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希少がんの研究開発およびゲノム医療を推進する中央病院「MASTER KEY プロジェクト」が提出した要望書に関係する通知の発出について希少がんにおける医薬品開発に関する規制が一部緩和
2023年4月12日
国立がん研究センター中央病院
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院が2017年から開始している希少がんの産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト(Marker Assisted Selective ThErapy in Rare cancers: Knowledge database Establishing registrY Project)」では、希少がん・希少フラクションに対する医薬品の早期開発を推進するため、希少がん・希少フラクションに対するコンパニオン診断薬の規制緩和および既承認医薬品利用に関する厚生労働大臣及び医薬・生活衛生局長宛の要望書を、2022年5月13日に医薬品審査管理課長、医療機器審査管理課長に手交提出しました(注)。
注:2022年6月6日プレスリリース
厚生労働省に希少がん・希少フラクションに対するコンパニオン診断薬の規制緩和および既承認医薬品利用に関する要望書を提出
この度、「希少がんを対象として自ら治験を実施する者による医薬品の治験によって開発された特定のバイオマーカーに基づき投与される医薬品の承認申請に係る取扱いに関する留意事項(薬生薬審発0224第5号、薬生機審発0224第1号、令和5年2月24日)」が発出されました(https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230224I0060.pdf(外部サイトにリンクします))。MASTER KEYプロジェクトが提出した要望が一部実現した形です。今回の通知は対象範囲が医師主導治験に限られるなど、課題は残っていますが、日本の希少がん・希少フラクションに対する医薬品開発の課題に対する解決への第一歩になったと考えています。
要望書の提出にあたり、ご賛同・ご支援いただいたMASTER KEYプロジェクト参加施設・参加企業、他ご関係の皆様には、厚く御礼申し上げます。
今後、規制緩和の対象範囲が、企業治験にも広がり、またコンパニオン診断薬の代替として既承認の体外診断用医薬品の利用も可能となるよう、引き続き、厚生労働省や独立行政法人 医薬品医療機器総合機構等と議論を進めてまいります。
今後もMASTER KEYプロジェクトにご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
「MASTER KEYプロジェクト」について
「MASTER KEYプロジェクト」は、国立がん研究センター中央病院が有する先端的な研究開発のノウハウと研究支援機能、製薬企業が有するシーズと開発戦略を融合させ、網羅的かつ効率的に希少がんの治療開発を進めるための産学共同の研究基盤の構築を目指したプロジェクトです。2017年5月より国内で、また2021年10月からはアジア地域とも連携し、現在、15企業と国立がん研究センター中央病院を含めて国内7施設、アジア地域では6か国14施設が参加しています(MASTER KEY Asia)。
参加企業は、「MASTER KEYプロジェクト」のプラットフォームを利用することで、開発戦略に応じたデータベースの活用、患者登録の促進、前臨床研究での国立がん研究センター研究所との協業など多くのメリットが得られる仕組みとなっており、現在27件の治験(医師主導治験16、企業治験11)が進んでいます。
MASTER KEYプロジェクト
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/masterkeyproject/index.html
MASTER KEY Asia
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/masterkeyproject/information/MKA.html
問い合わせ先
通知に関するお問い合わせ
国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部 臨床研究支援室
MASTER KEY Project調整事務局
E-mail:NCCH1612_office●ml.res.ncc.go.jp
広報窓口
国立がん研究センター企画戦略局 広報企画室
TEL:03-3542-2511(代表)
E-mail:ncc-admin●ncc.go.jp