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東病院消化管内視鏡科の特徴
多数の治療実績
内視鏡的粘膜下層剥離術 (ねんまくかそうはくりじゅつ/ESD:イーエスディー)の普及によって、従来外科手術を受けて臓器を摘出されていた大型の早期がんに対しても、ESDの適応が拡大されつつあるため、臓器を温存したままで完全にがんを切除できる患者さんは増えています。
また、他の内視鏡治療には食道拡張術、胃瘻造設(いろうぞうせつ)術、がん細胞に親和性の高い光感受性薬剤を使ったレーザー治療(光線力学療法/PDT)などがあり、東病院では、いずれの治療も多数行っています。
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新しい内視鏡機器・治療の開発―より患者さんへの負担が少ない治療を目指して
東病院は、開院以来、企業と共同で新しい内視鏡機器や治療の開発に積極的に取り組んできました。当院と企業がより「がん」見つけやすくすることを目的に共同開発した、新しい内視鏡システム「Narrow band imaging (NBI) システム」や「Blue Laser Imaging (BLI) システム」はそれぞれ市販化され、現在では、世界中に普及しています。NBIやBLIなどの特殊な光を使った内視鏡の導入で、これまで発見が困難だった早期がんが発見可能になり、がんの拡がりや範囲がこれまで以上に分かりやすくなり、内視鏡治療の質も向上しました。もちろん当院でも毎日の診療に使用しており、主に早期がんの発見や、治療前に正確ながんの範囲を決めるときに活用しています。
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従来の内視鏡では発見が難しい早期咽頭(いんとう)がん
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NBIでは、早期がんは茶褐色調に見え、発見しやすい
内視鏡的粘膜下層剥離術 (ねんまくかそうはくりじゅつ/ESD:イーエスディー)は、国立がん研究センター中央・東病院で開発された治療法です。胃が最も早く2006年より保険収載され、食道は2008年、大腸は2011年に、保険治療として国に認められ、現在では標準的な内視鏡治療として行われています。ESDの開発によって、現在では早期胃がんの半数以上の患者さんが、胃を温存したまま「がん」を治すことが出来るようになり、治療前と全く同じ生活が送れるようになりました。
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内視鏡で発見された早期胃がん
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治療直前に胃癌の周りにマークをつける
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特殊な電気メスを使ってがんの周囲を切開
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ESDで切除された直後の早期胃がん
東病院も参加・実施した第二世代PDT(光線力学療法)開発の医師主導治験の結果、日本で開発されたレザフィリン(がん細胞に集まり、レーザー光に反応して抗腫瘍効果を発揮する薬)が、放射線治療後再発食道がんに対して薬事承認されました。PDTによって、これまで治療が難しかった放射線治療後再発食道がんが、食道を温存したまま治すことが出来るようになりました。現在、当院も含め、全国約30施設で保険診療として治療を受けることができます。
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内視鏡で発見された放射線後再発食道がん
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レザフィリンを注射して4-6時間後に内視鏡で観察しながら、がんにレーザーを照射
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PDTから約2か月後食道がんの消失を確認
また、最近では特殊なレーザーを搭載した内視鏡によって、がんの酸素の濃度を可視化することが出来る内視鏡(酸素飽和度イメージング内視鏡)を企業と共同開発しました。この酸素飽和度イメージング内視鏡によって、がんに対する放射線治療や抗がん剤治療の効果予測における有用性を臨床試験で評価しています。
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内視鏡で発見された早期胃がん
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酸素飽和度イメージングでは「がん」は低酸素状態に見える
東病院消化管内視鏡科では、これからもより簡単に「がん」が見つけられる内視鏡機器や、より多くの患者さんの「がん」を体への負担をできるだけかけずに出来る治療を目指して、企業やアカデミアと連携して開発を続けていきます。
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