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がん治療と妊娠・出産について
がん治療と妊娠・出産について
がん治療の中には、生殖機能(妊孕性)に影響を及ぼすものがあり、将来子供を授かることが難しくなる可能性があります。妊娠や出産を希望される患者さんにとっては心配される問題の一つとなります。また、女性および男性としての役割を失う恐怖、将来の結婚や恋愛関係における不安、そして妊娠や出産だけでなく人生そのものを設計する上での困難を感じて苦しむ患者さんも少なくありません。
当院では、がん患者さんの妊娠・出産や治療による生殖機能への影響などの相談をお受けしています。また、当院で治療を受けられる患者さんの妊孕性温存に関するご相談をお受けし、ご希望に沿って生殖医療専門機関へ円滑に受診できるようなお手伝いをしています。
相談窓口
がん治療を受けられる患者さん・ご家族で妊娠・出産や子どもをもつことにお悩みを抱えているようでしたら、一度ご相談ください。生殖医療について人に相談しづらいとお感じになる方も多いですが、がん相談員や看護師が、がん・生殖医療に関する情報提供や精神的なつらさの支援を行います。性別を問わず、子どもを授かることについてお悩みのがん患者さんまたはご家族、当院以外の病院で治療を受けられている患者さん・ご家族のご相談もお受けしています。
相談方法
相談をご希望の方は、相談支援センターのがん相談専用電話03-3547-5293(平日10時から16時)にご連絡ください。
主な相談の内容
- がん治療開始前に何をすればいいかわからない
- 妊娠・出産できるのか知りたい
- がん生殖医療の専門家に相談したいがどこにいけばいいかわからない
がん治療後に、妊娠・出産に向けてできることを知りたい
里親制度について知りたい
当院の生殖機能(妊孕性)温存支援
生殖機能(妊孕性)温存とは、がん治療による生殖機能低下の可能性があるAYA世代の患者さん・ご家族に対して、治療前に妊娠の可能性を残すために行う治療のことで、女性であれば、胚(受精卵)や卵子(受精前の卵=未受精卵)、卵巣組織、男性であれば、精子を凍結する方法が主な治療方法となります。
がん治療が生殖機能低下を引き起こすものかどうかについては、がん治療の担当医から説明があります。その後、患者サポートセンター看護師から、生殖機能(妊孕性)温存の方法やかかる期間、費用、がん治療後の妊娠・出産などの概要について情報提供いたします。そこで、生殖医療の専門家への受診を希望する方には、お近くの生殖医療機関の情報や連携施設への受診調整を行っております。生殖医療機関の受診は、生殖機能(妊孕性)温存を希望される患者さん・ご家族だけでなく、生殖医療の専門家のカウンセリングを希望される方もご案内しています。お気軽にご相談ください。
参考資料
厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業
小児・若年がん長期戦損者に対する妊孕性のエビデンスと生殖医療ネットワーク構築に関する研究<小児・若年がんと妊娠>
- http://www.j-sfp.org/ped/(外部サイトへリンクします)
支援担当者から
がんの診断を受け、さまざまな不安を抱える中で、将来について考え、生殖機能(妊孕性)温存の意思決定することは容易なことではありません。私たちは、生殖機能(妊孕性)温存に関する情報提供だけでなく、がん治療後のイメージをもって患者さん・ご家族が治療までの短期間で意思決定できるよう、お気持ちを整理するお手伝いもしております。
生殖機能(妊孕性)温存を迷われる方もいらっしゃいますが、生殖医療の専門の先生や看護師さんと相談していただき、最終的には、患者さん・ご家族とよく話し合った上で治療を受けるかどうかを決めていらっしゃいます。皆さまが納得してがん治療に臨めるようにサポートさせていただきますのでご相談ください。