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腎がん

腎がんとは

腎臓機能形態

腎がん(腎細胞がん)は腎臓にできるがんのうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。初期症状として特徴的な症状はなく、小さいうちに発見される腎がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎がんが見つかることも少なくありません。

画像提供:国立がん研究センター(がん情報サービス)

腎がんの検査

造影剤を使ったCT検査が行われることが一般的です。腫瘍の性質をさらに詳しく調べるためにMRI検査などを追加することもあります。血液検査では、特定の腫瘍マーカーはありません。そのため、血小板数・総タンパクの値が低い、CRP・LDH・アルカリフォスファターゼ・AST・ALT・クレアチニンの値が高いといった、異常がないか確認します。

腎がんの診断

サイズの小さい腎がんやすでに転移を有している腎がんの場合は、がんであるかどうか、悪性度はどうかなどを調べるために腫瘍に細い針を刺して組織の一部を採取する検査(生検)を行います。通常、1泊2日の入院で、局所麻酔を用いて検査を行います。

腎がんの治療

治療法は、現段階で利用可能な最も信頼のおける治療(標準治療)を基に検討します。そして、患者さんの身体の状態や年齢、ご希望なども含め検討し、患者さんと担当医との話し合いによって決めていきます。

監視療法

手術などの治療をせず、画像検査を定期的に行いながら、がんや体の状態などの経過を観察する方法です。がんが小さく、腎臓内にとどまっているような、いわゆる早期のがんで、特に、高齢であったり、他の病気にかかっていたりするために、手術をするには危険性が高い患者さんでは選択肢の1つとなります。

手術(外科的治療)

腎部分切除術

がんを取り除くために、がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する術式です。残った腎臓の機能を温存できるという利点があり、長期的な視点でみたときに、腎機能の低下とそれに伴う合併症への影響を小さくできることから、より好ましい術式です。当院では主に4cm以下の小さながんを対象として「ロボット支援下腎部分切除」を行っています。

根治的腎摘除術

がんのある側の腎臓をすべて取り除く術式です。腫瘍や患者さんの状態から、腎部分切除術の実施が適切ではない場合に選択されます。通常は、手術で片方の腎臓を摘出しても、残ったもう片方の腎臓で機能を補うことができるため、日常生活に支障を来すことはあまりありません。がんの状況によっては、腎臓だけでなく、周囲の臓器や、血管内にあるがんを切除する「静脈内腫瘍塞栓摘除(そくせんてきじょ)術」を用いることもあります。当院では腹腔鏡手術・ロボット手術・開腹手術のいずれかで行っています。

局所療法

がんに向かって針を刺し、アルゴンガスを用いて組織を凍らせることで、がん細胞を死滅させる治療法です。局所麻酔で施行可能ですが、腫瘍のサイズや部位によっては困難な場合もあります。当院では、とくにご高齢の方を対象として、IVRセンターと連携して治療を行っています。

放射線治療(定位照射)

サイズの小さい腎腫瘍で、手術・局所治療が困難な場合に行うことがあります。

薬物療法

他の臓器への転移がある、もしくは手術が難しい進行腎がんには薬物療法(抗がん剤治療)を用います。薬物療法には、分子標的治療、免疫療法があります。薬物療法は腫瘍内科と連携して行っています。