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部門紹介

リハビリテーション室には理学療法作業療法言語聴覚療法の3つの部門があります。

理学療法とは

がんの治療中では疲れやすさや呼吸のしづらさ、関節が動きづらさ、筋力の低下といった問題が生じ、日常生活で必要な動き(起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなど)に支障をきたすことがあります。このため、がんの治療中に以前できていたことが難しくなり、生活を送るためには他の人の助けがより多く必要となる場合があります。このような運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動を始めとした物理的な手段を用いて行われる治療法が理学療法です。

当院の入院・外来患者さんを対象とした理学療法では、がんの治療開始から想定される身体機能の低下を予防するためや、治療中に生じた運動機能の問題を解決するために患者さんの運動機能の確認、機能向上を目的とした各種練習や、生活されている環境の確認・調整を必要に応じ医師の判断のもとで行います。手術を予定している患者さんには手術前の呼吸練習や運動の指導を行い、手術後は可能な限り早く立ったり歩いたりする練習を始め、回復の促進を図ります(詳しくは周術期リハビリテーションとはの項をご参照ください)。手術がない場合でも、がん治療の過程で体力が低下した患者さんに対しては入院中や退院後の生活を踏まえ、現状確認や必要に応じた各種動作練習などを実施します。当院の理学療法ではこれらのような関わりによって、各々の患者さんが理想とされる生活を可能な範囲で実現し、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ、QoL)の向上を目指します。

参考

公益社団法人日本理学療法士協会

https://www.japanpt.or.jp/(外部サイトにリンクします)

国立がん研究センター広報誌 日々歩

沖田理学療法士のインタビューが掲載されています。
以下の画像をクリックしご覧ください。
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作業療法とは

作業療法部門は基本的動作能力(運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知などの心身機能)、応用動作的能力(食事やトイレ、家事など日常で必要となる活動)、社会的適応能力(地域活動への参加、就学・就労)の3つの能力を維持・改善を目標にしています。例えば、自助具等を用いて食事が食べられるようになる、環境設定や動作練習を行うことにより1人でトイレに行けるようになる、手工芸などを行うことで精神賦活を図る、実際の職場環境に近い状況を設定することで就労支援を行うなどといった支援をします。そして、がんの治療中、治療後に社会復帰される方だけでなく、終末期に向かう方が何らかの形で作業に参加し、その人らしい生活を送れるよう関わっています。

参考

国立がん研究センター広報誌 日々歩

当室作業療法士のインタビューが掲載されています。
以下の画像をクリックしご覧ください。

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言語聴覚療法とは

言語聴覚療法は、「食べること」「コミュニケーション」を専門としてリハビリテーションを行います。言語聴覚療法

 「食べること」の支援

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対象は、頭頸部腫瘍の術後・食道癌の術後、脳腫瘍、その他がん治療に伴う摂食嚥下障害の患者さんとなります。手術等の影響で飲み込みにくさを生じる可能性のある患者さんに対しては、術前から介入して起こりうる症状や術後のリハビリテーションの内容を共有します。術後は飲み込む機能に応じて練習や段階的に食事の形態を調整して食べられるものを増やしていきます。退院前には管理栄養士と協働して食事の注意や工夫をお伝えすることで、不安を少しでも解消して退院できるよう支援します。

 「コミュニケーション」の支援

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対象は、頭頸部腫瘍術後の発声や発音の障害、喉頭摘出後の失声、脳腫瘍による失語症や高次脳機能障害、その他がん治療に伴う発声や発音の障害・失語症等を生じた患者さんとなります。リハビリテーションは、上記摂食嚥下障害の場合と同様にできるだけ術前から介入し生じうるコミュニケーション障害や代替法などを共有した上で、術後の障害に応じて必要な練習を個別に行います。退院前には必要に応じてご家族・友人とのコミュニケーションや生活・社会参加の際のポイントなどをお伝えします。

がん専門病院の言語聴覚療法で特徴的なリハビリテーション介入として、喉頭摘出後の代用音声(電気式人工喉頭、シャント発声、食道発声)や脳腫瘍の覚醒下腫瘍摘出術の際に言語機能モニタリングを行うことがあります。