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身体への負担治が少ない治療法のご紹介抗がんIVR
このページではIVRセンターで行われる外科的切除を行うことなく、がん細胞を死滅させる治療法を紹介します。
IVRセンターでは患者さんの状態に合わせて身体への負担治が少ない治療法を提案いたします。
抗がんIVRとは
腫瘍に栄養を送る動脈にカテーテルを挿入して塞栓物質を流し虚血に陥らせる「動脈塞栓術」や、特殊な針を腫瘍に刺して焼いたり凍らせたりすることで腫瘍の組織破壊をきたす「アブレーション治療」があります。動脈塞栓術のほか、抗がん剤を注入した後に塞栓する動脈化学塞栓療法を行うこともあります。アブレーション治療にはラジオ波焼灼療法(焼く)と凍結療法(凍らせる)がありますが、病気に合わせて適切な方法を選んで治療しています。
以下のがん種の方に抗がんIVRを行っています。
Check!肝臓がんの治療については国立がん研究センター中央病院・東病院の医師監修のがんの解説の関連ページも紹介します。
肝臓がんに対するIVR
肝動脈化学塞栓療法(TACE)
カテーテルを用いた肝細胞癌に対する治療法です。枝分かれする肝動脈の中から腫瘍を栄養する動脈を選択し、抗癌剤の投与や塞栓を行うことで抗腫瘍効果を発揮します。
選択的に治療を行うことで治療効果を高めるだけでなく、正常な肝臓を温存し治療後の肝機能低下を防ぐことができます。
足の付け根(大腿動脈)や手首(橈骨動脈)から径2ミリメートル程度のカテーテルで治療を行います。治療時間は2~3時間程度です。
効果:治療した腫瘍において50%以上の壊死が得られる割合は、67.5%と報告されています。
合併症:胆汁性嚢胞、肝膿瘍、肝不全、急性胆嚢炎、肝梗塞など
(第22回全国原発性肝癌追跡調査報告による)
- 日本IVR学会 パンフレットのご案内 「肝臓がんに対する動脈塞栓術」(PDF:260 KB)(外部サイトにリンクします)
経皮的ラジオ波凝固療法
皮膚に局所麻酔を行ったのち、特殊な針を腫瘍へ直接刺し、通電により発生した熱により局所的に腫瘍を焼灼する(焼いて死滅させる)治療法です。
部位や大きさにもよりますが、焼灼中は痛みを伴うことが多く、点滴で鎮痛薬や鎮静剤を使用します。治療時間は30~60分程度です。
ラジオ波焼灼療法による合併症
発熱や肝機能障害、焼灼中の疼痛などが挙げられます。稀ですが出血、周囲臓器損傷(消化管や肺など)、胆管狭窄、肝膿瘍/胆汁性嚢胞、神経損傷による疼痛、などの可能性があります。
Check!がんの解説「肝がんの治療について」「穿刺局所療法」に解説があります。
腎臓がんに対する経皮的凍結療法
超高圧のアルゴンガスで体内にマイナス40℃のアイスボール(氷)をつくり、がんを凍結する治療法です。画像を見ながら腫瘍に凍結用の針を刺して腫瘍を凍結、壊死させます。2011年6月の診療報酬改定に伴い、「小径腎がんに対する凍結療法」が保険適用となり、当院でもこれまで多くの患者様の治療を行っています。治療に伴う痛みが少ない治療です。
効果:90%前後の症例で1回の治療により局所制御が得られます。
合併症:出血、感染、周囲臓器損傷など
(Yamanaka T, Yamakado K, Yamada T, Fujimori M, Takaki H, Nakatsuka A, Sakuma H, Sugimura Y. CT-Guided Percutaneous Cryoablation in Renal Cell Carcinoma: Factors Affecting Local Tumor Control. J Vasc Interv Radiol. 2015 Aug;26(8):1147-53.)
凍結療法の仕組み
実際の凍結の様子
- 日本IVR学会 パンフレットのご案内 「腎臓がんに対する凍結療法とは」(PDF:204KB)(外部サイトにリンクします)
肺悪性腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法
- 2022年9月から保険適用となりました。
適応については病変の大きさや個数、部位などを含めて複数の科で検討を行った上で決定しています。原発性肺癌、転移性肺癌いずれも適応となります。
有効性:大腸癌肺転移に対するRAF後の1年、3年、5年生存率はそれぞれ84~95%、35~72%、20~54%、また局所再発率は9~21%%と報告されています。
合併症:気胸、胸水貯留、出血、胸膜炎などの合併症のリスクがあります。
(Lyons NJ, Pathak S, Daniels IR, Spiers A, Smart NJ. Percutaneous management of pulmonary metastases arising from colorectal cancer; a systematic review. Eur J Surg Oncol. 2015 Nov;41(11):1447-55.