する腎尿管全摘術です。画像で特定できない平坦な病変が合併している場合も多く、根治切除のため上記術式となっています。
しかしながら、尿管鏡検査及び組織採取を行うことで、腫瘍組織の正確な診断、拡がりを把握することができるため、一部の症例ですが腎温存手術を施行することが可能となります。特に下部尿管腫瘍では、下部尿管切除と膀胱尿管新吻合を施行するため、より上部尿管に腫瘍がないことを尿管鏡で確認する事が重要です。また、上部尿路上皮内癌のような平坦病変の組織確認でも、尿管鏡が威力を発揮します。一方、尿管鏡操作により術後の膀胱内再発が増加するとの報告もあり、慎重に適応を決めて施行しています。
尿管鏡検査を診断、治療に組み入れることで、より精密な診断と、症例に応じた腎機能温存も考慮した上部尿路癌治療に向けて研鑽しております。

尿管鏡での腎盂腫瘍生検の画像
尿管鏡 腎盂腫瘍生検

更新日:2024年8月21日