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ダ・ヴィンチによる胃がん手術症例見学施設に認定
2020年7月22日
国立がん研究センター東病院は、ダ・ヴィンチ サージカルシステムの製造元であるインテュイティブサージカル社(米国・カリフォルニア州)より、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチXiシステム」を用いた胃がん手術の医師向けトレーニング症例見学施設として認定を受けました。この度の認定は、東病院 胃外科のダ・ヴィンチを用いた胃がん手術の技術やこれまでの実績が評価されたもので、胃領域において関東では初めてかつ唯一の認定施設となります。
世界的にも広まっているロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)ですが、外科医がダ・ヴィンチ手術を行うためには、関連学会等が推奨する一連のトレーニングを受けることが義務化されています。そのトレーニングのひとつに、インテュイティブサージカル社から認定を受けた施設での臨床症例の手術見学が定められています。この症例見学施設として認定を受ける施設は、ダ・ヴィンチ手術の豊富な経験と質の高い手術を行っていることが条件であり、全国で限られた数施設しかありません。今回の認定により、今後は全国から多くの外科医が当院にてダ・ヴィンチ胃がん手術の症例見学を行い、各病院で安全な手術を開始するためのトレーニングを受けることとなります。
国立がん研究センター東病院は、これからもより高度で体への負担が少ないがん医療の発展に貢献してまいります。
東病院 胃外科におけるダ・ヴィンチ手術について
胃領域におけるダ・ヴィンチ手術は、2018年4月に保険適応となりました。東病院では、2014年6月にロボット支援胃がん手術を導入し、2020年6月末までに152例の患者さんに対して実施してきました。導入当時は保険診療として認可されていない状況で、国内でも同手術を行っている施設は数施設しかありませんでした。
2019年10月、当院に最新式手術用ロボット(DaVinci Xiシステム)がさらに2台導入されました。東病院では、最新の設備、経験豊富な術者、十分な実績が揃っており、より安全で確実なロボット支援手術を患者さんに提供できる体制が整っています。
胃外科長 木下敬弘 医師のコメント
「ダ・ヴィンチ手術の特徴は、人間の手の震えを制御し、さらに自由に曲がる関節機能をもった手術器械を用いて、非常に繊細な操作が行えることです。私たちはこのダ・ヴィンチシステムの胃がん手術におけるメリットに早くから注目し、多くの経験を重ねてきました。これまでに胃全摘術や術前抗がん剤治療後の手術などの高難度の手術を含め150例以上の胃がん患者さんにダ・ヴィンチ手術を行いましたが、合併症の発生はわずか1.3%でした。今回、症例見学施設に認定されましたので、今後はこの安全なダ・ヴィンチ手術を全国の患者さんに供与できるよう、貢献したいと考えています。」