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耳下腺(じかせん)がん

耳下腺とは

唾液を産生する器官と大唾液腺の1つで耳下部にあります。大唾液腺にはその他に顎下(がっか)腺・舌下(ぜっか)腺があります。耳下腺の中には顔面神経という顔の筋肉を動かす神経が通っています。

耳下腺がんとは

耳下腺から発生したがんで、唾液腺がんの中で最も頻度が高いです。腫瘍の組織型は20種類以上あり、その悪性度については低悪性の腫瘍から高悪性の腫瘍まであり、その病態はさまざまです。

症状

腫瘤(しゅりゅう)の形成によるしこりの自覚が主な症状です。進行すると耳下腺内を走行する顔面神経に浸潤(しんじゅん)して、顔面の動きが悪くなることがあります。また、皮膚の発赤、痛みが出現します。

診断

術前の病理検査で腫瘍に注射針を刺して、穿刺(せんし)吸引細胞診や針生検を行います。しかし、組織型が多彩であるため、術前検査で確定できない場合があります。進行度や転移の有無を確認するために、超音波検査、必要に応じてCTMRI検査などの画像検査を施行します。

治療方法

手術治療が第一選択です。腫瘍の進展範囲に応じた切除を行います。また、顔面神経は根治性を担保した上で可能な限り温存しています。切除が困難な場合、放射線治療、薬物療法を検討することになります。
再発、転移唾液腺がんの治療については近年の薬物療法の進歩で様々な選択肢がでてきました。手術や放射線治療が適さない場合は頭頸部内科と相談して方針を決めていきます。詳細は頭頸部内科 再発転移唾液腺がんをご覧ください。

更新日:2024年5月16日