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主な抗がん剤の副作用とその対策感染症について
感染症について
抗がん剤によって骨髄の機能が低下すると白血球(特に好中球)の数が減少します。
一般的に抗がん剤治療開始後7から10日目頃から白血球の数が減り始め、10日目から14日目頃に最低になり、3週間くらいで回復してきます。
好中球は体内に侵入した病原菌から体をまもる働きがあるため、好中球が減少すると免疫力が低下します。
その結果、いろいろな部位(口、肺、皮膚、尿路、腸、肛門、性器など)で感染症を起こしやすくなります。
人は誰でも常在菌と呼ばれる菌を持っており、これらの菌は健康な時には問題となりません。し
かし、好中球数が減少し免疫力が低下している時には、常在菌による感染(日和見感染)を起こす可能性があるため注意が必要です。
感染症に対する治療および予防
治療
- 抗生物質
予防
- 手洗い・うがい
- 「質問:感染症に対して普段からどのような点に気をつけたらよいでしょうか?」をご覧ください
- 必要に応じて薬で予防をします
- 好中球の数を増やす効果のある薬剤(G-CSF)
- 抗生物質
Q:どのような症状に気をつけたらよいでしょうか?
感染症では以下のような症状が見られます。これらの症状が現れたらすぐに医療スタッフにお知らせください。
- 37.5度以上の発熱
- 悪寒、寒気
- 発汗、咳
- のどの痛み
- 歯肉痛、虫歯、口内炎
- 腹痛、軟便、下痢(下痢は抗がん剤の副作用の可能性もあります)
- 肛門痛
- 排尿時の痛み、血尿、頻尿、排尿後も尿が残る感じ
- 皮膚の発疹、発赤
- おりものの増加、性器からの不正出血、陰部のかゆみ
- 傷口や吹き出物の周囲の発赤、腫れ、痛み
Q:感染症に対して普段からどのような点に気をつけたらよいでしょうか?
感染症を予防するために以下のことに気をつけましょう。
- 手洗い、うがいをしましょう。
- 歯磨きなどで口の中を清潔にしましょう(毛先の柔らかい歯ブラシを使い、口内を傷つけないよう注意してください)。
- 可能な限り毎日入浴しましょう。発熱時や体がだるい時などは入浴を避け、かたく絞ったタオルで体を拭きましょう。
- 皮膚の乾燥やひび割れに注意し、クリームやローションで保湿しましょう。
- 排便後の肛門周囲の清潔を心がけましょう。
- 人ごみを避け、風邪、百日咳、水ぼうそうの人には近づかないようにしましょう。外出する時はマスクをするとよいでしょう。
- 切り傷や火傷に気をつけましょう。庭いじりやペットの入浴には手袋をはめるようにしましょう。ひげそりは電気カミソリを使うようにしましょう。
- 吹き出物をつぶしたりするのは止めましょう。
- 食事では、加熱した料理をとるようにしましょう。
- 主治医の許可なしに予防接種を受けないでください。