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市民公開講座「がん免疫療法の可能性と当院での取り組み」を開催(2019年3月2日)
国立がん研究センター東病院にて、2019年3月2日(土曜日)に「がん免疫療法の可能性と当院での取り組み」をテーマに、地域の皆さま向けの市民公開講座を開催しました。
昨年のノーベル賞受賞などの影響もあり関心が高い「がん免疫療法」について、正しい情報と理解を深めて頂くと共に当院での取り組みを紹介することを主題に、がん治療の専門家らが基調講演や質疑応答を通じて、基礎知識やがん腫ごとの最新情報、副作用、治療の選択方法について解説しました。当日は定員数をはるかに上回る約400人の方にご参加いただき、「がん免疫療法」に対する関心の高さが伺えました。
【プログラム】
第1部 |
がん免疫療法の基礎 |
がんに対する免疫応答とその利用/先端医療開発センター 免疫トランスレーショナルリサーチ分野 |
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第2部 |
がん免疫療法の実際と最新情報 |
消化器がんにおける免疫チェックポイント阻害薬/消化管内科 |
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免疫療法の未来と新しい治療/頭頸部内科 |
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肺がんの免疫療法の実際/呼吸器内科 |
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第3部 |
免疫療法で起こる副作用とその対応と対策/薬剤部 |
第4部 |
整理できていますか?自分の考え 満足のいく治療選びのために~免疫療法を提案されたら~/看護部 |
第5部 |
質疑応答 |
当院大津院長の開会の挨拶から始まり、司会・進行は当院副院長の秋元が務めました。
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東病院 院長 大津敦
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東病院 副院長 秋元哲夫
先端医療開発センター 免疫トランスレーショナルリサーチ分野 ユニット長 大植祥弘
まず第1部では、先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野のユニット長大植祥弘が、「免疫」と「がん免疫療法」の仕組みや種類を中心に、がん免疫療法に関する基礎知識について解説しました。
現在、がん免疫療法に関する様々な研究、治療開発が進められており、今後はがん治療の個別化においても期待されることを説明しました。
続いて第2部では、「肺がん」、「消化器がん」、「頭頸部がん」におけるがん免疫療法について、各領域の専門師が解説しました。
従来の治療法と、免疫療法の一つである免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を比較したデータなどを用いて、それぞれの領域での現状や今後の展望などについてご紹介しました。さらに現在進行中の臨床試験や新しい治療法についてもお話しました。
休憩を挟み、第3部は薬剤師ががん免疫療法の副作用について、第4部では看護部が治療の選択について講演しました。
また薬剤師による患者さんからの電話相談(外来化学療法ホットライン)や、看護師による「なんでも相談」など東病院の取り組みについて紹介しました。
最後の質疑応答では、来場された皆さんからの多くの質問に講演者6人がお答えし、市民公開講座は終了となりました。
国立がん研究センター東病院では、今後も引き続き年2回、最新のがんに関する情報を提供してまいります。次回は、2019年10~11月頃の開催を予定しています。
今回いただいたアンケート結果を参考に、より有意義な講座になるよう取り組んでまいります。皆様のご来場をお待ちしております。
なお、当日は、準備が至らなかった点もあり、ご不便をおかけした事をお詫び申し上げます。
当日の各講演者の資料は、下記「関連ファイル」からご覧ください。