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令和元年度 国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数 708 573 363 703 1,684 2,714 3,877 4,358 1,178 67

年齢階級別にみると、40歳からの入院が多くなっています。
特に小児患者さんは、繰り返し入院して治療を行う場合や、通常の検査でも鎮静が必要になる場合が多く、退院患者数が増えています。
また、本集計全体の注意点として、治験、先進医療、自費診療等の患者さんが集計からは除外されております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

血液内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:リツキサン(4) 副傷病なし 145 6.32 15.79 1.38% 64.48  
130030xx99x00x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2なし 副傷病なし 105 3.01 9.76 1.90% 65.32  
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2:リツキサン(4) 副傷病なし 43 43.35 31.30 2.33% 62.58  
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 16 55.75 32.20 12.50% 48.94  
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 12 4.92 8.36 8.33% 66.83  

造血器悪性腫瘍の診断・検査・治療は主に外来で行っていますが、リツキシマブを含む一部の治療の導入(初回投与)や、リンパ腫に対する強力な救援療法や急性白血病の治療など骨髄抑制が高度な治療を行う場合、合併症(感染症など)を生じた場合に入院治療となります。治療導入のみの場合には、治療開始から1~数日の経過観察を行った後、早期に退院となります。

造血幹細胞移植科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
130030xx99x00x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2なし 副傷病なし 10 4.20 9.76 0.00% 58.80  
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:リツキサン(4) 副傷病なし - - - - -  
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 その他の手術 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
130010xx99x0xx 急性白血病 手術なし 処置2なし - - - - -  
130010xx97x0xx 急性白血病 手術あり 処置2なし - - - - -  

造血幹細胞移植はDPC対象外です。移植前または移植後の治療入院患者が集計されています。移植後の肺炎など合併症に対する入院治療を行うこともあります。

呼吸器内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし 474 7.58 9.59 0.63% 66.77  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 145 13.36 14.62 14.48% 66.37  
040040xx9903xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) 104 24.38 28.97 0.96% 65.36  
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:アリムタ(7) 副傷病なし 72 8.44 10.50 0.00% 63.44  
040010xx99x30x 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし 56 7.00 9.05 0.00% 59.21  

IV期もしくは術後再発には化学療法、分子標的治療や免疫チェックポイント阻害薬、III期の切除不能症例には化学放射線療法など、患者さんの病状にとって最善の治療を選択しています。オプジーボ、キイトルーダなどの一部高額薬剤を使用した症例はDPC対象外となるため除外されています。

消化管内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし 435 8.54 9.34 0.23% 64.22  
060010xx99x30x 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) 副傷病なし 128 9.29 18.24 0.00% 66.86  
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし 87 7.09 6.39 0.00% 65.87  
03001xxx99x4xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 64 10.08 12.38 0.00% 61.80  
060010xx97x3xx 食道の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法あり放射線療法なし(3) 44 34.52 53.55 11.36% 68.89  

消化管内科で取り扱うがんの化学(放射線)療法では、特に大腸癌や胃癌は外来中心となっており、入院患者におけるDPC集計では、標準治療としての抗がん薬の持続点滴を要する食道癌や頭頸部癌が多くなっています。
食道癌に対して、食道外科・消化器内視鏡科・放射線治療科と共同でのカンファレンスにて個々の患者さんの病態に合わせて治療方針を決定し、早期食道癌に対する内視鏡治療後の化学放射線療法、切除可能症例に対する周術期の化学(放射線)療法、局所進行症例や局所再発症例に対する化学放射線療法および遠隔転移症例に対する化学療法などを行っています。

胃癌に対しても同様に、胃外科・消化器内視鏡科と共同でカンファレンスにて個々の患者様の病態に合わせて治療方針を決定しています。術前後の補助化学療法だけでなく、切除不能・再発例については、有効な薬剤を使いきるように、3次治療以降も化学療法を行うなど、様々な工夫をこらした治療を行っています。

肝臓・胆のう・膵臓内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 処置1:限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 218 3.30 4.80 0.46% 66.12  
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 141 8.81 12.83 2.84% 65.39  
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 135 8.57 9.79 2.22% 69.10  
06007xxx97x6xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術 処置2:5FU+アイソボリン+カンプト/トポテシン+エルプラット(6) 108 10.91 16.65 0.93% 62.22  
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む) 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 98 3.81 9.27 0.00% 66.22  

肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、胆管結石、胆管炎の患者さんに対して、抗がん剤治療や分子標的治療、ラジオ波焼灼療法、内視鏡的胆道ドレナージなどの治療や生検などの検査を行い、患者さんの病状にとって最善の医療を提供しています。

乳腺・腫瘍内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
03001xxx99x4xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 84 6.17 12.38 0.00% 45.85  
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし 76 6.47 4.58 1.32% 56.95  
040010xx99x30x 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし 67 8.52 9.05 0.00% 38.54  
070041xx99x3xx 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法あり放射線療法なし 65 6.82 9.86 0.00% 43.71  
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 44 4.07 6.48 4.55% 57.18  

入院患者さんを対象とした統計です。現在、ほとんどの化学療法は外来で行われていますが、婦人科がん(卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌等)の術後化学療法や再発時の化学療法は入院で行われることがあります。さらに、胚細胞腫瘍や軟部肉腫などの稀少がんは入院で化学療法が行われることが多いです。頭頚部悪性腫瘍が1位になっているのは、頭頚部原発の悪性軟部肉腫の患者さんが多かったためです。

内視鏡内科(消化器)

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 処置2なし 357 7.24 8.27 0.00% 70.29  
060010xx02x00x 食道の悪性腫瘍 内視鏡的食道粘膜切除術等 処置2なし 副傷病なし 219 6.75 8.78 0.00% 67.94  
060035xx03xxxx 結腸の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 131 5.44 6.98 0.00% 68.50  
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 73 3.77 2.63 0.00% 65.90  
060040xx04xxxx 直腸肛門の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 59 4.88 6.90 0.00% 63.02  

日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会の指導医および専門医である常勤の消化管内視鏡スタッフおよび検診センターの内視鏡医を中心に、通常上部消化管内視鏡検査(食道、胃十二指腸)、通常下部消化管内視鏡検査(直腸、結腸)を行うと同時に、内視鏡切除を表在食道癌、早期胃癌、大腸腫瘍に対して行っています。なおESDでは他の大学病院などで治療困難例の紹介も多くなっており、遺残再発例や腫瘍径が大きく通常内視鏡治療が困難な症例に対しても積極的かつ慎重に内視鏡治療の適応を検討しています。
大腸では拡大内視鏡診断に基づいて、ESDとEMR(内視鏡的粘膜切除術)の適応を見極め、最適な治療法を選択をするよう心掛けており、2cmまでの大腸ポリープや早期癌であれば日帰り治療も可能です。

呼吸器外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 741 7.60 11.51 0.40% 67.05  
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 処置2なし 35 7.11 9.75 0.00% 52.49  
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 26 6.77 9.26 0.00% 59.15  
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1:気管支ファイバースコピー等 処置2なし 25 3.52 3.34 4.00% 74.60  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 19 6.74 14.62 0.00% 75.21  

病院の性質上、他院に比べて肺悪性腫瘍(原発性肺癌および転移性肺腫瘍)手術の比率が非常に高く、これに特化した診療科であることが第1の特長です。第2の特長として平均在院日数が他院のそれと比べて大幅に短いことが挙げられます。これは、われわれが標準としている胸腔鏡を併用しながら5-7cmの小開胸下に行う低侵襲手術法の最大の利点であります。すなわち胸腔鏡だけに頼らず直視も併用することで精密な手術(徹底したなリンパ節郭清および肺からの空気漏れの修復や止血を確実に行うことなど)が可能であり、かつ小さい開胸で筋肉や肋骨も温存されることから早期帰宅、社会復帰が可能となっています。

食道外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060010xx01x1xx 食道の悪性腫瘍 食道悪性腫瘍手術等 処置2:人工腎臓等(1) 151 21.79 36.09 1.32% 66.34  
060010xx97x1xx 食道の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:人工腎臓等(1) 14 31.43 34.71 0.00% 74.86  
060010xx99x00x 食道の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 12 5.92 10.86 8.33% 66.00  
060010xx97x00x 食道の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
060010xx01x0xx 食道の悪性腫瘍 食道悪性腫瘍手術等 処置2なし - - - - -  

1位:食道がんに対して、年間151例と非常に多くの症例を手術しています。胸腔鏡下食道切除術を基本術式としており、周術期治療成績は安定しており平均在院日数は21日と非常に短期間に退院をすることが出来ます。
2位:80歳以上の超高齢者などに高度侵襲手術である食道切除再建術を行うと術後の社会復帰が困難になるので、切除と再建を分けて侵襲を分割する2期分割手術を適応しています。超高齢者に行っていますが、転院率は0%と全員元気に自宅に退院し社会復帰を果たしています。
3位:術後外来での状態が悪い方に関しても、入院治療が必要であれば入院して頂き全身状態を整え症状を緩和する治療を行っています。

胃外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060020xx02x00x 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 201 13.15 16.12 1.99% 67.33  
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 処置2なし 53 16.08 19.31 3.77% 67.98  
060020xx99x00x 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 31 8.13 10.79 12.90% 67.29  
060020xx97x00x 胃の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
060020xx02x10x 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 処置2:中心静脈注射等(1) 副傷病なし - - - - -  

いずれも胃癌に対する手術・検査です。
第2位となる「胃全摘術」には、他院では手術が難しい高度進行胃癌が多く含まれています。術前化学療法後の大動脈周囲リンパ節郭清や下縦郭郭清、他臓器合併切除なども積極的に行っています。第3位の「手術なし」の多くは、審査腹腔鏡検査を行っている症例です。化学療法を行う前の進行度診断を行っています。
第1位の「胃切除術」には、早期胃癌に対する腹腔鏡手術が多く含まれています。腹腔鏡下またはロボット支援下に、幽門側胃切除術のほか、噴門側胃切除術や幽門温存胃切除術など、胃の機能を温存する手術を積極的に行っています。

大腸外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060035xx01000x 結腸の悪性腫瘍 結腸切除術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 157 11.88 15.02 0.00% 64.91  
060040xx02000x 直腸肛門の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 93 13.03 15.48 0.00% 59.33  
060040xx03xx0x 直腸肛門の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術等 副傷病なし 45 9.64 12.59 0.00% 65.13  
060040xx0210xx 直腸肛門の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 処置1:腸瘻、虫垂瘻造設術等 処置2なし 44 25.48 24.81 0.00% 61.59  
060035xx01001x 腸の悪性腫瘍 結腸切除術 結腸切除術等 処置1なし 処置2なし 副傷病あり 19 17.95 22.75 5.26% 71.26  

最近の大腸癌患者さんの中でも結腸癌患者さんの罹患数増加を反映して、結腸癌手術が非常に多くなっています。結腸癌手術では80%以上が腹腔鏡手術になってきています。直腸癌も結腸癌と同様に多く、通常の開腹術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術などのアプローチを、癌の部位と進行度に応じて的確に使い分け、合併症を最小限に抑えています。更に、巨大な直腸癌患者さんの御紹介が多く、そのため骨盤内臓全摘術などの高難度手術後は他よりも在院日数が長くなっています。また、超高齢者の結腸癌患者さんでは、併存症のために転院するケースがあります。

肝臓・胆のう・膵臓外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
06007xxx011x0x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 処置1:限局性腹腔膿瘍手術等 副傷病なし 89 29.84 36.51 0.00% 67.92  
060050xx02x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝切除術 部分切除等 処置2なし 副傷病なし 63 14.16 13.74 0.00% 65.25  
06007xxx010x0x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 処置1なし 副傷病なし 59 25.07 25.77 0.00% 63.39  
060060xx97100x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他手術あり 内視鏡的胆道ステント留置術等 処置2なし 25 10.96 14.49 4.00% 73.48  
060050xx01x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝切除術 2区域切除以上等 処置2なし 副傷病なし 24 15.96 16.57 0.00% 70.71  

1位:膵切除術(部分切除・全摘)、膵管空腸吻合、門脈などの血管合併切除再建術を行うもので、在院期間が長くなっています。
2位:肝切除術(部分切除~1区域切除)を行うもので、肝臓癌は減少傾向であり、転移性肝癌や胆管癌に対する肝切除が増加しています。
3位:膵切除術(部分切除・全摘)を行うもので、1位と同様で膵頭十二指腸切除の症例が多いため在院期間が長くなっています。

胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌、十二指腸癌も膵頭十二指腸切除、あるいは胆嚢癌悪性手術、拡大肝葉切除尾状葉切除を施行していますが疾患ごとの頻度は多くありません。

乳腺外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術等 処置2なし 386 10.43 10.34 0.00% 55.01  
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 処置2なし 210 4.24 6.10 0.00% 56.40  
070041xx97x00x 軟部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
090010xx99x00x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし - - - - -  

患者数1位と2位は、乳癌の悪性腫瘍手術を行うDPC分類となっています。1位は全乳房の切除で腋窩リンパ節郭清を行わずセンチネルリンパ節生検を行う分類で、形成外科と協力して同時に乳房再建を行う症例が含まれております。2位は乳房部分切除で腋窩リンパ節郭清を行わずセンチネルリンパ節生検を行う分類で、手術の低侵襲化により手術後の回復が早くなっております。

小児腫瘍科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
070041xx99x3xx 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 73 7.52 9.86 0.00% 15.00  
020040xx99x1xx 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2:化学療法等 50 4.42 7.76 0.00% 1.78  
020040xx99x0xx 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2なし 42 2.07 2.32 0.00% 2.26  
100180xx97x1xx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法等 41 6.56 31.95 0.00% 7.24  
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 処置1なし 副傷病なし 38 5.63 6.24 0.00% 7.63  

小児のすべての悪性腫瘍(小児がん)に対しての治療を行っています。小児にはめずらしい腫瘍であっても、生検から病理診断までを迅速に行うことが可能です。1コースごとに退院、治療ごとに再入院となるため、1回1回の在院期間は短期間での治療が可能です。
骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫をはじめとする骨や軟部組織にできる腫瘍は骨軟部腫瘍科、網膜芽細胞腫は眼腫瘍科、神経芽腫などの小児固形腫瘍は小児腫瘍外科、また、放射線治療科や院内各科と連携し、化学療法、手術、放射線治療などの集学的治療を行っています。再発後などの難治の患者さんには臨床試験や治験参加による未承認薬での治療なども可能であり、患者さんの病状に合わせての治療選択が可能です。院内には高等部まである墨東特別支援学校分教室もありますので、高校生でも治療しながらの学習が可能です。

なお、上記のDPCの集計では、対象外の薬剤を使用した患者さんは含まれておりません。

整形外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
070041xx01x00x 軟部の悪性腫瘍 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術 処置2なし 副傷病なし 90 17.58 16.80 0.00% 56.01  
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 処置1なし 副傷病なし 57 7.54 5.41 0.00% 49.88  
070041xx99x5xx 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:ヨンデリス(5) 47 4.30 5.29 0.00% 52.32  
070041xx99x0xx 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 44 4.61 7.82 2.27% 59.57  
070041xx99x3xx 軟部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 39 8.46 9.86 0.00% 48.79  

整形外科(骨軟部腫瘍・リハビリテーション科)では、四肢および体幹の悪性骨軟部腫瘍(肉腫)の診断と治療を主に行っていますが、骨巨細胞腫、デスモイドなど良性であっても再発しやすいもの、機能障害を生じやすいものなど、一般の病院では治療の難しい良性骨軟部腫瘍も積極的に受け入れて治療を行っています。良性腫瘍に対しては、周囲の組織をできるだけ傷つけない辺縁切除術や掻爬術を、悪性腫瘍に対しては、再発を生じさせないような広範切除を行っています。骨肉腫やユーイング肉腫などの高悪性度腫瘍に対しては手術前後の化学療法(補助化学療法)や放射線治療を併用して、再発や転移のリスクを下げるとともに、より良い機能が得られるよう努めています。再発や転移のため腫瘍の切除が困難な場合には、化学療法や分子標的薬を用いた薬物療法によって、患者さんがより良いQOLを保った状態で腫瘍コントロールが得られるよう小児腫瘍科や乳腺・腫瘍内科、放射線治療科等と協力して集学的治療を行っています。

脳神経外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし 94 14.18 21.14 3.19% 56.40  
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2:リツキシマブ(4) 副傷病なし 38 8.50 15.79 0.00% 64.21  
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 21 7.14 11.27 23.81% 56.33  
010010xx9908xx 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:テモダール内服等(8) 20 11.90 35.46 5.00% 57.20  
010010xx9905xx 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法あり放射線療法なし 16 4.31 14.37 0.00% 41.31  

当科は、覚醒下手術・術中MRI・電気生理学的モニタリングを併用した悪性脳腫瘍摘出術や悪性脳腫瘍に対する放射線・化学療法が特徴です。悪性脳腫瘍の患者さんが、早く社会復帰するように、可能な限り手術後には早期に退院し、外来で放射線や化学療法を行っています。DPCではこのような元気に外来治療できる患者さんは、「脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし」と表示されます。また再発した患者さんに対して、様々な化学療法・臨床試験(治験)を行っています。また本集計では、悪性神経膠腫(グリオーマ)に対するアバスチン、アラベル等DPC対象外となる薬剤を使用する患者さんが非常に多く、これらの高額薬剤を使用した患者さんは集計対象外となっています。

皮膚科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 85 9.31 7.90 0.00% 65.12  
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 52 13.33 12.62 0.00% 57.63  
080005xx99x0xx 黒色腫 手術なし 処置2なし 23 13.96 13.22 4.35% 56.17  
070041xx97x00x 軟部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 15 12.33 9.4 0.00% 67.87  
080005xx99x1xx 黒色腫 手術なし 処置2:インターフェロン等(1) 14 9.43 12.87 7.14% 67.86  

皮膚腫瘍科ではオプジーボ、キイトルーダ、ヤーボイなど高額薬剤を使用した患者さんが非常に多いのですが、DPC対象外であるため本集計ではカウントされておりません。
2位の黒色腫の切除につきまして、当科は進行例や他施設で初回切除を受けた上での再発や転移例が多いため、侵襲の大きい手術や複雑な手術が必要となり、平均在院日数が長くなる傾向にあります。
4位の軟部の悪性腫瘍はほとんどが表在性の肉腫であり、希少がんといわれる肉腫の中のさらにその一部です。

泌尿器・後腹膜腫瘍科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし 88 6.97 7.07 0.00% 69.52  
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 87 12.70 12.18 0.00% 66.46  
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 処置2:化学療法(2) 副傷病なし 65 9.15 10.65 1.54% 68.82  
060030xx01x1xx 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 小腸切除術等 処置2:中心静脈注射等(1) 39 22.10 31.04 0.00% 60.51  
060030xx99x3xx 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法あり放射線療法なし(3) 30 6.97 7.15 0.00% 54.53  

膀胱癌に対する化学療法は、全身状態や腎機能に応じて数種類のレジメンを使い分けています。通院での化学療法も取り入れています。
希少癌である後腹膜悪性腫瘍に対する手術や抗がん剤治療を多数実施しています。手術においては腸管や他臓器の合併切除が必要な場合が多々あり、在院日数が長くなっています。前立腺癌に対する手術は開腹手術の既往があってもほぼ全例ロボット支援前立腺全摘術を行っています。

婦人科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 処置2なし 91 14.87 12.29 0.00% 55.21  
120010xx01x0xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等 処置2なし 71 14.46 12.83 0.00% 54.76  
060030xx97x00x 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 20 13.20 10.97 0.00% 61.85  
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 処置2なし 17 3.00 3.13 0.00% 39.35  
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。)開腹によるもの等 14 11.93 10.11 0.00% 54.29  

1位:子宮頸癌や子宮体癌の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
2位:卵巣・卵管・腹膜癌の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
3位:下部消化管などに転移した癌の手術治療を行うための入院例です。
4位:子宮頸部上皮内癌などの患者さんが手術治療を受けるための入院例です。
5位:卵巣の良性腫瘍の患者さんが手術治療を受けるための入院例です。

眼科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
020040xx97x0xx 網膜芽細胞腫 その他の手術 処置2なし 301 3.74 4.10 0.00% 1.98  
020040xx99x0xx 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2なし 30 2.90 2.32 0.00% 2.23  
020040xx97x1xx 網膜芽細胞腫 その他の手術 処置2:化学療法等 10 4.80 18.80 0.00% 2.40  
02001xxx97x0xx 角膜・眼及び付属器の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし - - - - -  
020040xx99x1xx 網膜芽細胞腫 手術なし 処置2:化学療法等 - - - - -  

1位:網膜芽細胞腫 眼球温存治療(網膜光凝固術など)もしくは眼球摘出
2位:網膜芽細胞腫 全身麻酔眼底検査など
3位:網膜芽細胞腫 眼球温存治療(局所化学療法)
4位:結膜、眼瞼、眼窩などの悪性腫瘍に対する切除手術
5位:網膜芽細胞腫 化学療法など

網膜芽細胞腫が大部分を占め、その中でも全身麻酔で行う眼球温存治療(網膜光凝固など)が大半を占めています。
詳細な眼底検査のためには乳幼児の場合、全身麻酔下に行う必要があり、この件数も多くなっています。

頭頸部外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 226 9.73 13.11 1.33% 65.04  
03001xxx0110xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1:分層植皮術等 処置2なし 87 23.46 27.04 2.30% 65.83  
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) 79 8.00 33.17 0.00% 58.32  
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 処置1なし 28 7.82 8.44 0.00% 60.00  
03001xxx97x00x 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 21 8.90 10.05 4.76% 64.05  

1位については、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌などの疾患で、原発手術や頸部郭清術を行った患者さんが対象になっていますので、1週間から10日間程度の在院日数になりますが、中には喉頭全摘などで在院日数が少し長くなる患者さんが含まれています。
2位については、原発切除に再建手術が加わるような患者さんが対象になっていますが、当院では拡大切除に伴い複雑な再建を行う症例や、放射線治療後の救済手術の症例の割合が他院と比較して高いため、術後の合併症の頻度も高くなる傾向にあります。
3位については、当院で行う化学放射線療法は、シスプラチンの観察が終わったところで退院し、次回のシスプラチン投与までは外来通院で放射線治療を行っております。

放射線診断科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 処置2なし 54 6.72 11.14 0.00% 68.69  
11001xxx99x0xx 腎腫瘍 手術なし 処置2なし - - - - -  
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし 副傷病なし - - - - -  
060050xx0300xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法等 処置1なし 処置2なし - - - - -  
070520xx99xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 手術なし - - - - -  

主に、他科で入院している患者さんの治療を依頼される診療科であるため、当科での入院患者さんは当科で治療を完結する疾患ならびに他院からの直接紹介などに限られています。

放射線治療科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法あり(3) 90 7.00 33.17 1.11% 59.70  
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置2:I131内用療法(2) 28 5.61 6.31 0.00% 65.39  
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1:前立腺針生検法 副傷病なし 17 3.18 2.49 0.00% 66.06  
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法なし放射線療養あり(2) 16 8.81 32.25 12.50% 66.50  
12002xxx97x2xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 その他の手術 処置2:化学療法なし放射線療養あり(2) 14 8.00 36.79 21.43% 53.14  

頭頸部癌(上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌など)に対して根治を目的とした化学療法+放射線治療が最多となっています。管状の放射性同位元素を放射線源として、癌に直接挿入したり埋め込んだりして治療する小線源治療や、放射線同位元素を注射で体内に入れ病巣に集中的に取り込ませ放射線を出させることにより治療するアイソトープの治療の件数も多くなっています。できる限り外来治療ができるように配慮していますので入院日数は少なくなっております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

 初発再発病期分類
基準(注)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌 481 64 64 142 65 171 1 8
大腸癌 194 120 138 188 48 208 1 8
乳癌 232 229 52 14 11 112 1 8
肺癌 566 128 288 467 27 546 1 8
肝癌 20 28 25 24 25 168 1 8

注 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

5大癌に関する特徴として、胃癌は早期癌が最も多くなっています。
大腸癌はStageIが最も多くなっており、次にStageIVが多くなっております。乳癌はStageI、IIが全体の大半を占めています。
肺癌はStageI、進行癌の頻度が多くなっています。肝癌に関してはStageのばらつきが少ないです。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

 患者数平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 12.42 53.67
中等症 16 14.19 66.88
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -

当院の症例では中等症の割合が最も多く、全体の半数以上を占めています。
癌の治療中に発症した肺炎は、重症度スコアが低い場合でも入院加療となる場合が多くなっています。

脳梗塞の患者数等

発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
- - - - -

年間患者数が10件未満のため、各集計値の表示を-としています。
意識消失等の症状があり、癌の脳転移を疑う場合に入院し診断した結果脳梗塞であった場合や、入院中に脳梗塞を発症する場合がありますが、当院は脳梗塞の治療の専門施設ではありませんので、転院して治療いただく場合が多くなっています。癌が末期の場合、そのまま亡くなる患者さんも少なくありません。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

血液内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 19 29.74 22.47 0.00% 50.68  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -  
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -  
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -  

自家造血幹細胞移植を予定する患者さんに化学療法後に幹細胞を採取する処置です。

呼吸器内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 17 2.41 10.41 5.88% 68.06  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -  
K508-22 気管・気管支ステント留置術(軟性鏡) - - - - -  
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -  

年間10件未満の患者数であった手術については、各集計値を-と記載しています。
1位:抗がん剤の中心静脈投与のためのポート造設です。
2位:胆管炎等の際に胆道を拡張するためのステント留置です。
3位:経口摂取不良な患者さんに経管栄養目的に胃瘻を造設するものです。

消化管内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 184 2.17 9.34 2.72% 62.58  
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他 39 9.08 25.95 17.95% 65.31  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 28 3.93 15.32 14.29% 64.14  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 25 12.68 19.24 4.00% 69.28  
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 24 6.13 12.79 16.67% 61.29  

1位:外来にて患者さんによる自己管理ができるように、抗がん剤投与のための中心静脈カテーテル用のポート造設を行っています。
2位:経口摂取不良な患者さんに対して高カロリー輸液注入のための中心静脈ポート設置を行っています。
3位:閉塞性黄疸等に対して、体外につなげるtubeなしで胆汁排泄経路を確保するためにステントを留置しています。
4位:頭頸部癌や食道癌のために経口摂取不良な患者さんに経管栄養目的に胃瘻を造設しています。
5位:腹膜転移による大量腹水に対して、症状緩和目的に胸水・腹水濾過濃縮再静注法を行っています。

肝臓・胆のう・膵臓内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 249 1.31 6.46 2.41% 66.81  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 133 0.89 7.68 0.75% 63.71  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 72 1.07 5.83 1.39% 73.46  
K682-4 超音波内視鏡下瘻孔形成術(腹腔内膿瘍) 46 2.17 11.22 2.17% 69.26  
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 36 2.42 7.86 5.56% 62.94  

1位:主に膵癌や胆道癌に対する治療として内視鏡的に胆道にステントを挿入するために入院する患者さんです。
2位:主に抗がん剤治療用の埋め込み型カテーテルを設置するために入院する患者さんです。
3位:主に肝癌に対する治療として肝動脈塞栓療法等を行うために入院する患者さんです。
4位:膿瘍に対して超音波内視鏡ガイド下に、ドレナージを行うために入院する患者さんです。
5位:十二指腸狭窄に対して内視鏡的に十二指腸にステントを挿入するために入院する患者さんです。

乳腺・腫瘍内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 109 1.73 8.07 1.83% 49.14  
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 15 9.93 15.13 13.33% 54.00  
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - - - - -  
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -  

年間10件未満の患者数であった手術については、各集計値を-としています。
抗がん剤を注入するための中心静脈ポート造設が多く、その他高カロリー輸液注入のための中心静脈ポートの設置、術後の出血の際の止血術、術後の腎瘻のための造設、胆管閉塞等に対する胆道ステント留置術を行ったものがあります。

内視鏡内科(消化器)

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 337 1.01 5.23 0.00% 70.82  
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 186 1.00 3.33 0.00% 66.78  
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) 148 1.01 5.24 0.00% 66.99  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 74 0.91 1.61 0.00% 69.93  
K526-21 内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜切除術) 66 0.98 3.14 0.00% 69.56  

日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会の指導医および専門医である常勤の消化管内視鏡スタッフ医師および検診センターの内視鏡医中心に、通常上部消化管内視鏡検査(食道、胃、十二指腸)、通常下部消化管内視鏡検査(直腸、結腸)を行うと同時に、内視鏡切除を表在食道癌、早期胃癌、大腸腫瘍(腺腫・早期癌)に対して行っています。また大腸では正確な拡大内視鏡診断に基づいて、ESDとEMR(内視鏡的粘膜切除術)の適応を見極め、最適な治療法を選択するよう心がけています。2cmまでの大腸ポリープや早期癌であれば日帰り治療も可能です。最近ではAIを用いた内視鏡診断にも力を入れています。

呼吸器外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 330 1.88 5.25 0.30% 67.57  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 210 1.79 4.21 0.95% 67.90  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 165 1.79 3.59 0.00% 64.36  
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) 27 1.89 3.85 0.00% 60.96  
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 20 2.35 6.60 0.00% 67.70  

原発性肺癌に対する標準治療は肺葉切除であることから、肺葉切除が最多であります。われわれは胸腔鏡を併用しながら5-7cmの小開胸下に行う低侵襲肺葉切除を行っており、これによって精密な手術、すなわち徹底したなリンパ節郭清および肺からの空気漏れの修復や止血の確実な施行と、早期社会復帰(短い術後在院日数と低い転院率)を可能としております。また、近年では高性能CTの普及により小型早期肺癌の発見も増えており、これに対する縮小手術(区域切除、部分切除)の積極的な試みも患者への十分な説明の下でなされています。

食道外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部の操作) 等 128 2.58 16.26 0.78% 65.24  
K5312 食道切除後2次的再建術(消化管利用) 10 8.80 26.20 0.00% 78.40  
K5272 食道悪性腫瘍手術(単に切除のみ)(胸部食道) - - - - -  
K5271 食道悪性腫瘍手術(単に切除のみ)(頸部食道) - - - - -  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -  

1位 食道がんに対して、胸腔鏡下食道切除術を基本術式としており、周術期治療成績は安定しており術後の平均在院日数は16日と非常に短期間に退院をすることが出来ます。
2位 80歳以上の超高齢者などに高度侵襲手術である食道切除再建術を行うと術後の社会復帰が困難になるので、切除と再建を分けて侵襲を分割する2期分割手術を適応しています。超高齢者に行っていますが、転院率は0%と全員元気に自宅に退院し社会復帰を果たしています。

胃外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 93 2.26 10.30 1.08% 66.90  
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 58 4.47 10.88 5.17% 69.64  
K6572 胃全摘術(悪性腫瘍手術) 41 2.41 15.41 4.88% 69.17  
K654-32 腹腔鏡下胃局所切除術(その他) 25 2.16 6.40 0.00% 63.28  
K655-52 腹腔鏡下噴門側胃切除術(悪性腫瘍切除術) 等 25 2.52 10.28 0.00% 68.44  

高度進行癌の患者さんでは開腹となります。術前化学療法後の大動脈周囲リンパ節郭清や下縦郭郭清、他臓器合併切除など、他院では難しい手術も行っています。一方、早期の胃癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。

大腸外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 144 2.96 8.64 0.00% 65.95  
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) 等 97 2.55 14.22 0.00% 59.40  
K7322 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う) 61 1.54 9.56 0.00% 63.69  
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 49 6.59 13.27 2.04% 64.76  
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) 等 25 4.40 9.24 0.00% 60.36  

低侵襲手術の普及で、腹腔鏡下手術が近年増加しています。また、結腸癌患者さんの罹患数増加を反映して、結腸癌手術が非常に多くなっています。その場合、腸閉塞状態で入院することも少なくなく、術前の入院日数が少し長くなっています。当院で手術を受ける直腸癌患者さんは、下部直腸癌の方が多く、それでも80%以上の患者さんが肛門温存手術を受けられています。必然的に一時的人工肛門を造設し、その数ヶ月後に行う人工肛門閉鎖術が多くなっています。

肝臓・胆のう・膵臓外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K7032 膵頭部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術) 69 3.28 28.59 0.00% 67.23  
K6951 肝切除術(部分切除) 31 3.06 12.68 0.00% 65.58  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 28 2.54 7.54 0.00% 70.46  
K7022 膵体尾部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術) 27 2.70 23.11 3.70% 69.26  
K6955 肝切除術(2区域切除) 27 2.81 13.37 0.00% 68.63  

膵頭部領域癌症例が当科では一番多く、近年さらに増加しています。肝細胞癌は減少していますが、大腸癌の肝転移、胆管癌に対する肝切除は増加しており、肝部分切除が2番目に、肝2区域切除が4番目に多いです。膵体尾部切除は他医療機関に比べて割合が多いですが、切除可能な膵体部癌が増加したこと、検診で低悪性度の膵腫瘍が発見されることが多くなったためと思われます。

乳腺外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 227 1.24 8.18 0.00% 55.95  
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 210 1.05 2.20 0.00% 56.40  
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 104 1.12 8.16 0.00% 54.78  
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わない)) 22 1.45 8.95 0.00% 47.82  
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) 16 1.00 7.94 0.00% 50.94  

1位は全乳房切除術+センチネルリンパ節生検
2位は乳房部分切除+センチネルリンパ節生検
3位は全乳房切除術+腋窩郭清
乳房部分切除例が減ってきているのは、一次乳房再建を選択する患者さんが増えてきているからです。

小児腫瘍科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 48 2.50 17.48 0.00% 10.52  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) - - - - -  
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -  
K5111 肺切除術(楔状部分切除) - - - - -  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -  

1位:主に抗がん剤治療用の埋め込み型カテーテルを設置するために入院する患者さんです。そのまま化学療法に入ることが多いため、術後在院日数は化学療法を合わせた日数が反映されています。
2位:肺がんにおいて外科的切除を行うために入院する患者さんです。
3位:造血幹細胞採取を行うために入院する患者さんです。

整形外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0311 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術(大腿) 等 107 2.19 16.85 1.87% 57.42  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 39 0.59 6.26 0.00% 51.13  
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩) 等 37 1.92 5.05 0.00% 56.24  
K0302 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(手) 等 14 1.57 3.14 0.00% 45.43  
K136 骨盤悪性腫瘍手術 13 3.23 32.31 23.08% 49.38  

整形外科(骨軟部腫瘍・リハビリテーション科)では、四肢および体幹の骨軟部腫瘍(肉腫)の診断と治療を行っています。高悪性度腫瘍に対する薬物療法は、骨肉腫やユーイング肉腫に対する補助化学療法のように約1年間の長期に及ぶもの、入院あるいは外来で点滴を繰り返すものが多く、埋め込み型カテーテル(ポート)を設置して、患者さんが少しでも安全かつ快適に薬物療法を受けられるよう努めています。
良性骨軟部腫瘍の手術では術後1週間程度、悪性軟部腫瘍の手術では、術後2週間程度で多くの方が退院されますが、遊離筋皮弁などの複合組織移植を併用した場合には、これよりも少し入院期間が長くなります。また、悪性骨腫瘍の手術では人工関節置換術や遊離複合組織移植術が行われることが多く、術後のリハビリテーションもあわせて1ヶ月前後の入院となります。

脳神経外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 124 4.02 12.84 4.84% 57.51  
K154-3 定位脳腫瘍生検術 19 3.00 20.21 15.79% 68.37  
K1741 水頭症手術(脳室穿破術)(神経内視鏡手術による) - - - - -  
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -  
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -  

1位:グリオーマなどの脳原発悪性腫瘍・転移性脳腫瘍の腫瘍摘出術の件数です。術中MRI・覚醒下手術(認定施設)や術中脳波モニタリングを併用して、機能を温存した安全かつ最大限の摘出を行う手術を行っています。

皮膚科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 142 0.73 8.13 0.00% 64.28  
K0071 皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除) 11 1.45 22.55 0.00% 59.00  
K6274 リンパ節群郭清術(腋窩) - - - - -  
K0842 四肢切断術(指) - - - - -  
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -  

皮膚腫瘍科は他施設に比べ全身麻酔下手術が多く、そのほとんどで一度に複数箇所に対して複数の術式の手術を行います。本集計では1例ごとに複数の手術を行っていても、主な手術1件のみを対象として集計されています。また2位の皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除)の中には必ず所属リンパ節郭清術が含まれています。

泌尿器・後腹膜腫瘍科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 105 1.31 5.03 0.00% 69.66  
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 85 2.15 9.42 0.00% 66.65  
K643 後腹膜悪性腫瘍手術 40 2.98 17.45 0.00% 61.23  
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 20 1.90 8.55 0.00% 66.80  
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 20 0.55 13.30 0.00% 63.85  

一入院中に複数の手術を行っていても、主な手術1件のみを集計対象としています。
1位:膀胱癌に対する内視鏡的切除術(TURBT)が件数としては多くなっています。Second TURや膀胱注入療法など標準治療を施行しており、術後在院日数はやや延長しているかもしれません。
2位:前立腺癌に対する手術はほぼ全例ロボット支援前立腺全摘術を行っています。拡大リンパ節郭清術をほぼ全例で行っていることもあり、在院日数は全国平均よりわずかに延長する傾向があります。
3位 : 本来は希少がんである後腹膜悪性腫瘍ですが、当科では多くの手術を実施しています。腸管などの合併切除などが必要な場合が多々あり入院期間が長い傾向にあります
4位:小径腎腫瘍に対して凍結治療が選択されることが多く、腎摘手術術・腎部分切除術総数は疾患症例数に比較すると少なくなる傾向があります。腎の手術は可能な場合には腹腔鏡による手術を行っています。

婦人科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 93 2.46 11.19 0.00% 57.13  
K879 子宮悪性腫瘍手術 76 2.05 12.49 0.00% 55.47  
K877 子宮全摘術 18 1.83 8.56 0.00% 51.17  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 17 1.00 1.00 0.00% 39.35  
K879-2 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る) 等 14 1.21 9.07 0.00% 54.79  

1位:卵巣・卵管・腹膜癌に対する手術で、子宮・卵巣・卵管・大網・リンパ節を切除します。
2位:子宮頸癌や子宮体癌に対する手術で骨盤リンパ節郭清/生検が含まれます。
3位:子宮肉腫を疑って子宮を摘出したが良性であった手術が含まれています。
4位:子宮頸部上皮内癌を疑って子宮頸部を円錐状にくり抜く手術です。
5位:早期子宮体がんに対して腹腔鏡下に行う手術です。

眼科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K2761 網膜光凝固術(通常) 240 1.22 1.68 0.00% 1.58  
K278 硝子体注入・吸引術 29 1.17 1.38 0.00% 3.93  
K277 網膜冷凍凝固術 23 1.17 1.04 0.00% 2.83  
K241 眼球摘出術 19 1.00 1.37 0.00% 5.84  
K234 眼窩内腫瘍摘出術(表在性) - - - - -  

網膜芽細胞腫の眼球温存のため、腫瘍の状態により網膜光凝固術、網膜冷凍凝固術、硝子体注入・吸引術、を複数回行うため、短期間の入院を繰り返すことになります。
眼球摘出は難治性の網膜芽細胞腫、悪性黒色腫で行っており、成人も含まれるため平均年齢がやや高くなっています。

形成外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 29 1.00 3.83 0.00% 48.24  
K0171 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付き)(乳房再建術) 20 2.40 9.40 0.00% 53.30  
K476-32 動脈(皮)・筋(皮)弁を用いた乳房再建術(乳房切除後)(二次的) - - - - -  
K0102 瘢痕拘縮形成手術(その他) - - - - -  
K476-2 再建乳房乳頭形成術 - - - - -  

エキスパンダーでの拡張後にシリコンインプラントへ入れ替える手術の件数ですが、インプラントリコールのため患者数が減少しています。 遊離皮弁による乳房再建術は、2次もしくは2期での再建症例数です。近年は1次1期での遊離皮弁による乳房再建術が増加しています。

頭頸部外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K374 咽頭悪性腫瘍手術 94 1.26 7.04 0.00% 67.16  
K4151 舌悪性腫瘍手術(切除) 40 1.10 7.60 0.00% 64.75  
K395 下咽頭悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部等の操作による再建を含む) 等 33 2.03 20.64 0.00% 68.85  
K4691 頸部郭清術(片) 25 1.04 6.24 0.00% 60.52  
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 17 1.29 5.00 0.00% 56.88  

近年当院では食道癌患者に重複する可能性の高い下咽頭癌の積極的スクリーニングにより、下咽頭癌の患者さんが多く存在していましたが、最近はHPV関連の中咽頭癌の患者数がかなり増加し、結果として咽頭悪性腫瘍手術の全体数が増加しました。
頚部郭清術については、患者数は多くはありませんが、これは頚部郭清術を単独で行った数であり、原発切除と伴に行った場合は含まれておりません。

また舌悪性腫瘍手術は、当院では進行癌も多く、「切除」に加えて「亜全摘」や「下顎骨悪性腫瘍手術」を加えると、実際の患者数はもっと多くなります。

放射線診断科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K773-4 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固) 50 2.18 3.68 0.00% 68.60  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 11 0.91 4.45 0.00% 58.91  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) - - - - -  
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) - - - - -  

他科の入院症例に対する治療が多いため、当科での入院症例は多くありません。1位は小径腎癌に対する経皮的凍結療法となっており、低侵襲治療であるため術後日数は短くなっています。2位は悪性腫瘍や出血等に対する血管塞栓術となっています。

放射線治療科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 15 6.00 10.53 13.33% 69.07  
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -  
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -  
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - - - - -  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 - - - - -  

1位胃瘻造設術は、頭頸部癌放射線治療中の患者の一過性経口摂取困難に対する治療のために行っており、数日で退院することができます。
2位経皮的放射線治療用金属マーカー留置術は前立腺癌IMRTの際、正確なセットアップによって有害事象を減らすために行っています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一 - -
異なる - -
180010敗血症同一 - -
異なる - -
180035その他の真菌感染症同一 - -
異なる - -
180040手術・処置等の合併症同一 121 0.75%
異なる 9 0.06%

播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症と手術・処置等の合併症のうち、症例数が10件未満のものは表示を省略しています。
手術・処置等の合併症の内訳としては、乳癌術後の乳房再建、手術や生検後の出血、術後の創部や挿入物からの感染・膿瘍、吻合部の狭窄・閉塞等があげられました。