トップページ > 診療科 > 造血幹細胞移植科 > 研修プログラムについて
研修プログラムについて
年間100 件前後の造血幹細胞移植を通して、最先端の知識と移植のチーム医療を学ぶ!
目次
人材育成のポイント
研修の主な特徴
造血幹細胞移植科の1週間のスケジュール
コース紹介
最近 3 年間の英文論文
研修に関するお問合せ先
印刷用資料PDF
人材育成のポイント
同種造血幹細胞移植は造血器疾患に対する最も強力な治療法で、治療関連合併症が多いため全身管理が重要です。当科は本邦で唯一の造血幹細胞移植専門の診療科であり、自家・ 同種合わせて年間90から100 件程度の造血幹細胞移植を行なっています。初回同種移植後の合併症による死亡リスクは1割以下まで低下しており、国内有数の治療成績も誇っています。具体的な人材育成に関して、臨床では全患者を全スタッフで診療しているため、合併症管理を含め豊富な経験を積むことが可能です。また当科より2018年に出版した『造血幹細胞移植ポケットマニュアル(医学書院)』に則って国内屈指の移植専門医より指導を受けることができ、若手医師やパラメディカルを対象としたシリーズレクチャーも充実しています。このため、短期間で移植の基本を確実に身につけられ、造血細胞移植認定医を効率よく取得することができます。研究面では毎週の臨床研究ミーティングや統計講義を通して学会発表から論文投稿まで基本から指導を行なっています。過去8年間で66人のレジデントが研修しており、過去3年間(2018年以降)にレジデントが報告した英文論文は11件です。また連携大学院を介した学位の取得も可能です。
移植の経験は問いません。造血幹細胞移植医として向上心のある先生方を心からお待ちしております。
研修の主な特徴
- 日本で唯一、造血幹細胞移植に特化した診療科で、年間 100 件前後の様々なタイプの移植を経験
(多職種を含めたチーム医療による取り組みが学べます) - 日本の造血幹細胞移植をリードする指導医による質の高い実地指導
(これまで造血幹細胞移植の経験がなくても、移植の基礎から指導します) - 臨床研究の基本からきめ細やかに指導 (統計解析の基本から英文論文作成まで学べます)
造血幹細胞移植科の1週間のスケジュール
曜日 | 時間 | 内容 |
月曜日 | 8時40分から9時10分 15時 から16時 |
病棟回診 移植カンファレンス(血液内科・小児科と合同で) |
火曜日 | 8時50分 から 9時20分 | 病棟スタッフミーティング・病棟回診 |
水曜日 | 8時40分 から 9時10分 15時30分 から 17時 |
病棟回診 統計学シリーズ講義 |
木曜日 | 8時40分 から 9時10分 16時 から 17時 |
病棟回診 臨床研究ミーティング |
金曜日 | 8時40分 から 9時10分 14時30分 から 15時30分 |
病棟回診 多職種病棟カンファレンス・週末申し送り |
休日 | 9時 から 14時 | 病棟回診(当番制:月に1から2回) |
1週間のスケジュールは、月曜から金曜まで毎朝、全員で全患者を回診して、治療方針について話し合っています。このためスタッフとのコミュニケーションがとりやすく、気軽に相談できます。月曜日の移植カンファレンスでは、移植前後の血液内科・小児科の患者も含めて経過を検討され、外来紹介患者の移植適応も検討されます。水曜日には田島絹子先生による統計学シリーズ講義と個別の研究でのEZRを用いた解析の指導が行われています。木曜日の臨床研究ミーティングでは、研究テーマの決定・計画から実際の解析、学会発表予行まで指導を行っています。金曜日には移植入院患者について看護師・薬剤師・管理栄養士・精神腫瘍科チーム、リハビリチームと一緒に検討を行っています。また休日は、完全当番制(スタッフ・レジデントが月に1から2回担当)として、メリハリのある業務を行っています。
臨床研究ミーティングについて
過去のスケジュール例です。
第1回 | 福田 伊藤 |
造血幹細胞移植の基本 GVHD予防 |
第2回 | 田中 稲本 |
急性GVHDの診断 急性GVHDの治療移 |
第3回 | 沖中 小島 |
植後の感染症対策 移植患者における輸血 |
第4回 | 福田 金 |
ドナー・幹細胞の選択 移植前処置の選択 |
第5回 | 稲本 田中 |
慢性GVDHの診断 敗血症への対応 |
第6回 | 福田 稲本 |
移植適応の考え方:総論+ATL 慢性GVDHの治療 |
第7回 | 小島 青木 |
造血幹細胞輸注 移植適応の考え方:AML |
第8回 | 金 伊藤 |
移植適応の考え方:リンパ腫 移植後再発への対策 |
コース紹介
レジデント2年コース
対象者
- 新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済み、もしくは取得見込み(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得済み、もしくは取得見込み)で、当院での研修によりサブスペシャルティ専門医を目指す者。
注:基本領域専門医:総合内科専門医 - 造血幹細胞移植の診療、研究に熱意のある者。
研修目的
造血幹細胞移植の研修を行い、造血幹細胞移植認定医を取得する。
臨床研究に取り組み論文投稿を目指す。
連携大学院の者は学位取得を目指す。
コメディカルとの連携を学ぶ。
研修内容
- 臨床では病棟の患者管理に従事し、造血幹細胞移植の基礎を学ぶ。
- 研究ではクリニカルクエスチョンに基づいてテーマ決めを行い、学会発表、論文執筆を行う。学位取得を目指す。
研修期間
2年 注:病院の規定に基づきCCM・緩和医療研修を行う
研修の特色
- 年間100件程度の造血幹細胞移植実績を有するHigh Volume Centerでの研修。
- 造血幹細胞移植認定医取得に十分な幅広い研修環境。
- 造血幹細胞移植ポケットマニュアルに基づいた日本の造血幹細胞移植をリードする指導医による質の高い実地指導。
- 臨床研究を立案し研究を行い、論文化、国内外の学会発表が可能。
- 週1回のカンファレンスを通した研究指導、臨床統計講義。
- コメディカル部門が充実しており、造血幹細胞移植を安全に行うためのチーム医療体制。
がん専門修練医コース
対象者
- 新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済み(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得済み、もしくは取得見込み)、
かつ、サブスペシャルティ領域専門医取得済み、もしくは取得見込みで、当院での研修により当該領域に特化した修練を目指す者
注:基本領域専門医:総合内科専門医 - 当センターレジデント修了者あるいは同等の経験と学識を有する者
- 造血幹細胞移植の診療、研究に熱意のある者。
研修目的
- 造血幹細胞移植の研修を行い、造血幹細胞移植認定医を取得する。
- 臨床研究に取り組み論文投稿を目指す。
- 連携大学院の者は学位取得を目指す。
- コメディカルとの連携を学ぶ。
研修内容
- 1年目:臨床では病棟の患者管理に従事し、造血幹細胞移植の基礎を学ぶ。研究ではクリニカルクエスチョンに基づいてテーマ決めを行い、学会発表、論文執筆を行う。
- 2年目:臨床研究を主体とした修練を継続する。希望に応じ、研究所、実施する研究に関連する施設で研修を行う。学位取得を目指す。
研修期間
2年
研修の特色
- 年間100件程度の造血幹細胞移植実績を有するHigh Volume Centerでの研修。
- 造血幹細胞移植認定医取得に十分な幅広い研修環境。
- 造血幹細胞移植ポケットマニュアルに基づいた日本の造血幹細胞移植をリードする指導医による質の高い実地指導。
- 臨床研究を立案し研究を行い、論文化、国内外の学会発表が可能。
- 週1回のカンファレンスを通した研究指導、臨床統計講義。
- コメディカル部門が充実しており、造血幹細胞移植を安全に行うためのチーム医療体制。
レジデント3年コース
対象者
- 新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済み、もしくは取得見込み(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得済み、もしくは取得見込み)で、当院での研修によりサブスペシャルティ専門医を目指す者
注:基本領域専門医:総合内科専門医 - 造血幹細胞移植の診療、研究に熱意のある者。
研修目的
- 造血幹細胞移植の研修を行い、造血幹細胞移植認定医を取得する。
- 臨床研究に取り組み論文投稿を目指す。
- 連携大学院の者は学位取得を目指す。
- コメディカルとの連携を学ぶ。
研修内容
- 臨床では病棟の患者管理に従事し、造血幹細胞移植の基礎を学ぶ。
- 研究ではクリニカルクエスチョンに基づいてテーマ決めを行い、学会発表、論文執筆を行う。学位取得を目指す。
研修期間
3年 注:病院の規定に基づきCCM・緩和医療研修を行う
研修の特色
- 年間100件程度の造血幹細胞移植実績を有するHigh Volume Centerでの研修。
- 造血幹細胞移植認定医取得に十分な幅広い研修環境。
- 造血幹細胞移植ポケットマニュアルに基づいた日本の造血幹細胞移植をリードする指導医による質の高い実地指導。
- 臨床研究を立案し研究を行い、論文化、国内外の学会発表が可能。
- 週1回のカンファレンスを通した研究指導、臨床統計講義。
- コメディカル部門が充実しており、造血幹細胞移植を安全に行うためのチーム医療体制。
レジデント短期コース
対象者
希望される期間で、国立がん研究センターの研修機会を活かしたい方
研修期間
6か月から1年6か月 注:6か月を超える場合は病院の規定に基づきCCM 研修を行う
最近 3 年間の英文論文
注:研修者が First Author のもののみ紹介しています。
- Onishi A, et al. Detrimental effects of pretransplant cisplatin-based chemotherapy on renal function after allogeneic hematopoietic cell transplantation for lymphoma. Bone Marrow Transplant. 2020 May 4. Online ahead of print
- Kuno M, et al.. T-cell posttransplant lymphoproliferative disorders after allogeneic hematopoietic cell transplantation. Int J Hematol. In press.
- Sakatoku K, et al. Prognostic significance of low pre-transplant skeletal muscle mass on survival outcomes in patients undergoing hematopoietic stem cell transplantation. Int J Hematol. 2020 Feb;111(2):267-277.
- Kawajiri A, et al. Association of CD204+ macrophages with poor outcomes of malignant lymphomas not in remission treated by allogeneic HCT. Eur J Haematol. 2019 Dec;103(6):578-587.
- Yuda S, et al. Extramedullary Relapse of Acute Myelogenous Leukemia after Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2019 Jun;25(6):1152-1157.
- Ito R, et al. Characterization of Late Acute and Chronic Graft-Versus-Host Disease according to the 2014 National Institutes of Health Consensus Criteria in Japanese Patients. Biol Blood Marrow Transplant. 2019 Feb;25(2):293-300.
- Kuno M, et al. Severe immune-related complications early after allogeneic hematopoietic cell transplantation for nivolumab-pretreated lymphoma. Bone Marrow Transplant. 2019 Mar;54(3):473-476.
- Inoue Y, et al. Prognostic importance of pretransplant disease status for posttransplant outcomes in patients with adult T cell leukemia/lymphoma. Bone Marrow Transplant. 2018 Sep;53(9):1105-1115.
- Kawashima I, et al. Double-Expressor Lymphoma Is Associated with Poor Outcomes after Allogeneic Hematopoietic Cell Transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2018 Feb;24(2):294-300.
- Ochi K, et al. The putative anti-leukemic effects of anti-thymocyte globulins in patients with CD7-positive acute myeloid leukemia. Bone Marrow Transplant. 2018 Aug;53(8):1019-1029.
- Shichijo T, et al. Beneficial impact of low- dose rabbit anti-thymocyte globulin in unrelated hematopoietic stem cell transplantation: focusing on difference between stem cell sources. Bone Marrow Transplant. 2018 May;53(5):634-639.
研修に関するお問合せ先
- 国立がん研究センター 中央病院 造血幹細胞移植科
教育担当:福田 隆浩
メールアドレス:tafukuda●ncc.go.jp(●を@に置き換えてください) - 中央病院レジデント募集情報
https://www.ncc.go.jp/jp/cepcd/recruit/20220823090229.html - Facebook 中央病院 教育・研修情報
https://ja-jp.facebook.com/CancerEducation/(外部サイトへリンクします)