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消化器術後
消化器とは口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までの消化管と、肝臓、胆嚢(たんのう)、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)を指します。
消化管のおもな役割は消化と吸収です。消化器を手術した後には消化吸収力が低下するだけでなく、様々な障害が生じることがあります。手術の部位や術式などにより違いがあるため、それぞれの症状に対応した食べ方の注意、工夫が必要となります。
詳しくは、国立がん研究センターがん情報サービス「手術後の食事(胃、大腸)」 をご覧ください。
要因
- 術式自体の影響(切除の部位と範囲、迷走神経や反回神経の切除、リンパ節の郭清範.囲、再建法など)
- 術後の消化器系統の機能障害に対する適応力の不足
- 食習慣(食事の内容、量、速さ)に起因する過度の負担
- 術後の身体の変化に対する受け入れ、対応力の不足、精神的ストレス
主な症状
食道:つかえ感、こみ上げ、胸やけ、嚥下(えんげ)障害など
大腸:下痢、便秘、頻便(トイレに行く回数が多い)、癒着(ゆちゃく)、腸閉塞
胃 :小胃症状(胃が小さくなる、もしくはなくなることにより起こる症状)、ダンピング症状、下痢、便秘、腹部膨満感
ダンピング症状とは
ダンピング症状には a)早期ダンピングと、b)後期ダンピングがあります。
a)早期ダンピング
これまでよりも急速に食物が腸内に流れ込むことが原因で、食後30分以内に冷汗・頻脈(ひんみゃく)・動悸(どうき)・全身倦怠感(けんたいかん)などの症状がでます。予防法は、1回の食事量を減らし回数を増やすこと、食事中の水分量を少なくすることなどが挙げられます。早期ダンピングが起こった場合は、頭を高めにして横になって休むとよいでしょう。
b)後期ダンピング
胃から食物などが急速に腸に流れてゆき、摂取した糖質が急速に吸収されると、一過性の高血糖を生じます。それに対してインスリン(血糖値を下げるはたらきをもつホルモン)が過剰に分泌されてしまうことで、さまざまな低血糖症状が食後2-3時間で出現することがあります。予兆がある場合や症状が出現した場合は甘いもの(アメ、ジュース、角砂糖など)を摂取することが有効です。
食事のアドバイス
- よく噛んで食べる(粉砕、唾液と絡める、通過しやすくする)
- ゆっくり食べる(胃腸への急降下防止、食べ過ぎの防止)
- 食事のボリュームに注意する(体調に応じ増減を図る、数回に分けて食べる)
- 消化の良い食品(PDF:136KB)を中心に摂る(消化の悪いものは少量にとどめる)
- 過度の刺激は控える(過度の香辛料、アルコール、濃過ぎる味付け等)
- 食後はゆったりと過ごす(逆流、胸焼け、ダンピング等の防止)
参考資料
毎日の食事に役立つ資料を掲載しています。
画像をクリックすると、下記項目の詳細(PDFファイル)をご覧いただけます。