臨床開発推進部門
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分子生物学研究・創薬技術の急速な進歩は、抗悪性腫瘍薬開発に大きな変化をもたらしました。個別化・高速化・多様化・国際化などの傾向が強まり、従来の枠組みのみでは日本が国際競争の中で生き残るのはきわめて難しいと考えられます。がんゲノムプロファイリング技術の進歩は、個別化治療の深化をもたらすだけでなく、開発においても高度な個別化が要求されるようになってきました。今や患者数の多いcommon cancerであっても、希少フラクションの集合体と考えなければなりません。国際共同開発が基本となり、開発スピードも高速化、乗り遅れれば、日本のドラッグロスに直結する事態となっています。また、従来の第I・II・III相試験の枠組みが大きく変遷するととともに、診療科の枠組みを超えた多様化した開発への対応が求められます。さらに、開発においては効果・副作用の観察にとどまらず、作用機序解明・バイオマーカー解析は当たり前となり、トランスレーショナルリサーチ(TR)の能力も不可欠となってきました。
一方、日本が高い技術を維持している手術技術は、ロボット手術の急速拡大に代表されるように、低侵襲化の傾向も強まりつつあります。この傾向を牽引する上で高い技術のみならず、低侵襲化に資する医療機器開発も不可欠といえます。
これまで国立がん研究センター中央病院では、抗悪性腫瘍薬開発、医療機器開発に取り組んで参りましたが、昨今の激変への対応を視野に、臨床開発推進部門を新設いたしました。新しい枠組みの抗悪性腫瘍薬開発、TR研究、医療機器開発などへの取り組みを推進し、日本のがん医療発展に貢献してまいります。