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平成30年度 国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 673 | 478 | 342 | 800 | 1632 | 2529 | 3845 | 4195 | 1188 | 34 |
年齢階級別にみると、40歳からの入院が多くなっています。特に小児患者さんは、繰り返し入院して治療を行う場合や、通常の検査でも鎮静が必要になる場合が多く、退院患者数が増えています。また、本集計全体の注意点として、治験、先進医療、自費診療等の患者さんは集計から除外されております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
血液内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x40x | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:リツキサン(4) 副傷病なし | 148 | 8.12 | 16.7 | 0.00 | 64.57 | |
130030xx99x00x | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2なし 副傷病なし | 89 | 3.67 | 10.01 | 0.00 | 64.76 | |
130030xx97x40x | 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2:リツキサン(4) 副傷病なし | 33 | 52.21 | 32.36 | 0.00 | 57.97 | |
130030xx97x00x | 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 14 | 5.07 | 8.73 | 0.00 | 67.57 | |
130030xx97x3xx | 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) | 13 | 38.54 | 32.83 | 23.08 | 66.08 |
造血器悪性腫瘍の診断・検査・治療は主に外来で行っていますが、リツキシマブを含む一部の治療の導入(初回投与)や、リンパ腫に対する強力な救援療法や急性白血病の治療など骨髄抑制が高度な治療を行う場合、合併症(感染症など)を生じた場合に入院治療となります。治療導入のみの場合には、治療開始から1日から数日の経過観察を行った後、早期に退院となります。
造血幹細胞移植科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x00x | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2なし 副傷病なし | 12 | 9.67 | 10.01 | 16.67 | 58.67 | |
130010xx99x0xx | 急性白血病 手術なし 処置2なし | 11 | 6.45 | 8.20 | 0.00 | 44.09 | |
130030xx97x00x | 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
130060xx99x4xx | 骨髄異形成症候群 手術なし 処置2:ビダーザ(4) | - | - | - | - | - | |
0400801299x000 | 肺炎等 15歳未満または市中肺炎 15歳以上65歳未満 手術なし 処置2なし 副傷病なし A-DROP(0) | - | - | - | - | - |
造血幹細胞移植はDPC対象外です。移植前または移植後の治療入院患者が集計されています。移植後の肺炎など合併症に対する入院治療を行うこともあります。
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし | 413 | 8.06 | 10.00 | 0.24 | 69.08 | |
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし | 125 | 11.27 | 14.58 | 8.80 | 64.69 | |
040040xx9903xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) | 91 | 23.40 | 29.87 | 0.00 | 63.26 | |
040040xx99070x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:アリムタ(7) 副傷病なし | 82 | 9.85 | 10.92 | 0.00 | 63.85 | |
040040xx9905xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:イレッサ等(5) | 60 | 13.33 | 19.34 | 0.00 | 66.90 |
IV期もしくは術後再発には化学療法、分子標的治療や免疫チェックポイント阻害薬、III期の切除不能症例には化学放射線療法など、患者さんの病状にとって最善の治療を選択しています。オプジーボ、キイトルーダなどの一部高額薬剤を使用した症例はDPC対象外となるため除外されています。
消化管内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060010xx99x40x | 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし | 410 | 8.34 | 9.58 | 0.00 | 65.81 | |
060010xx99x30x | 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) 副傷病なし | 150 | 10.03 | 18.67 | 0.00 | 67.29 | |
060020xx99x30x | 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし | 146 | 7.18 | 6.70 | 0.00 | 66.24 | |
03001xxx99x4xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) | 65 | 8.78 | 12.90 | 0.00 | 56.86 | |
060020xx99x6xx | 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2:ハーセプチン(6) | 45 | 6.80 | 5.95 | 0.00 | 64.62 |
食道癌に対して、食道外科、消化器内視鏡科、放射線治療科と共同でカンファレンスにて個々の患者さんの病態に合わせて治療方針を決定し、早期食道癌に対する内視鏡治療後の化学放射線療法、切除可能症例に対する周術期の化学(放射線)療法、局所進行症例や局所再発症例に対する化学放射線療法および遠隔転移症例に対する化学療法などを行っています。また、治療成績向上を目指した臨床試験も行っております。
胃癌に対して、同様に胃外科、消化器内視鏡科と共同でカンファレンスを開催し、個々の患者様の病態に合わせて治療方針を決定しています。術前後の補助化学療法だけでなく、切除不能・再発例については、分子標的薬を含めて有効な薬剤を使いきるように、3次治療以降も化学療法を行うなど、様々な工夫をこらした治療を行っています。また、治療成績向上を目指した臨床試験も行っております。
肝臓・胆のう・膵臓内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
06007xxx9910xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 処置1:限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし | 169 | 4.08 | 5.14 | 0.59 | 63.64 | |
06007xxx97x00x | 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 123 | 8.37 | 13.33 | 1.63 | 65.80 | |
060050xx97x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 114 | 8.26 | 10.42 | 0.00 | 71.65 | |
060340xx03x00x | 胆管結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし | 80 | 8.90 | 10.08 | 0.00 | 69.56 | |
06007xxx97x6xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術 処置2:5FU+アイソボリン+カンプト/トポテシン+エルプラット(6) | 69 | 11.83 | 17.46 | 0.00 | 59.19 |
肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、胆管結石、胆管炎の患者さんに対して、抗がん剤治療や分子標的治療、ラジオ波焼灼療法、内視鏡的胆道ドレナージなどの治療や生検などの検査を行い、患者さんの病状にとって最善の医療を提供しています。
乳腺・腫瘍内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12002xxx99x40x | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし | 146 | 5.39 | 4.85 | 0.00 | 59.43 | |
03001xxx99x4xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) | 94 | 7.39 | 12.90 | 0.00 | 43.32 | |
040010xx99x30x | 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし | 71 | 7.61 | 9.53 | 0.00 | 39.63 | |
180050xx99xxxx | その他の悪性腫瘍 手術なし | 66 | 5.80 | 14.67 | 3.03 | 63.77 | |
060030xx99x3xx | 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) | 58 | 6.57 | 7.36 | 0.00 | 53.26 |
入院患者さんを対象とした統計です。現在、ほとんどの化学療法は外来で行われていますが、婦人科がん(卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌等)の術後化学療法や再発時の化学療法は入院で行われることがあります。さらに、胚細胞腫瘍や軟部肉腫などの稀少がんは入院で化学療法が行われることが多いです。頭頚部悪性腫瘍が2位になっているのは、頭頚部原発の悪性軟部肉腫の患者さんが多かったためです。
内視鏡内科(消化器)
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060020xx04x0xx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 処置2なし | 392 | 7.49 | 8.52 | 0.00 | 71.42 | |
060010xx02x00x | 食道の悪性腫瘍 内視鏡的食道粘膜切除術等 処置2なし 副傷病なし | 235 | 6.45 | 9.03 | 0.00 | 69.23 | |
060035xx03xxxx | 結腸の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 114 | 3.61 | 7.09 | 0.00 | 65.78 | |
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | 111 | 5.61 | 2.67 | 0.90 | 69.28 | |
060040xx04xxxx | 直腸肛門の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 41 | 5.22 | 7.03 | 0.00 | 68.54 |
日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会の指導医および専門医である常勤の消化管内視鏡スタッフおよび検診センターの内視鏡医を中心に、通常上部消化管内視鏡検査(食道、胃十二指腸)、通常下部消化管内視鏡検査(直腸、結腸)を行うと同時に、内視鏡切除を表在食道癌、早期胃癌、大腸腫瘍に対して行っています。なおESDでは他の大学病院などで治療困難例の紹介も多くなっており、遺残再発例や腫瘍径が大きく通常内視鏡治療が困難な症例に対しても積極的かつ慎重に内視鏡治療の適応を検討しています。
大腸では拡大内視鏡診断に基づいて、ESDとEMR(内視鏡的粘膜切除術)の適応を見極め、最適な治療法を選択をするよう心掛けており、2cmまでの大腸ポリープや早期癌であれば日帰り治療も可能です。
呼吸器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし | 650 | 7.87 | 11.87 | 0.00 | 67.07 | |
040010xx01x0xx | 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 処置2なし | 39 | 7.03 | 10.36 | 0.00 | 53.97 | |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1:気管支ファイバースコピー等 処置2なし | 30 | 3.57 | 3.43 | 0.00 | 73.53 | |
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし | 25 | 6.00 | 14.58 | 4.00 | 72.44 | |
040040xx97x10x | 肺の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:中心静脈注射等(1) 副傷病なし | 15 | 13.20 | 19.16 | 6.67 | 62.60 |
病院の性質上、他院に比べて肺悪性腫瘍(原発性肺癌および転移性肺腫瘍)手術の比率が非常に高く、これに特化した診療科であることが第1の特長です。第2の特長として平均在院日数が他院と比べて大幅に短いことが挙げられます。これは、われわれが標準としている胸腔鏡を併用しながら5-7cmの小開胸下に行う低侵襲手術法の最大の利点であります。すなわち胸腔鏡だけに頼らず直視も併用することで精密な手術(徹底したリンパ節郭清および肺からの空気漏れの修復や止血を確実に行うことなど)が可能であり、かつ小さい開胸で筋肉や肋骨も温存されることから早期帰宅、社会復帰が可能となっています。
食道外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060010xx01x1xx | 食道の悪性腫瘍 食道悪性腫瘍手術等 処置2:人工腎臓等(1) | 143 | 25.24 | 36.79 | 0.70 | 66.66 | |
060010xx99x00x | 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし | 15 | 9.20 | 10.70 | 26.67 | 69.07 | |
060010xx97x1xx | 食道の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:人工腎臓等(1) | - | - | - | - | - | |
060010xx97x00x | 食道の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
03001xxx01000x | 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - |
1位:食道悪性腫瘍手術:扁平上皮癌のStage I症例は根治的化学放射線療法、内視鏡切除+補助化学放射線療法による臓器温存治療を積極的に勧めており、Stage Iの手術例は他施設に比べ少なくなっています。非手術の根治的化学放射線療法後の遺残再発に対する救済手術が20%と多く、術後在院日数が長くなっています。
2位:症状緩和:術後外来での状態悪化については、食道外科で入院対応し、再発が確認され緩和医療の適応となった場合は、他施設での緩和医療を勧めています。
胃外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060020xx02x00x | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 処置2なし 副傷病なし | 199 | 14.26 | 16.49 | 0.00 | 66.49 | |
060020xx01x0xx | 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 処置2なし | 73 | 19.49 | 19.73 | 0.00 | 67.45 | |
060020xx99x00x | 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし | 34 | 7.21 | 10.90 | 8.82 | 64.71 | |
060090xx01xxxx | 胃の良性腫瘍 胃全摘術 単純全摘術等 | 16 | 10.38 | 12.26 | 0.00 | 56.31 | |
060020xx97x00x | 胃の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - |
いずれも胃癌に対する手術・検査です。当院の特徴として術前化学療法を行う局所進行癌が多く、第3位の手術なしの多くは、実際は審査腹腔鏡検査で化学療法を行う前のstagingです。進行癌の標準治療である開腹胃全摘、部分切除を受ける患者さんは必然的に多くなっています。早期胃癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。
大腸外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060035xx01000x | 結腸の悪性腫瘍 結腸切除術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | 143 | 13.04 | 15.30 | 0.70 | 66.55 | |
060040xx02000x | 直腸肛門の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | 73 | 12.84 | 15.84 | 0.00 | 59.71 | |
060040xx03xx0x | 直腸肛門の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術等 副傷病なし | 44 | 10.55 | 12.95 | 0.00 | 58.75 | |
060040xx0210xx | 直腸肛門の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 処置1:腸瘻、虫垂瘻造設術等 処置2なし | 36 | 25.00 | 25.09 | 0.00 | 63.42 | |
060040xx99x00x | 結腸の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし | 19 | 9.32 | 8.82 | 5.26 | 69.05 |
最近の大腸癌患者さんの中でも結腸癌患者さんの罹患数増加を反映して、結腸癌手術が非常に多くなっています。また、ERASの導入で術後の回復が早くなっています。直腸癌も結腸癌と同様に多く、通常の開腹術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術などのアプローチを癌の部位と進行度に応じて的確に使い分け、合併症を最小限に抑えています。更に巨大な直腸癌患者さんの御紹介が多く、そのため骨盤内臓全摘術が多くなっています。
肝臓・胆のう・膵臓外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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06007xxx011x0x | 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 処置1:限局性腹腔膿瘍手術等 副傷病なし | 60 | 29.20 | 38.87 | 3.33 | 68.38 | |
06007xxx010x0x | 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 処置1なし 副傷病なし | 51 | 26.69 | 26.14 | 0.00 | 66.96 | |
060050xx02x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝切除術 部分切除等 処置2なし 副傷病なし | 45 | 13.31 | 13.92 | 0.00 | 62.27 | |
060050xx02x10x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝切除術 部分切除等 処置2:人工腎臓等(1) 副傷病なし | 21 | 18.90 | 16.92 | 0.00 | 68.05 | |
060050xx99x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし | 19 | 3.63 | 9.59 | 5.26 | 67.63 |
1位:膵切除術(部分切除・全摘)、膵管空腸吻合物を行うもので、中心静脈注射も行います。
2位:膵切除術(部分切除・全摘)を行うもので、膵頭十二指腸切除の症例が多いため在院期間が長くなっています。
3位:肝切除術(部分切除~1区域切除)を行うもので、肝臓癌は減少傾向であり、転移性肝癌や胆管癌に対する肝切除が増加しています。
胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌、十二指腸癌も膵頭十二指腸切除、あるいは胆嚢癌悪性手術、拡大肝葉切除尾状葉切除を施行していますが疾患ごとの頻度は多くありません。
乳腺外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
090010xx01x0xx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術等 処置2なし | 467 | 10.78 | 10.59 | 0.00 | 55.72 | |
090010xx02x0xx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 処置2なし | 254 | 4.43 | 6.23 | 0.00 | 54.51 | |
090020xx97xxxx | 乳房の良性腫瘍 その他の手術 | 15 | 4.93 | 4.02 | 0.00 | 45.27 | |
070041xx97x00x | 軟部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 12 | 9.75 | 10.44 | 0.00 | 59.83 | |
090010xx97x0xx | 乳房の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし | 11 | 5.55 | 6.52 | 0.00 | 58.36 |
患者数1位と2位は、乳癌の悪性腫瘍手術を行うDPC分類となっています。
1位は全乳房の切除で腋窩リンパ節郭清を行わずセンチネルリンパ節生検を行う分類で、形成外科と協力して同時に乳房再建を行う症例が含まれているため平均在院日数が全国平均とほぼ同一となっております。
2位は乳房部分切除で腋窩リンパ節郭清を行わずセンチネルリンパ節生検を行う分類で、手術の低侵襲化により手術後の回復が早いため平均在院日数が全国平均より短くなっています。
小児腫瘍科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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070040xx99x4xx | 骨の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) | 63 | 6.17 | 16.89 | 1.59 | 1305 | |
070041xx99x3xx | 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) | 48 | 7.17 | 10.53 | 0.00 | 15.94 | |
070040xx97x4xx | 骨の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) | 34 | 11.79 | 32.26 | 0.00 | 12.32 | |
020040xx97x1xx | 網膜芽細胞腫 その他の手術 処置2:化学療法等 | 32 | 6.00 | 19.10 | 0.00 | 1.72 | |
020040xx99x0xx | 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2:化学療法等 | 24 | 5.83 | 2.52 | 0.00 | 3.17 |
小児のすべての悪性腫瘍(小児がん)に対しての治療を行っています。小児ではめずらしい腫瘍であっても、生検から病理診断までを迅速に行うことが可能です。
骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫をはじめとする骨や軟部組織にできる腫瘍は骨軟部腫瘍科、網膜芽細胞腫は眼腫瘍科、神経芽腫などの小児固形腫瘍は小児腫瘍外科、また、放射線治療科や院内各科と連携し、化学療法、手術、放射線治療などの集学的治療を行っています。再発後などの難治の患者さんには臨床試験や治験参加による未承認薬での治療なども可能であり、患者さんの病状に合わせての治療選択が可能です。院内には高等部まである墨東特別支援学校分教室もありますので、高校生でも治療しながらの学習が可能です。
なお、上記のDPCの集計では、対象外の薬剤を使用した患者さんは含まれておりません。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070041xx01x00x | 軟部の悪性腫瘍 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術 処置2なし 副傷病なし | 115 | 16.42 | 17.50 | 0.00 | 56.26 | |
070041xx99x3xx | 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) | 62 | 6.52 | 10.53 | 0.00 | 52.11 | |
070010xx010x0x | 骨軟部の良性腫瘍 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 処置1なし 副傷病なし | 51 | 8.00 | 5.59 | 0.00 | 43.45 | |
070041xx99x5xx | 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:ヨンデリス(5) | 48 | 5.88 | 5.30 | 0.00 | 48.15 | |
070041xx99x0xx | 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし | 40 | 5.63 | 7.53 | 0.00 | 50.20 |
整形外科では、四肢および体幹の悪性骨軟部腫瘍(肉腫)の診断と治療を主に行っていますが、骨巨細胞腫、デスモイドなど良性であっても再発しやすいもの、機能障害を生じやすいものなど、一般の病院では治療の難しい良性骨軟部腫瘍も積極的に受け入れて治療を行っています。良性腫瘍に対しては、周囲の正常組織をできるだけ傷つけない辺縁切除術や?爬術を、悪性腫瘍に対しては、再発を生じさせないような広範切除を行っています。骨肉腫やユーイング肉腫などの高悪性度腫瘍に対しては手術前後の化学療法(補助化学療法)や放射線治療を併用して、再発や転移のリスクを下げるとともに、より良い機能が得られるようにしています。再発や転移のため腫瘍の切除が困難な場合には、化学療法や分子標的薬を用いた薬物療法によって、患者さんがより良いQOLを保った状態で腫瘍コントロールが得られるよう小児腫瘍科や乳腺・腫瘍内科、放射線治療科等と協力して集学的治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010010xx01x00x | 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし | 79 | 15.33 | 21.16 | 6.33 | 54.94 | |
130030xx99x30x | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし | 43 | 7.93 | 17.10 | 0.00 | 54.72 | |
010010xx9908xx | 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:テモダール内服等(8) | 27 | 7.59 | 35.16 | 0.00 | 52.00 | |
010010xx99000x | 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | 18 | 6.17 | 11.45 | 11.11 | 62.67 | |
130030xx99x2xx | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:放射線療法(2) | 13 | 11.38 | 28.28 | 7.69 | 51.38 |
当科は、覚醒下手術・術中MRI・電気生理学的モニタリングを併用した悪性脳腫瘍摘出術や悪性脳腫瘍に対する放射線・化学療法が特徴です。悪性脳腫瘍の患者さんが、早く社会復帰するように、可能な限り手術後には早期に退院し、外来で放射線や化学療法を行っています。DPCではこのような元気に外来治療できる患者さんは、「脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし」と表示されます。また再発した患者さんに対して、様々な化学療法・臨床試験(治験)を行っています。また本集計では、悪性神経膠腫(グリオーマ)に対するアバスチン、アラベル等DPC対象外となる薬剤を使用する患者さんが非常に多く、これらの高額薬剤を使用した患者さんは集計対象外となっています。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし | 69 | 10.04 | 8.16 | 1.45 | 68.03 | |
080005xx01x0xx | 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし | 48 | 15.17 | 13.72 | 0.00 | 58.85 | |
080005xx99x1xx | 黒色腫 手術なし 処置2:インターフェロン等(1) | 19 | 10.47 | 11.12 | 0.00 | 66.95 | |
080005xx99x0xx | 黒色腫 手術なし 処置2なし | 15 | 13.00 | 12.05 | 0.00 | 59.80 | |
070041xx97x00x | 軟部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 14 | 18.93 | 10.44 | 0.00 | 64.86 |
皮膚腫瘍科ではDPC対象外となるオプジーボ、キイトルーダなど高額薬剤を使用した患者さんが非常に多いのですが、本集計では対象外であるためカウントされておりません。
2位の黒色腫の切除につきまして、当科は進行例や他施設で初回切除を受けた上での再発や転移例が多いため、侵襲の大きい手術や複雑な手術が必要となり、平均在院日数がやや長くなる傾向にあります。
5位の軟部の悪性腫瘍は皮膚腫瘍科で手術するのは、皮下組織および体表に近い筋肉内発生の肉腫がほとんどで非常に希少な癌です。
泌尿器・後腹膜腫瘍科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし | 87 | 7.00 | 7.20 | 0.00 | 70.89 | |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 | 74 | 12.46 | 12.63 | 0.00 | 68.26 | |
110070xx99x20x | 膀胱腫瘍 手術なし 処置2:化学療法(2) 副傷病なし | 72 | 8.74 | 10.97 | 0.00 | 67.44 | |
060030xx01x1xx | 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 小腸切除術等 処置2:中心静脈注射等(1) | 48 | 20.02 | 31.50 | 4.17 | 56.90 | |
110060xx99x20x | 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法(2) 副傷病なし | 34 | 9.56 | 10.99 | 0.00 | 68.53 |
膀胱癌に対する化学療法は、全身状態や腎機能に応じて数種類のレジメンを使い分けています。通院での化学療法も取り入れています。
前立腺癌に対する手術は開腹手術の既往があってもほぼ全例ロボット支援前立腺全摘術を行っています。
婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12002xxx01x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 処置2なし | 103 | 17.47 | 12.58 | 0.00 | 54.71 | |
120010xx01x0xx | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等 処置2なし | 64 | 14.89 | 13.22 | 0.00 | 54.97 | |
060030xx97x00x | 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 24 | 14.46 | 11.39 | 0.00 | 63.08 | |
12002xxx02x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 処置2なし | 19 | 3.21 | 3.20 | 0.00 | 39.37 | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 | 17 | 12.35 | 9.87 | 0.00 | 51.59 |
1位:子宮頸癌や子宮体癌の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
2位:卵巣・卵管・腹膜癌の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
3位:下部消化管などに転移した癌の手術治療を行うための入院例です。
4位:子宮頸部上皮内癌などの患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
5位:子宮の良性腫瘍の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020040xx97x0xx | 網膜芽細胞腫 その他の手術 処置2なし | 309 | 3.78 | 4.38 | 0.32 | 2.23 | |
020040xx99x0xx | 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2なし | 31 | 3.97 | 2.52 | 3.23 | 3.23 | |
02001xxx97x0xx | 角膜・眼及び付属器の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし | - | - | - | - | - | |
020040xx97x1xx | 網膜芽細胞腫 その他の手術 処置2:化学療法等 | - | - | - | - | - | |
02001xxx99x1xx | 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2:化学療法等 | - | - | - | - | - |
1位:網膜芽細胞腫 眼球温存治療(網膜光凝固術など)もしくは眼球摘出
2位:網膜芽細胞腫 全身麻酔眼底検査など
3位:結膜、眼瞼、眼窩などの悪性腫瘍に対する切除手術
4位:網膜芽細胞腫 眼球温存治療(網膜光凝固術など)もしくは眼球摘出 化学療法など
5位:網膜芽細胞腫 化学療法など
網膜芽細胞腫が大部分を占め、その中でも全身麻酔で行う眼球温存治療(網膜光凝固など)が大半を占めています。
詳細な眼底検査のためには乳幼児の場合、全身麻酔下に行う必要があり、この件数も多くなっています。
頭頸部外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
03001xxx01000x | 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | 193 | 11.99 | 13.57 | 1.04 | 63.66 | |
03001xxx0110xx | 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1:分層植皮術等 処置2なし | 84 | 26.45 | 27.42 | 0.00 | 64.68 | |
03001xxx99x3xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) | 47 | 10.57 | 36.03 | 0.00 | 59.79 | |
03001xxx97x00x | 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | 37 | 8.24 | 10.07 | 5.41 | 67.27 | |
100020xx010xxx | 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 処置1なし | 33 | 10.24 | 8.68 | 0.00 | 60.00 |
1位については、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌などの疾患で、原発手術や頸部郭清術を行った患者さんが対象になっていますので、1週間から10日間程度の在院日数になりますが、中には喉頭全摘などで在院日数が少し長くなる患者さんが含まれるため、全体では約12日間の在院日数となり、全国平均並みになっています。
2位については、原発切除に再建手術が加わるような患者さんが対象になっていますが、当院では拡大切除に伴い複雑な再建を行う症例や、放射線治療後の救済手術の症例の割合が他院と比較して高いため、術後の合併症の頻度も高くなり、結果として平均在院日数が全国平均より高くなっていると考えられます。
3位については、当院で行う化学放射線療法は、シスプラチンの観察が終わったところで退院し、次回のシスプラチン投与までは外来通院で放射線治療を行うために、大幅に平均在院日数が短縮されています。
放射線診断科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11001xxx01x0xx | 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 処置2なし | 47 | 6.17 | 11.50 | 0.00 | 68.32 | |
11001xxx99x0xx | 腎腫瘍 手術なし 処置2なし | - | - | - | - | - | |
060050xx97x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
060050xx99x00x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
060050xx0300xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法等 処置1なし 処置2なし | - | - | - | - | - |
主に他科で入院している患者さんの治療を依頼される診療科であるため、当科での入院患者さんは当科で治療を完結する疾患ならびに他院からの直接紹介などに限られています。
放射線治療科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
03001xxx99x3xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) | 59 | 8.17 | 36.03 | 0.00 | 59.53 | |
100020xx99x2xx | 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置2:I131内用療法(2) | 23 | 5.09 | 6.51 | 0.00 | 56.30 | |
010010xx99030x | 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法なしかつ放射線療法あり(3) 副傷病なし | 13 | 7.85 | 16.98 | 15.03 | 68.23 | |
12002xxx99x2xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法なし放射線療養あり(2) | 13 | 6.08 | 16.87 | 7.69 | 59.92 | |
03001xxx97x3xx | 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) | 13 | 16.54 | 64.22 | 0.00 | 56.85 |
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(注) | 版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 506 | 79 | 81 | 244 | 59 | 170 | 1 | 8 |
大腸癌 | 71 | 129 | 133 | 141 | 167 | 199 | 1 | 8 |
乳癌 | 303 | 185 | 24 | 9 | 114 | 99 | 1 | 8 |
肺癌 | 490 | 105 | 259 | 330 | 44 | 516 | 1 | 8 |
肝癌 | 27 | 25 | 27 | 23 | 19 | 188 | 1 | 8 |
(注) 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌に関する特徴として、胃癌は早期癌が最も多く、次にStage IVが多くなっています。大腸癌は早期癌が少なく、StageIVが最も多くなっています。乳癌はStageI、IIが全体の大半を占めています。肺癌はStageI、進行癌の頻度が多くなっています。肝癌に関してはStageのばらつきが少ないです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 25 | 14.08 | 59.96 |
中等症 | 32 | 14.22 | 67.22 |
重症 | 2 | 10.00 | 58.00 |
超重症 | 3 | 12.33 | 74.33 |
不明 | - | - | - |
当院の症例では中等症の割合が最も多く、全体の半数以上を占めています。癌の治療中に発症した肺炎は、重症度スコアが低い場合でも入院加療となる場合が多くなっています。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 11 | 21.09 | 66.91 | 38.46 |
その他 | - | - | - | - |
年間患者数が10件未満のため、各集計値の表示を-としています。意識消失等の症状があり、癌の脳転移を疑う場合に入院し診断した結果脳梗塞であった場合や、入院中に脳梗塞を発症する場合がありますが、当院は脳梗塞の治療の専門施設ではありませんので、転院して治療いただく場合が多くなっています。癌が末期の場合、そのまま亡くなる患者さんも少なくありません。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
血液内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9212ロ | 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) | 13 | 24.15 | 12.54 | 0.00 | 53.77 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 10 | 11.50 | 7.80 | 0.00 | 55.50 | |
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) | - | - | - | - | - | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | - | - | - | - | - |
自造血幹細胞移植を予定する患者さんへ化学療法後に幹細胞を採取する処置です。
呼吸器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 15 | 18.00 | 21.13 | 26.67 | 68.13 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 14 | 0.93 | 4.29 | 0.00 | 67.57 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | - | - | - | - | - | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | - | - | - | - | - | |
K508-22 | 気管・気管支ステント留置術(軟性鏡) | - | - | - | - | - |
年間10件未満の患者数であった手術については、各集計値を-と記載しています。
1位:高カロリー輸液のための中心静脈ポート挿入です。
2位:抗がん剤の中心静脈投与のためのポート造設です。
3位:血管を拡張するためのステント留置です。
消化管内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 170 | 1.69 | 7.61 | 0.59 | 65.06 | |
K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 29 | 10.79 | 22.83 | 17.24 | 62.10 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | 19 | 15.32 | 20.84 | 0.00 | 64.95 | |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 15 | 6.27 | 12.07 | 0.00 | 59.47 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 14 | 2.07 | 21.71 | 0.00 | 67.29 |
1位:外来にて患者さんによる自己管理ができるように、抗がん剤の中心静脈のためのポート造設を行っています。
2位:経口摂取不良な患者さんに対して高カロリー輸液注入のための中心静脈ポート設置を行っています。
3位:頭頸部癌や食道癌のために経口摂取不良な患者さんに経管栄養目的に胃瘻を造設するものです。
4位:腹膜転移による大量腹水に対して、症状緩和目的に胸水・腹水濾過濃縮再静注法を行っています。
5位:消化管癌の原発巣からの出血に対して、内視鏡的消化管止血術を行っています。
肝臓・胆のう・膵臓内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 211 | 1.48 | 6.99 | 1.90 | 66.20 | |
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) | 118 | 1.21 | 6.44 | 0.00 | 71.77 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 74 | 0.54 | 8.12 | 0.00 | 61.05 | |
K682-4 | 超音波内視鏡下瘻孔形成術(腹腔内膿瘍) | 40 | 2.10 | 11.33 | 2.50 | 64.75 | |
K697-31 | 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) | 37 | 1.41 | 3.27 | 0.00 | 69.97 |
1位:主に膵癌や胆道癌に対する治療として内視鏡的に胆道にステントを挿入するために入院する患者さんです。
2位:主に肝癌に対する治療として肝動脈塞栓療法等を行うために入院する患者さんです。
3位:主に抗がん剤治療用の埋め込み型カテーテルを設置するために入院する患者さんです。
4位:膿瘍に対して超音波内視鏡ガイド下に、ドレナージを行うために入院する患者さんです。
5位:肝癌に対して超音波ガイド下に穿刺し、モニターしながら焼灼していく治療を行うために入院する患者さんです。
乳腺・腫瘍内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 120 | 2.16 | 6.97 | 1.67 | 53.50 | |
K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 10 | 9.70 | 18.30 | 50.00 | 61.70 | |
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) | - | - | - | - | - | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | - | - | - | - | - | |
K651 | 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 | - | - | - | - | - |
年間10件未満の患者数であった手術については、各集計値を-としています。
抗がん剤を注入するための中心静脈ポート造設が多く、その他高カロリー輸液注入のための中心静脈ポートの設置、術後の出血の際の止血術、術後の腎瘻のための造設、胆管閉塞等に対する胆道ステント留置術を行ったものがあります。
内視鏡内科(消化器)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 378 | 1.03 | 5.48 | 0.00 | 71.90 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 168 | 1.01 | 3.57 | 0.60 | 69.22 | |
K526-22 | 内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) | 146 | 1.01 | 5.16 | 0.00 | 67.97 | |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 95 | 0.98 | 1.36 | 0.00 | 69.09 | |
K526-21 | 内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜切除術) | 88 | 1.00 | 3.17 | 0.00 | 70.75 |
日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会の指導医および専門医である常勤の消化管内視鏡スタッフ医師および検診センターの内視鏡医中心に、通常上部消化管内視鏡検査(食道、胃、十二指腸)、通常下部消化管内視鏡検査(直腸、結腸)を行うと同時に、内視鏡切除を表在食道癌、早期胃癌、大腸腫瘍に対して行っています。また大腸では正確な拡大内視鏡診断に基づいて、ESDとEMR(内視鏡的粘膜切除術)の適応を見極め、最適な治療法を選択するよう心がけています。2cmまでの大腸ポリープや早期癌であれば日帰り治療も可能です。
呼吸器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 282 | 2.18 | 5.80 | 0.00 | 67.73 | |
K514-22 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) | 169 | 1.82 | 3.98 | 0.00 | 67.28 | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 152 | 2.09 | 3.86 | 0.00 | 66.22 | |
K5143 | 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 27 | 2.33 | 9.63 | 3.70 | 63.33 | |
K5042 | 縦隔悪性腫瘍手術(広汎摘出) | 23 | 2.61 | 5.26 | 0.00 | 45.83 |
原発性肺癌に対する標準治療は肺葉切除であることから、肺葉切除が最多であります。われわれは胸腔鏡を併用しながら5-7cmの小開胸下に行う低侵襲肺葉切除を行っており、これによって精密な手術、すなわち徹底したなリンパ節郭清および肺からの空気漏れの修復や止血の確実な施行と、早期社会復帰(短い術後在院日数と低い転院率)を可能としております。また、近年では高性能CTの普及により小型早期肺癌の発見も増えており、これに対する縮小手術(区域切除、部分切除)の積極的な試みも患者への十分な説明の下でなされています。
食道外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K529-21 | 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部の操作) | 125 | 2.83 | 19.09 | 0.80 | 66.62 | |
K5223 | 食道狭窄拡張術(拡張用バルーン) | 12 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 69.17 | |
K5291 | 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術併施)(頸部、胸部、腹部の操作) | - | - | - | - | - | |
K5272 | 食道悪性腫瘍手術(単に切除のみ)(胸部食道) | - | - | - | - | - | |
K529-3 | 縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術 | - | - | - | - | - |
1位 食道悪性腫瘍手術:切除可能食道悪性腫瘍に対する手術を基本に、集学的・低侵襲的外科治療を行っています。さらに非手術の根治的化学放射線療法後の遺残再発に対する救済手術も積極的に行っており、術後在院日数が長くなっています。
2位 吻合部狭窄等の術後難治性後遺症に対する、狭窄部拡張、胃瘻造設等:食道癌手術後の吻合部狭窄、食思不振については一般病院での対応が難しいことが多く、当院で対応することも多いです。
胃外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K655-22 | 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) | 111 | 2.29 | 11.10 | 0.90 | 67.35 | |
K6572 | 胃全摘術(悪性腫瘍手術) | 71 | 3.69 | 17.77 | 0.00 | 68.24 | |
K6552 | 胃切除術(悪性腫瘍手術) | 50 | 3.72 | 14.58 | 0.00 | 69.68 | |
K654-32 | 腹腔鏡下胃局所切除術(その他) | 24 | 2.04 | 6.25 | 0.00 | 57.96 | |
K655-52 | 腹腔鏡下噴門側胃切除術(悪性腫瘍切除術) | 20 | 2.65 | 14.60 | 0.00 | 70.95 |
進行癌の患者さんが多いので、標準治療である開腹手術の割合が高くなっています。日本人の胃癌は、胃中下部に多いので全摘の割合が少ないです。早期胃癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。
大腸外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 114 | 2.70 | 9.78 | 0.88 | 66.32 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 69 | 4.86 | 16.39 | 0.00 | 65.46 | |
K740-22 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) | 65 | 2.46 | 14.71 | 0.00 | 59.72 | |
K7322 | 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う) | 56 | 1.59 | 8.16 | 0.00 | 58.20 | |
K740-21 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) | 23 | 2.26 | 10.48 | 0.00 | 63.52 |
低侵襲手術の普及で、腹腔鏡下手術が近年増加しています。また、結腸癌患者さんの罹患数増加を反映して、結腸癌手術が非常に多くなっています。その場合、腸閉塞状態で入院することも少なくなく、術前の入院日数が少し長くなっています。当院で手術を受ける直腸癌患者さんは、下部直腸癌の方が多く、それでも80%以上の患者さんが肛門温存手術を受けられています。必然的に一時的人工肛門を造設し、その数ヶ月後に行う人工肛門閉鎖術が多くなっています。
肝臓・胆のう・膵臓外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7032 | 膵頭部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術) | 45 | 4.93 | 28.53 | 2.22 | 68.71 | |
K6951 | 肝切除術(部分切除) | 44 | 2.64 | 13.11 | 0.00 | 62.80 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 31 | 1.32 | 8.42 | 0.00 | 71.26 | |
K7021イ | 膵体尾部腫瘍切除術(膵尾部切除術)(脾同時切除) | 23 | 3.52 | 21.35 | 0.00 | 71.30 | |
K7034 | 膵頭部腫瘍切除術(血行再建を伴う腫瘍切除術) | 18 | 6.11 | 26.39 | 0.00 | 70.22 |
膵頭部領域癌症例が当院では近年増加し第1位を占めました。肝細胞癌が減少していますが、、大腸癌の転移性肝癌症例、胆管癌に対する肝切除が増加し、第2位に肝切除となりました。第4位が膵体尾部切除で、他医療機関に比べ当院では比較的頻度が高く、切除可能な膵体部癌が増加したこと、検診で低悪性度の膵腫瘍が発見されたためと思われます。
乳腺外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 284 | 1.32 | 8.54 | 0.00 | 56.81 | |
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 254 | 1.11 | 2.32 | 0.00 | 54.51 | |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない(腋窩部郭清を伴う)) | 125 | 1.16 | 8.23 | 0.00 | 55.94 | |
K4764 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) | 27 | 1.15 | 8.22 | 0.00 | 52.22 | |
K4768 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わない)) | 22 | 1.41 | 9.14 | 0.00 | 45.50 |
1位は全乳房切除術+センチネルリンパ節生検
2位は乳房部分切除+センチネルリンパ節生検
3位は全乳房切除術+腋窩郭清
乳房部分切除例が減ってきているのは、一次乳房再建を選択する患者さんが増えてきているからです。
小児腫瘍科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 45 | 2.73 | 20.60 | 0.00 | 10.47 | |
K9212ロ | 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) | - | - | - | - | - | |
K0531 | 骨悪性腫瘍手術(上腕) | - | - | - | - | - | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | - | - | - | - | - | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | - | - | - | - | - |
1位:主に抗がん剤治療用の埋め込み型カテーテルを設置するために入院する患者さんです。
2位:造血幹細胞採取を行うために入院する患者さんです。
3位:骨肉腫など外科的切除を行うために入院する患者さんです。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0311 | 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術(躯幹) | 125 | 1.92 | 15.55 | 1.61 | 58.02 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 44 | 1.32 | 6.02 | 0.00 | 47.70 | |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩) | 31 | 2.23 | 5.23 | 0.00 | 48.71 | |
K0531 | 骨悪性腫瘍手術(上腕) | 21 | 5.05 | 18.76 | 23.81 | 44.67 | |
K0302 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(手) | 12 | 1.42 | 3.00 | 0.00 | 46.67 |
整形外科では、四肢および体幹の悪性骨軟部腫瘍(肉腫)の診断と治療を行っています。高悪性度腫瘍に対する薬物療法は、骨肉腫やユーイング肉腫に対する補助化学療法のように約1年間の長期に及ぶもの、入院あるいは外来で点滴を繰り返すものが多く、埋め込み型カテーテル(ポート)を設置して、患者さんが少しでも快適に薬物療法を受けられるよう努めています。
良性骨軟部腫瘍あるいは悪性軟部腫瘍の手術では、術後2週間程度で多くの方が退院されますが、遊離筋皮弁などの複合組織移植を併用した場合には、これよりも少し入院期間が長くなります。また、悪性骨腫瘍の手術では人工関節置換術や遊離複合組織移植術が行われることが多く、術後のリハビリテーションもあわせて1ヶ月前後の入院となります。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | 103 | 3.76 | 13.86 | 5.83 | 56.19 | |
K154-3 | 定位脳腫瘍生検術 | 11 | 1.18 | 12.45 | 0.00 | 57.45 | |
K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | - | - | - | - | - | |
K1742 | 水頭症手術(シャント手術) | - | - | - | - | - | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | - | - | - | - | - |
1位:脳原発腫瘍・転移性脳腫瘍 腫瘍摘出術の件数です。術中MRI・覚醒下手術(認定施設)や術中脳波モニタリングを併用して、機能を温存した安全かつ最大限の摘出を行う手術を行っています。
皮膚科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 130 | 0.73 | 10.82 | 0.77 | 65.24 | |
K0071 | 皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除) | 12 | 1.92 | 27.00 | 0.00 | 58.42 | |
K0061 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) | 10 | 0.20 | 6.20 | 0.00 | 63.20 | |
K013-21 | 全層植皮術(25cm2未満) | - | - | - | - | - | |
K0062 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) | - | - | - | - | - |
本集計では入院中に複数の手術を行っていても、主な手術1件のみを対象として集計されています。皮膚腫瘍科で行う全身麻酔下手術のほとんどで一度に複数の手術を行います。2位の皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除)の中には根治的所属リンパ節郭清術が含まれています。
泌尿器・後腹膜腫瘍科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) | 101 | 1.36 | 4.51 | 0.00 | 70.50 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 73 | 2.07 | 9.40 | 0.00 | 68.40 | |
K643 | 後腹膜悪性腫瘍手術 | 40 | 2.73 | 16.75 | 2.50 | 61.10 | |
K773-2 | 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 24 | 2.00 | 8.63 | 0.00 | 68.71 | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | 21 | 0.67 | 15.86 | 9.52 | 70.48 |
一入院中に複数の手術を行っていても、主な手術1件のみを集計対象としています。
1位:膀胱癌に対する内視鏡的切除術(TURBT)が件数としては多くなっています。Second TURや膀胱注入療法など標準治療を施行しており、術後在院日数はやや延長しているかもしれません。
2位:前立腺癌に対する手術はほぼ全例ロボット支援前立腺全摘術を行っています。拡大リンパ節郭清術をほぼ全例で行っていることもあり、在院日数は全国平均よりわずかに延長する傾向があります。
4位:小径腎腫瘍に対して凍結治療が選択されることが多く、腎摘手術・腎部分切除術総数は疾患症例数に比較すると少なくなる傾向があります。腎の手術は腹腔鏡あるいは開腹による手術を行っています。
婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K879 | 子宮悪性腫瘍手術 | 100 | 2.55 | 13.86 | 0.00 | 54.65 | |
K889 | 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) | 88 | 2.64 | 11.26 | 0.00 | 57.00 | |
K877 | 子宮全摘術 | 32 | 2.41 | 9.09 | 0.00 | 52.38 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 19 | 1.05 | 1.16 | 0.00 | 39.37 | |
K8881 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹) | 10 | 2.10 | 8.40 | 0.00 | 56.90 |
1位:子宮頸癌や子宮体癌に対する手術で骨盤リンパ節郭清/生検が含まれます。
2位:卵巣・卵管・腹膜癌に対する手術で、子宮・卵巣・卵管・大網・リンパ節を切除します。
3位:子宮肉腫を疑って子宮を摘出したが良性であった手術が含まれています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2761 | 網膜光凝固術(通常) | 198 | 1.32 | 1.72 | 0.00 | 1.62 | |
K277 | 網膜冷凍凝固術 | 47 | 1.19 | 1.04 | 0.00 | 2.04 | |
K278 | 硝子体注入・吸引術 | 44 | 1.23 | 1.39 | 0.00 | 4.95 | |
K241 | 眼球摘出術 | 23 | 1.09 | 1.57 | 0.00 | 14.91 | |
K234 | 眼窩内腫瘍摘出術(表在性) | - | - | - | - | - |
網膜芽細胞腫の眼球温存のため、腫瘍の状態により網膜光凝固術、網膜冷凍凝固術、硝子体注入・吸引術を複数回行うため、短期間の入院を繰り返すことになります。
眼球摘出は難治性の網膜芽細胞腫、悪性黒色腫で行っており、平均年齢がやや高くなっています。
形成外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K476-4 | ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) | 107 | 0.98 | 4.66 | 0.00 | 49.92 | |
K0171 | 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付き)(乳房再建術) | 10 | 2.20 | 14.20 | 0.00 | 49.80 | |
K0221 | 組織拡張器による再建手術(乳房(再建手術)) | - | - | - | - | - | |
K0022 | デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満) | - | - | - | - | - | |
K0482 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(大腿) | - | - | - | - | - |
乳房全摘後、エキスパンダーでの拡張後にシリコンインプラントへ入れ替える手術の件数です。
本術式の保険適用により、本術式による再建を希望される患者さんが著増しております。
頭頸部外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K374 | 咽頭悪性腫瘍手術 | 75 | 1.25 | 9.15 | 1.33 | 65.48 | |
K395 | 下咽頭悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部等の操作による再建を含む) | 34 | 2.29 | 21.91 | 0.00 | 70.88 | |
K4152 | 舌悪性腫瘍手術(亜全摘) | 24 | 2.58 | 31.63 | 0.00 | 54.88 | |
K4151 | 舌悪性腫瘍手術(切除) | 22 | 0.82 | 6.86 | 0.00 | 57.09 | |
K4691 | 頸部郭清術(片) | 21 | 1.10 | 7.24 | 0.00 | 61.76 |
近年当院では食道癌の患者さんに重複する可能性の高い下咽頭癌の積極的スクリーニングにより、下咽頭癌の患者さんが多く存在していましたが、最近はHPV関連の中咽頭癌の患者数がかなり増加し、結果として咽頭悪性腫瘍手術の全体数が増加しました。
頚部郭清術については、患者数は多くはありませんが、これは頚部郭清術を単独で行った数であり、原発切除と伴に行った場合は含まれておりません。
また舌悪性腫瘍手術は、当院では進行癌も多く、「切除」に加えて「亜全摘」や「下顎骨悪性腫瘍手術」を加えると、実際の患者数はもっと多くなります。
放射線診断科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K773-4 | 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固) | 50 | 1.72 | 3.44 | 0.00 | 68.36 | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | - | - | - | - | - | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | - | - | - | - | - | |
K697-22 | 肝悪性腫瘍マイクロ波凝固法(その他) | - | - | - | - | - | |
K664-2 | 経皮経食道胃管挿入術(PTEG) | - | - | - | - | - |
他科の入院症例に対する治療が多いため、当科での入院症例は多くありません。1位は小径腎癌に対する経皮的凍結療法となっており、低侵襲治療であるため術後日数は短くなっています。2位は悪性腫瘍や出血等に対する血管塞栓術となっています。
放射線治療科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | 19 | 4.11 | 15.00 | 5.26 | 65.11 | |
K007-2 | 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | 11 | 1.09 | 3.18 | 9.09 | 63.64 | |
K637-2 | 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 | - | - | - | - | - | |
K386 | 気管切開術 | - | - | - | - | - | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | - | - | - | - | - |
1位胃瘻造設術は、頭頸部癌放射線治療中の患者の一過性経口摂取困難に対する治療のために行っており、数日で退院することができます。
2位経皮的放射線治療用金属マーカー留置術は、前立腺癌IMRTの際に正確なセットアップによって有害事象を減らすために行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 193 | 1.23 |
異なる | - | - |
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症と手術・処置等合併症のうち入院契機が異なるものについては10件未満のため表示を省略しています。手術・処置等の合併症の内訳としては、乳癌術後の乳房再建、手術や生検後の出血、術後の創部や挿入物からの感染・膿瘍、吻合部の狭窄・閉塞等があげられました。