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覚醒下手術でのリハビリテーション介入

覚醒下手術とは、脳腫瘍が運動機能や言語機能といった重要な脳機能に関わる部位に近接している場合に行われる手術です。手術中に患者さんの意識を保ちながら脳機能をリアルタイムで確認し、脳機能を温存しながら腫瘍を切除し、術後の後遺症を最小限に抑えることを目的としています。
脳脊髄腫瘍医の指示のもと、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士が術中のモニタリングに参加する場合があります。患者さんには、手術中に確認が必要となる運動機能や言語機能について、想定されるリスクに合わせた課題(例:上肢・下肢の運動、会話、物品名の呼称など)を事前に練習していただきます。
手術中は、お好みの音楽をかけるなど、できる限りリラックスできる環境を整えます。もし手術中に気分が悪くなったり、腰や肩に痛みやこりを感じたり、体を動かしたくなったりした場合は、看護師などのスタッフとともにご希望に沿えるよう可能な限り対応いたします。
運動機能
手術前に患者さんとお会いし、手術中に行っていただく課題となる上肢・下肢の具体的な運動内容を決定します。手術中は、脳脊髄腫瘍医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士など多職種と連携し、上肢・下肢の運動に関する術中モニタリングを行います。手術後は、上肢・下肢の運動機能を評価し、状態に合わせてリハビリテーションを実施します。
言語機能・高次脳機能
手術前に、言語機能や高次脳機能について神経心理学的評価を行います。また、手術中に使用する課題を作成し、練習します。言語機能の課題例としては、絵カードを見て名前を言う(呼称)、文字を読む(音読)、言葉を繰り返す(復唱)、質問に答える(応答)などがあります。その他の高次脳機能の課題例としては、記憶、計算、図形の描画、文章の音読、歌唱などがあります。手術中は、脳の表面を電気で優しく刺激し、言語などに関わる重要な領域(機能局在)を確認します。腫瘍を摘出している間は、事前に練習した課題を行っていただきながら、言語障害などが出現しないかを慎重に確認します。手術後は、翌日から患者さんの状態に合わせてリハビリテーションを開始します。