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家族性腫瘍外来
国立がん研究センター東病院の家族性腫瘍外来では、遺伝性腫瘍のリスク評価を行い、遺伝カウンセリング(注)、遺伝学的検査に関する情報を提供しています。ご自身もしくはご家族の病歴から遺伝に関する心配などがありましたら、家族性腫瘍外来の受診をご検討ください。遺伝医療の専門家である臨床遺伝専門医と遺伝カウンセラーが担当します。
注:遺伝カウンセリングは、疾患の遺伝学的関与について、その医学的影響、心理学的影響および家族への影響を人々が理解し、それに適応していくことを助けるプロセスである。このプロセスには、1)疾患の発生および再発の可能性を評価するための家族歴および病歴の解釈、2)遺伝現象、検査、マネージメント、予防、資源および研究についての教育、3)インフォームド・チョイス(十分な情報を得た上での自律的選択)、およびリスクや状況への適応を促進するためのカウンセリング、などが含まれる。(日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」2022)
遺伝性腫瘍とは
現在、日本人の約2人に1人はがんにかかると言われています。生活習慣(環境要因)、加齢、生まれもった体質(遺伝要因)が様々に絡み合ってがんの発症に至りますが、がん全体の5%から10%の人は、生まれもった体質(遺伝要因)ががんの発症に大きく関与していることが知られており、「遺伝性腫瘍」と呼んでいます。生殖細胞系列の遺伝学的検査によって原因となる遺伝子変異を見つけられる場合があります。遺伝性腫瘍の診断がつくことで将来のがんの発症リスクを知り、早期発見・早期治療に努めたり、予防的な手術を行うことでがんの発症リスクを低くすることができます。
また多くの場合、がんの遺伝子変異は親から子に50%の確率で伝わります。家族と発がんリスクにかかわる情報を共有し、家族の健康管理に役立てることができます。
さらに詳しくは、国立がん研究センターがん情報サービス「遺伝性腫瘍・家族性腫瘍」、または「がん」と「遺伝」Q&Aキホンのキをご覧ください。
どのようなときに遺伝性腫瘍を考えますか
- ご自身、もしくは血のつながったご家族や親戚が若くしてがんと診断された(例えば、50歳未満の大腸がん、45歳未満の乳がん、臓器問わず10歳から20歳代のがんなど)
- 父方、または母方の血のつながった親戚の複数人に、同じ種類のがん既往者がいる、あるいは遺伝性腫瘍に特徴のがん種がみられる
- 家系内に稀ながん(希少がん)の人がいる
- 複数のがんにかかったことがある(同じ臓器に発生する多発がん、複数の異なる臓器に発生する重複がん)
- 乳房、腎臓、眼などペアになっている臓器において、両側ともがんになった
- がん遺伝子パネル検査の結果より、遺伝性腫瘍の可能性があるとわかった
- 血のつながった家族が遺伝性腫瘍と診断されている
家族性腫瘍外来で取り扱う内容
- ご自身とご家族の健康状況(家族歴)からリスク評価を行います。
- ご自身に考えられる遺伝性腫瘍に関する情報をわかりやすく提供します。
- 状況に応じて遺伝学的検査が可能です。遺伝学的検査の方法、遺伝学的検査を受ける意味や影響について話し合っていきます。
- 遺伝性腫瘍の診断がついた場合、ご自身のケアやご家族のサポートについて一緒に考えていきます。
受診のご案内(完全予約制)
外来診察日
平日 午後対象となる方
- 東病院受診中の方
- 他の医療機関からの紹介がある方(紹介状をご用意ください)
- 血縁者診断ご希望の方(ご家族が遺伝性腫瘍と診断され、遺伝学的検査の結果報告書のコピー等を持参できる)
予約方法:完全予約制
- 東病院受診中の方 主治医にご相談ください。
- 他の医療機関から紹介の方 医師の紹介状をご用意の上、予約センターへお電話ください。
- 血縁者診断をご希望の方 予約センターへお電話ください。
予約センター(電話番号:04-7134-6991、受付時間:平日8時30分から17時15分)
予約と受診時のお願い
- 予約時は「家族性腫瘍外来を受診したい」ことを伝えてください。
- 事前に、家族性腫瘍外来担当者からご連絡する場合がございます。
- 初診時に家族歴をお伺いします。血のつながったご家族の病歴(腫瘍の発症年齢、腫瘍の種類、等)を事前に確認してきていただけるとスムーズです。
- ご家族の遺伝学的検査の結果報告書をお持ちの方は、そのコピーをご持参ください。
受診費用
家族性腫瘍外来の内容に応じて、保険診療、先進医療、自費診療などの料金が適用されます。どの遺伝学的検査を行うかは、家族性腫瘍外来にてご説明いたします。
受診費用に関するお電話でのご相談は致し兼ねます。
- 自費診療(税別)の場合 初診:10000円 再診:6000円
東病院を初めて受診される方へのお願い
- 健康保険証を必ずお持ちください。
- 予約時間の30分前に外来受付にて、初診手続きを行ってください。
家族性腫瘍外来担当者
遺伝子診療部門長
- 桑田 健(くわた たけし)
- 専門医・認定医資格など:
臨床遺伝専門医
遺伝性腫瘍専門医
日本病理学会認定・病理専門医
日本病理学会認定・指導医
非常勤医員
- 赤木 究(あかぎ きわむ)
- 専門医・認定医資格など:
臨床遺伝専門医(指導医)
臨床検査管理医
家族性腫瘍カウンセラー
ClinGen Variant Curation Expert Panel member
医員(医薬品開発推進部門 医薬品開発推進部 国際研究推進室トランスレーショナルリサーチ支援室 併任)
- 今井 光穂(いまい みつほ)
- 専門医・認定医資格など:
日本内科学会 認定内科医
遺伝性腫瘍専門医
がん治療認定医
がん専門修練医(消化管内科 併任)
- 松原 裕樹(まつばら ゆうき)
- 専門医・認定医資格など:
日本内科学会 認定内科医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医
遺伝カウンセラー(常勤)
- 平岡 弓枝(ひらおか ゆみえ)
- 専門医・認定医資格など:
認定遺伝カウンセラー
家族性腫瘍カウンセラー
- 四十谷 美樹(あいたに みき)
- 専門医・認定医資格など:
診療放射線技師
医療情報技師
- 三木 いずみ(みき いずみ)
(医薬品開発推進部門 医薬品開発推進部 トランスレーショナルリサーチ支援室 併任) - 専門医・認定医資格など:
認定臨床研究コーディネーター
遺伝性腫瘍コーディネーター