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MRIdianによる次世代高精度放射線治療
更新日 : 2023年10月30日
中央病院MRIdianリニアック装置での放射線治療休止のお知らせ
MR画像誘導放射線治療装置の概要
高精度放射線治療装置とMR装置の一体型最新装置
MR画像誘導放射線治療装置(MRIdian、メリディアン)では、放射線治療装置とMR装置を組み合わせることで、MR画像での視認を可能にし、照射治療中における患者さん体内の解剖学的構造情報を治療用途以外の放射線被ばく無しに、リアルタイムで確認できるようになりました。これにより、治療のターゲットとなる腫瘍や周囲の正常組織などの位置関係や動きを把握することで、従来よりも的確に腫瘍を治療することができる高精度放射線治療が可能となりました。
即時適応放射線治療(Adaptive Radition Therapy)とは?
放射線治療は1か月以上にわたり連日治療を行うことがあります。治療期間中に体重減少や治療の効果による腫瘍の縮小が起きる場合があり、より良い方法で放射線治療を行うために、照射方法などを再度検討することがあります。これを適応放射線治療(Adaptive Radiation Therapy)と呼び、通常はこの作業に数日を要する場合があります。このMRIdianでは、腫瘍の縮小等に対応し、それらを加味した適切な放射線治療(テーラーメイド放射線治療)を提供することができます。
対象疾患名
・限局性の前立腺がん
・5cm以内で転移がない原発性の肺がん(1.5cm以上で5cm以内)、肝がん、腎がん
・他病巣のない転移性の肺腫瘍や肝腫瘍
・限局性の膵臓がん
上記をおもな対象にして精度の高いピンポイント照射を行っております。照射回数も5回程度で行うことが多いです。従来は前立腺がんは39回で放射線治療を行っていたので治療日数が大幅に短縮されており、長い期間の通院が難しい方には良い選択肢になります。同様に膵臓がんでも従来は28回で放射線治療を行っていたので、大幅な治療日数の短縮が可能となっています。さらに膵臓がんの場合はこの治療装置を用いることで腫瘍への高線量の照射が可能になっております。
2023年5月までのMRIdianで治療した部位の内訳 (526名)
現在当該疾患に対して行われている治療との比較
MRIdian放射線治療システムの特徴
- 放射線照射中にリアルタイムで照射部位およびその周辺臓器の解剖学的情報が得られ、その情報をもとに照射(治療)が可能であるため、呼吸などによりある程度移動する腫瘍でも、ターゲットを絞って放射線を照射することが可能となります。
- 毎回の照射ごとに患者さんのMR画像を取得して、その画像を用いて、そのときの状態での腫瘍や正常組織の照射量を把握できます。さらに、毎回の照射ごとのMR画像によって治療計画を新たに策定する即時適応放射線治療(Adaptive Radiation Therapy)も実施できます。
従来の放射線治療装置との比較
- 従来の放射線治療装置では、(i) 治療時に撮影するX線CT画像を使用して患者体内の解剖学的情報を取得するため軟部組織の描出能力が乏しい、(ii) 治療中にリアルタイムに腫瘍及び周辺正常組織の動きが確認できない、などの技術的な問題がありましたが、MRIdian放射線治療システムでは、(i) 治療時のMR画像により解剖学的情報を取得しているため軟部組織の描出能力に長けていて、ターゲットとなる腫瘍と周囲の軟部組織の境界が明確に描出できる、(ii) リアルタイムに取得されるMR画像により腫瘍及び周辺重要臓器を把握することができる、などの特徴を有しています。
- 従来の治療では数日を要した即時適応治療の計画が20分程度の短い時間で可能となります。
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軟部組織の描出力:一般的な治療装置
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軟部組織の描出力:MRIdian放射線治療システム
MRIdianによる放射線治療の利点
放射線治療直前のMR画像を用いて放射線治療の線量分布評価が行われる
治療中にMRを撮影しながら腫瘍(青色)を追跡しピンポイントで照射する。
決められた位置(ピンク色)に腫瘍がある場合に照射が行われる。
即時適応放射線治療の実力
MRIdianでは、治療前にMR画像を撮影することにより治療直前の体内線量分布の評価が可能です。線量評価時には、放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士が立会いのもと、腫瘍、正常臓器に対して照射される線量について議論し、治療計画が立案されます。腫瘍の縮小や体形変化が起きた場合には、その場で腫瘍などを再定義し、治療直前に取得したMR画像で即時的に治療計画を修正します。MRIdianでは治療期間中に起きる変化に照射ごとに対応することが可能で、腫瘍には多くの線量を、正常臓器には少ない線量投与を実現しています。診療報酬上の取扱い
- 健康保険適応