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看護単位の概要
- 手術室
- ICU
- 4B病棟:頭頸部外科、頭頸部内科、形成外科、消化管内視鏡科
- 5A病棟:治験、消化管内科、乳腺外科
- 5B病棟:消化器内科、乳腺腫瘍内科、血液腫瘍科、小児腫瘍科
- 6A・6B病棟:呼吸器外科、呼吸器内科、食道外科、胃外科
- 7A・7B病棟:大腸外科、肝胆膵外科、肝胆膵内科、泌尿器・後腹膜腫瘍科、婦人科
- 8階病棟:全診療科(有料特別病室、無菌治療室)
- 緩和ケア病棟
- 内視鏡センター
- 通院治療センター
- 外来
- サポーティブケアセンター/がん相談支援センター
手術室
東病院で行う手術の特徴は、「高難度」「低侵襲」「開発」です。
がん治療において国内有数の手術実績があり、国内外の医療関係者が多数見学に来ます。食道がんや頭頸部がん、膵臓がんなどの高難度の手術や、患者さんへの侵襲を少なくする鏡視下手術やロボット支援手術が行われています。国内初症例となる光免疫療法や自家肺移植手術など最先端の治療など、貴重な経験を積むことができます。さらに、医療機関開発センターや企業と協働し、看護師として医療機器開発にも携わっています。患者さんにとってより安全で安楽な体位固定具の開発など看護の視点が医療機器に反映されることは私たちのやりがいにもつながっています。
手術は常に安全であることが当たり前。そのうえで、わたしたちは多職種でチーム一丸となって、新しいことや難しいことに挑戦し続けます。“手術をして治りたい”と願う患者さんの思いに寄り添い、看護師は知識・技術の向上のための自己研鑽に励んでいます。
ICU
ICUでは、侵襲の大きい手術患者さんや院内で重篤な症状を有する患者さんの看護を行っています。
身体的変化を理解し集中的な観察を行い、合併症の早期発見に努めています。また、入室時から疼痛アセスメントを行い早期離床、術後回復促進を図っています。術後に起りやすいせん妄に対しては、術前情報を元に環境調整や観察強化の上、安全安楽にすごせるように対応しています。
がんの進展やがん治療による副反応や合併症によって急性呼吸不全、心肺停止、急性代謝異常等の突発的な生命の機器に対し、ICUでは常に心肺蘇生、人工呼吸器管理、CHDF管理ができる体制を整え、がん救急患者の看護を行っています。多職種と連携を取り、危機的状況からの早期離脱を図っています。医療者間で積極的に情報共有を行い、最善な医療・看護の提供に努めています。医師からの面談には看護師が同席し、患者・家族の理解確認や、意思決定支援を行い、限られた環境でも思いが叶えられるようにケアを行っています。
4B病棟:頭頸部外科、頭頸部内科、形成外科、消化管内視鏡科
頭頸部領域のがんは、失声、呼吸経路の変化、嚥下障害、外観の変容等、治療後の日常生活に影響を及ぼします。患者さんの価値観を尊重し、治療方針から生活支援に焦点をあてた介入の看護師の役割は大きく、また、患者さんとの関わりの中、看護の醍醐味ややりがいを感じます。多職種とのチーム力は高く、患者・家族のサポートを一丸となって行い、回復を促進しています。
頭頸部がん手術は、形成外科と協働で行う拡大切除、再建手術から機能温存手術、低侵襲手術まで、国内トップレベルの件数を誇っています。この経験を活かし、医師等と協働して取り組み、頭頸部がん患者さんの支持療法やセルフケア指導の手順書を作成し、ケアの統一化を図っています。
また、内科的治療では、薬物療法、放射線療法、新規治療として注目されている光免疫療法の開発にも携わり、日本の頭頸部領域のがん医療を牽引しています。
5A病棟:治験、消化管内科、乳腺外科
食道がん・胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝細胞がん・胆管がん・膵がん領域の病棟です。主な治療は、治験、抗がん剤治療、乳がんの手術です。
なかでも治験は最も力を入れており、日本で承認されている抗がん剤は、この5A病棟を経由しています。さらに5A病棟では、First in Human試験という、世界で初めてヒト生体対して物質を投与する試験を実施しており、担当医師・治験コーディネーターと密に連携を取りながら安全で確実な投与管理を行っている日本でも有数な病棟です。これにより、世界に先駆けて臨床試験を実施し、革新的な医薬品を創出することに寄与しています。
さらに治験を選択した患者の気持ちに寄り添い、患者の希望に添うために苦痛の緩和や、今後の過ごし方を考慮した意思決定支援、退院支援などを行っています。
5B病棟:消化器内科、乳腺腫瘍内科、血液腫瘍科、小児腫瘍科
食道がん、胃がん、大腸がん、肉腫、悪性リンパ腫などが対象疾患となる病棟で、治療も化学療法をはじめ放射線療法、内視鏡治療、症状コントロールなど多岐に渡り、幅広い知識と技術が必要となります。
特に化学療法を目的とした入院が多く、安心して治療を受けられるようオリエンテーション後に理解度を確認し、補足説明して不安の軽減に努めています。退院後のセルフマネジメントも重要であり、入院中だけでなく必要に応じて退院後テレフォンフォローアップで状況を確認し、追加指導を行っています。また、がん治療は長期に渡ることも多く、早期から患者・家族の意思を確認し、緩和ケア病棟や近隣病院、在宅療養など、療養先の決定に多職種協働で情報共有し介入をしています。
患者さん1人1人に向き合い、患者さんの思いに寄り添った看護を提供しています。
6A・6B病棟:呼吸器外科、呼吸器内科、食道外科、胃外科
呼吸器外科、胃外科では鏡視下やロボット支援下での手術を行っています。
呼吸器外科は、肺葉切除、気管支形成に加え、国内でも手術症例数が少ない自家肺移植の手術を行っています。食道外科は、日本有数の手術件数を誇り、看護師含む多職種で構成した医療チームにより、入院前から合併症の予防や、早期退院を目指せるよう支援しています。退院後も、看護師によるテレフォンフォローアップを行い、患者・家族が安心して過ごせるよう外来と連携し体制を整えています。
呼吸器内科では、主に化学療法や放射線療法を行っています。肺がん分野では、新規承認薬剤が多く分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬も取り扱っています。新たな治療を安全にかつ円滑に行うため、最新の知識を学び看護に活かせるよう計画的に学習会を開催し研鑽を積んでいます。患者さんの個別性を考慮し、気持ちに寄り添える看護ケアを提供しています。
7A・7B病棟:大腸外科、肝胆膵外科、肝胆膵内科、泌尿器・後腹膜腫瘍科、婦人科
手術や薬物療法、内視鏡治療等を受ける患者さんが入院しています。肝胆膵領域のがんは外科、内科、放射線などいくつかの治療を組み合わせた「集学的治療」が必要なため、カンファレンスで意見交換し、適切なチーム医療を提供しています。
その他の外科部門では、ロボット支援手術や腹腔鏡を用いた低侵襲の手術や、機能温存手術など、治療後のQOLやライフスタイルを大切にした医療の提供を行い、がん医療を牽引しています。多くの診療科の患者さんの多様な治療を支援するため、7階ではABワンフロア制を導入し、チームナーシングと受け持ち制を中心に、看護を提供しています。入院される患者さんの在院日数は短いため、入院前から退院後の生活を視野に入れた情報収集を行い、外来看護師や退院調整看護師、多職種との連携をはかっています。
またストーマ外来やリンパ浮腫外来、膵がん教室などを通して、患者さんやその家族の意思決定を支え、その人らしい生活を送ることができるよう支援しています。
8階病棟:全診療科(有料特別病室、無菌治療室)
有料個室36床と無菌治療室を8床備えた全室個室対応の病棟となっています。
全診療科のすべての治療期にある患者さんを対象に看護を展開しています。そのため急性期から終末期まで幅広い知識と技術が必要になります。多職種と協働した勉強会やカンファレンスなどを通して、学びを深めています。臨床研究コーディネーター室の協力を得て、治験患者さんの受け入れも行っており、新しいがん治療の研究・開発に携わっています。安全に治験が実施できるように治験病棟と連携して投与管理のトレーニングも行っています。
無菌治療室では血液腫瘍患者さんの化学療法や幹細胞移植等の高度専門的治療に対する看護を実践しています。治療期間が長い血液腫瘍患者さんのQOLを重視した関わりを看護師、医師、薬剤師、リハビリスタッフ、歯科衛生士、栄養士と情報共有を行い、患者さん一人ひとりに合わせたチーム医療の提供に努めています。
緩和ケア病棟
緩和ケア病棟は、すべての癌腫に対応し、痛みや呼吸苦、せん妄など、がんそのものに伴う症状や、薬剤や体調などが原因によるせん妄症状などを積極的に和らげることができるように多職種でチームを組んでケアを提供しています。
また、自宅でも安心して過ごすことができるように、地域の訪問看護師や在宅診療医と連携して、退院支援にも力を注いでいます。さらに、オンコロジストと協働し、早期から緩和ケアを提供することを実践し、患者さんが少しでも苦痛が少なく過ごすことができるように取り組んでいます。
その結果として、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)から「腫瘍学と緩和ケアが統合して提供されている施設」として、本邦では初めて認定を受けました。また、全国から実習などの研修生を受け入れ、緩和ケアの普及にも貢献しています。日頃から多職種間で良好なコミュニケーションをとりながら、患者さんやご家族に寄り添いながらケアを提供しています。
内視鏡センター
内視鏡センターでは、消化管内視鏡科、肝胆膵内科、呼吸器外科・内科、頭頸部外科、泌尿器・後腹膜腫瘍科の内視鏡検査や治療だけでなく、放射線診断科が行う消化管透視検査や、外科系医師が行う消化管造影や各種造影検査を行っています。
機器開発、治験や臨床試験なども日常的に行っており、看護師も柔軟に対応できるよう、日々好奇心を忘れず学び続けており、多職種との勉強会を定期的に行っています。
医師、看護師だけでなく、臨床工学技士、臨床検査技師、放射線技師など多職種が意見を出し合い、それぞれの専門分野の力を発揮しながら、チーム一丸となり、患者さんに優しく、精度の高い検査や治療を行っています。
看護師は、患者の不安や苦痛を少しでも和らげることができるよう、常に患者に寄り添い、予測し、継続した看護を行うことができるよう心がけており、内視鏡センター入院準備外来も行っています。
通院治療センター
通院治療センターでは、抗癌剤・分子標的薬・ホルモン剤・免疫チェックポイント阻害剤などによる標準治療、臨床試験の投与管理、セルフケア支援と、輸血、体調不良時の補液等の、在宅療養する患者さんの治療、支援を行っています。
通院治療センター看護師は、在宅で生活し通院で治療を継続する患者さんや家族が薬物療法における副作用を自らコントロールするための必要な情報提供や対処法の指導、また在宅における困難点の相談窓口となり、治療が継続できるための状況観察と支援を行う役割があります。
患者さんのセルフケア支援は、常駐する薬剤師や化学療法認定看護師と協働で指導し、社会的・精神的問題等についてはサポーティブケアセンターなどの多職種と連携を取ることで、患者さんの日常生活における苦痛に早期介入し、それぞれの患者さん・家族に合わせたQOLの維持・向上を目指し継続的にサポートしています。
外来
外来は1日平均約1000人以上の患者さんが受診されています。女性がん患者さんのあらゆる相談窓口として女性看護外来を立ち上げ、患者さんの悩みやライフステージに応じた多面的なケアを提供できるようにコーディネートしています。放射線看護外来では通院の放射線治療が安心して継続できるように支援しています。海外からの患者さんも増えてきており、医療相談や治療を積極的に受け入れています。
世界トップクラスのがん専門病院、且つ地域に根付いた病院としての使命を果たしつつ、入院、退院後も患者さんやご家族が不安なく過ごせるように、病棟や多職種と連携し、初診時から切れ目のない支援を患者さんへ提供しています。
働く環境としては、ブランクを経ての復職や外来経験がなくても安心できるように、ハロープロジェクト(看護師支援体制)を実施し、子育て世代の看護師を応援しています。
サポーティブケアセンター/がん相談支援センター
サポーティブケアセンター/がん相談支援センターは、外来から入院治療および治療後の社会生活に至るまで、患者さんやご家族が安心して充実した生活が送れることを目指した支援を行っております。
主な業務として、外来-入院治療中の患者さんが病気や治療に少しでも安心して向かっていただけるよう、がん相談や療養生活相談、看護相談ならびに退院支援、また訪問看護ステーションやケアマネージャー、薬局等と連携し、在宅で患者さんが安心して医療をうけ、その方らしい生活を過せるような病院と地域の連携支援を行っています(入院準備センター)。
がん治療最前線の当院において、複雑な治療選択やセルフケア機能の変更、高齢者の認知機能低下の問題など、さまざまな難しい状況がありますが、治療と生活をつなぐ架け橋をめざし、相談支援のエキスパートとして日々努力しています。