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乳房X線検査 (マンモグラフィ)

マンモグラフィとは

マンモグラフィとは、乳房専用のX線撮影のことです。乳房を板で圧迫し、薄く伸ばした状態で撮影します。
乳房全体をくまなく写し出すために、片方の乳房に対して複数の方向(MLO:内外斜位方向とCC:頭尾方向)から圧迫し撮影を行います。
乳房を薄く伸ばすと、正常な乳腺の重なりが少なくなるため、乳房内に腫瘤性の病変があった場合、腫瘤の形状や辺縁が観察しやすくなります。
またマンモグラフィでは、乳房を触ってもしこりがわからないようなタイプの乳がんを、石灰化病変(白い点)として描出するのに優れているといわれています。
マンモグラフィは、特にこの石灰化を見つけることに有用な検査です。

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なぜ乳房を圧迫するのか?

  • 腫瘤と正常な乳腺の重なりが少なくなるため、がんが見つけやすくなります。
  • 乳房全体が均一に広がるため、ムラがなく見やすい画像が得られます。
  • ボケが少なく、鮮明な画像が得られます。
  • 身体や呼吸による動きを防止できます。
  • 被ばくがより抑えられます。

装置の紹介

 

MAMMOMAT.jpg
MAMMOMAT Inspiration
(シーメンスヘルスケア株式会社)

当院で使用しているマンモグラフィの装置は、デジタル処理により乳房内を適正な画質で表示させることができ、診断に適した画像を得ることができます。

X線を作り出す部品の一部であるターゲット/フィルタに、Mo/Mo、Mo/Rh、W/Rhの3通りの組合せを備えています。乳房の中にある乳腺組織の量は個人差が非常に大きく、病変の見つけやすさ・見つけにくさに関係します。この3通りのどれかひとつを使って、個々の乳房にあった組み合わせを選択することにより、より低線量で優れた画像を得ることができます。

また、安全・安心な検査を保障するために、日々装置の動作チェックや画像の確認を欠かさず、定期的な点検も実施し装置の管理を行っています。撮影した画像は院内のネットワークによりサーバーに送られるため、検査室から離れた場所にいる医師も、すぐに画像を確認することが出来ます。

当院ではこの装置を用いて、乳房の断層画像が得られる乳房トモシンセシス撮影や、乳房を圧迫した状態で針を刺して乳腺組織を採取する ステレオガイド下マンモトーム生検も行っています。

検査の流れ・注意事項

受付(4階 放射線診断科受付)

1階受付で発行された計算カードをお出しください。

ご案内

担当技師が更衣室にご案内いたします。その際計算カードをお預かりします。検査時間は15分前後です。

更衣

上半身の衣類はすべて脱ぎ、専用の検査着にお着替えください。メガネやアクセサリー(ネックレス、イヤリング)を外してください。制汗剤やパウダーは、使用しないでください。髪が長い方は後ろで結んでいただきます。いぼ、ほくろ、ご自分で気が付かれたしこり等がありましたら、撮影前に担当技師にお伝えください。

  • マンモグラフィ撮影専用更衣室

    マンモグラフィ撮影専用更衣室

    マンモグラフィ撮影専用ケープ型検査着

    マンモグラフィ撮影専用ケープ型検査着

  • マンモグラフィ専用更衣室内部

    マンモグラフィ専用更衣室内部

 

撮影

一つの乳房に対し、2方向の撮影をおこないます。

呼吸や身体の動きによってブレてしまった画像では正しい診断が困難となるため、撮影の瞬間は息を止めていただく事があります。

確認

医師が診断するのに適した画像が撮影できているか確認をし、追加撮影が必要と判断した場合には、乳房の圧迫方向を変更し拡大撮影等を行います。

検査終了

着換えが終わり次第、次の工程もしくは会計にお進みください。

注意事項・検査を受けられる方へ

  • 食事、その他の特別な制限はありません。
  • 検査の都合や予約時間に遅れて来院した場合、開始時間が若干遅れる場合があります。ご了承ください。
  • 検査時間は15分前後です。
  • 豊胸術施行後の方は、内容物破損の可能性や診断可能な範囲が限られるため必ず申し出てください。問診の上、実施可能か判断します。
  • ペースメーカーの装着やポートの埋め込みをされている方は、撮影時の圧迫により位置がずれることや、リード線に支障を来す恐れがありますので、担当医師の判断のもと検査が可能かどうか確認いたします。担当技師にお伝えください。

当院では検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の認定を受けた診療放射線技師が9名在籍しており、マンモグラフィ検査に携わっています。また、医師・臨床検査技師と共に定期的なカンファレンスをおこない、乳癌に関する知識の習得にも日々励んでおります。

乳房トモシンセシスとは

乳房トモシンセシスは、乳房の断層画像が得られる検査です。マンモグラフィと同様に乳房を圧迫して撮影を行います。マンモグラフィは、病変と周囲の正常組織が重なってしまう欠点がありましたが、乳房トモシンセシスでは、乳房を薄い断面の画像で得ることができます。乳腺内がより観察しやすくなり、乳腺の重なりが少なくなることで正常乳腺と病変との区別がつきやすくなります。

乳房トモシンセシスは、X線が発生するX線管球を移動させながら撮影することにより、薄い断面ごとの撮影が可能となった撮影技術です。X線管球が動いている間は、約40秒間を要し、この間は乳房を挟まれたままとなります。圧迫時間がマンモグラフィに比べて長く、乳房圧迫による痛みを感じることがあります。乳房トモシンセシスでは、マンモグラフィの画像とトモシンセシスの画像が同時に取得できる検査となります。

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    CC(頭尾方向撮影)
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    MLO(内外斜位方向撮影)

マンモグラフィの画像では、乳腺が多く病変を特定することが難しいですが、乳房トモシンセシスの画像で、「左乳房にスピキュラを伴う腫瘤として認める」という診断した症例です。

ステレオガイド下マンモトーム生検とは

マンモトーム生検写真

ステレオガイド下マンモトーム生検とは、組織検査の一つです。

マンモグラフィと同様に乳房を圧迫しながら何度か撮影を繰り返し、病変の位置を特定し病変の位置を確認しながら、乳房に針を刺して乳腺組織を直接吸引採取します。採取した乳腺組織(石灰化)を顕微鏡で詳しく調べることで、乳がんなのかどうかを調べます。

マンモトーム生検は、マンモグラフィの検査をして乳房内に石灰化が見つかり、精密検査が必要と判断された方(マンモグラフィ検診でカテゴリー3以上と判定された方)に対して行われます。

傷口は5ミリメートル程度の小さな切開創で患者さんの負担は比較的少ないですが、乳房に局所麻酔をして針を刺す検査ですので、検査の直前には医師による詳細な説明を受けて頂きます。さらに看護師と診療放射線技師を加えた体制で、検査に対応しています。

マンモトーム生検は、マンモグラフィ検査で使用しているものと同じで、図の真ん中にある装置を使います。また、乳腺組織を吸引採取する時に、針の中に吸引をかける装置が左の装置です。右にある椅子に座って検査を受けて頂きます。

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赤丸は、これから採取しようとしている石灰化です。これをターゲットにして針を刺します。 この画像のように、マンモグラフィを撮影しながら検査することで、位置を同定しながら石灰化を採取します。

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採取した組織の中にターゲットの石灰化が含まれているかを、マンモグラフィ装置を用いて撮影し確認をした画像です。黄色矢印の白い粒(黄色矢印)が石灰化で、これを顕微鏡で詳しく調べます。

被ばく低減への取り組み

毎月、被ばくに関するワーキングを開催し、検査によって受ける被ばく線量の確認や、撮影プランの見直しなど、被ばくの最適化に取り組み、検査を行っています。

医療従事者向け 装置の紹介

MAMMOMAT Inspiration(シーメンスヘルスケア株式会社) 2台

  • ステレオガイド下マンモトーム対応
  • 乳腺トモシンセシス対応