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周術期リハビリテーションとは
周術期リハビリテーション
手術治療をされた患者さんでは術後の痛みで動くことができず筋力や体力の低下をきたすことがあります。それだけでなく手術の侵襲や麻酔などの影響で呼吸がしづらくなること、痰が溜まりやすくなることがあり、それが原因で肺炎や無気肺と呼ばれる呼吸器の合併症を引き起こすこともあります。このような合併症を予防するためには術後のリハビリテーションだけでなく、手術前からのリハビリテーションが重要と言われています。当院では術前より予防的リハビリテーションとして、体力や呼吸機能の評価を行い、個々の患者さんの状態に応じた呼吸リハビリテーション、運動指導を行っています。術後はベッド上での臥床時間が長くなると呼吸合併症や体力低下を引き起こしやすいため、身体の状態に合わせて早期にリハビリテーションを再開します。当院では、医師、看護師とともにまずは身体を起こすことから始め、座位、立位、歩行練習と段階的にベッドから身体を離していきます。こうしたリハビリテーションが合併症予防、生活動作の獲得に繋がります。さらに、のどや食道の手術後では手術の侵襲や食事のとれない期間に飲み込む力が低下し、食事が困難になることや、食べた物が誤って肺に入ってしまい肺炎になる可能性があります。特に手術前からむせ込むことが多い方は要注意です。こうした食事に関わる問題に対しても、手術前から飲み込みのリハビリテーションを実施することが重要です。
当院では、術前より飲み込む力の評価を行い、必要な飲み込みの練習を指導しています。術後は間接的な飲み込み練習から開始し、造影検査の後に水分、固形物と段階的に食事のリハビリテーションを進め、安全な食事の獲得に努めています。
高齢化に伴い、高齢者の手術適応が増える傾向にありますが、高齢者は体力や呼吸、飲み込みに必要な力が低下し、手術に耐えうる予備能が不十分な方が多いです。そのため、合併症の増加や十分な回復が得られないおそれがあるので、より積極的な周術期(手術前から手術後)リハビリテーションの介入が必要です。周術期のリハビリテーションにより術後の合併症の予防や筋力・体力低下の軽減ができれば、入院期間の短縮も可能となります。術後、身体を動かしてもよいのか、不安や心配もあると思いますが、私達リハビリテーションスタッフがしっかりサポートさせて頂きます。