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国立がん研究センター中央病院におけるセレウス菌感染症のご報告(第5報)
平成25年8月22日にご報告いたしました、国立がん研究センター中央病院におけるセレウス菌感染症の内部調査および外部評価が終了いたしましたので、その後の経過とともにご報告します。
経過
- 8月22日に、6月17日から8月21日の間にセレウス菌感染症症例が13例発生したことを報告しました。その後10月25日に新規の発症を1例認めました。しかし、その後2か月間血液培養からはセレウス菌を検出せず、12月25日をもちブレイクの終息としました。その後、平成26年2月に1例の新規発症を認めましたが、それ以降は発症しておりません。
- すべての症例の治療は終了しています。
セレウス菌による感染症件数(6月17日から3月17日)
対応状況
- 10月、2月に1例ずつ発生例がありましたが、いずれも単発例のみであり、今回の症例とアウトブレイクとの関連性はないと判断しております。
- 感染の拡大を防止するため、病棟業務に従事する職員を中心に日常業務における注意点(手指衛生、血管内留置カテーテル等の扱いについて等)の再徹底を継続し実施しています。
- 事故調査委員会による内部調査および、感染防止対策地域連携病院2施設に外部評価としてご協力頂き、調査報告書を作成し、以下の結論を得ました。
- セレウス菌感染症への臨床対応に問題はないと考える。
- アウトブレイク前後、感染専門部署の感染制御に関する対応に問題はなかった。しかし、アウトブレイクに対する初動を早める努力は必要で、精度の高いサーベイランス、臨床担当部署との綿密な連携、結果を迅速に判断できるようなシステムの構築、職員の拡充を行っていくべきと考えられた。
- アウトブレイクの調査は、基本手順を見直し、初期段階から外部機関による調査を依頼することも検討が必要である。
以上を踏まえ、現行の対策を継続しつつ、感染対策の更なる向上を目指した取り組みを進めてまいります。
これまでのご報告は関連リンクをご参照ください。
平成26年4月7日
独立行政法人国立がん研究センター
中央病院長 荒井 保明