コンテンツにジャンプ

乳腺外科

トップ画像

トップページ > 診療科 > 乳腺外科

乳腺外科について

乳腺外科では乳がんをはじめとする乳腺の様々な病気の診断と治療(手術や薬物療法)を担当しています。
腫瘍内科、形成外科、放射線治療科、遺伝子診療部門、乳がん看護認定看護師、地域の乳腺クリニックの先生方などと密に連携し、理想的な環境で乳がん治療を受けることが可能です。
当院での治療を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。(初診の方へ

乳がん手術の変遷

乳がんは現在日本人女性が罹患する癌の第1位であり、最新の統計では女性の9人に1人が罹患すると言われています。乳がんの増加に伴い、当院での手術件数も1990年代後半は年間300件ほどでしたが、現在では年間800件以上の手術を施行しております。
乳がんの手術術式はこの数十年で劇的に変化しています。かつては乳房やリンパ節に存在するがんを取り切る目的で、広範囲の切除が行われていました。しかし近年、乳がんは比較的初期の段階からがん細胞の一部が全身に広がり始めているという考え方が主流になり、乳がんが治るかどうかはどれだけ広くがんを切除するかということよりも、局所のがんを確実に取り除き、手術から得られたがん細胞の情報をもとに、適切な薬物療法を受けることが重要である、ということがわかってきました。よって現在は、1.乳房に対する手術と、2.腋窩(えきか)リンパ節に対する手術、を組み合わせた術式が標準治療になっています。

  1. 乳房に対する標準的な手術の方法は「乳房部分切除術」または「乳房全切除術」になります。乳房温存療法(乳房部分切除術+放射線療法)は、生存率について乳房全切除術と同等の治療成績が得られることが示され、乳房部分切除術が標準治療になりました。さらに最近では手術によって失われた乳房をさまざまな方法で再建する「乳房再建」を希望する患者さんも増えています。乳房全切除術に対する乳房再建は、患者さんの手術後の生活の質や心の健康を改善することが様々な研究で明らかになっています。
  2. 「腋窩リンパ節」はわきの下にあるリンパ節のことで、乳がんが転移する頻度が最も高いとされています。かつてはすべての患者さんに、腋窩リンパ節とその周りの脂肪を一塊に切除する「腋窩リンパ節郭清」が行われていました。しかし術後の合併症や後遺症(感覚障害やリンパ浮腫など)に悩まされる方が多く、よりからだへの負担が少ない方法として「センチネルリンパ節生検」が2000年代前半から普及し始めました。センチネルリンパ節は、乳房内からのリンパ流が最初にたどりつくリンパ節のことであり、乳がん細胞が最初に転移しやすいリンパ節と考えられます。このセンチネルリンパ節を摘出し、その中にがん細胞があるかどうか(転移の有無)を調べる一連の検査を「センチネルリンパ節生検」と呼んでいます。現在では手術前に腋窩リンパ節への明らかな転移はないと診断された場合はまず「センチネルリンパ節生検」を行い、手術前に腋窩リンパ節に転移があると診断された場合は「腋窩リンパ節郭清」を行うことが一般的です。

当科では病状(ステージやがんの大きさ、広がりなど)や治療方法について、患者さんご自身が内容を理解し納得したうえで安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な説明を心がけています。

当科の成果

すでにご説明したように、これまで乳房に対する標準的な手術の方法は「乳房部分切除術」または「乳房全切除術」が一般的でしたが、昨今、より傷を小さく目立たなくした手術術式が提案され、当科でも積極的に取り組んでいます。

ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法

患部にメスを入れずに乳がんの治療をしようとする試みがラジオ波焼灼療法(RFA)です。これはがんに針を刺し、その先端からラジオと同様の周波数帯の電磁波を出して、がんを熱で死滅させる方法です。当院では積極的にRFAの導入を行い、多くの方々のご尽力により2023年12月1日からRFAは保険診療として受けていただける治療となりました。(お知らせへ

RFAの条件として

  • 針生検で通常型の原発性乳管癌であること
  • 腫瘍の大きさが、造影MRI、超音波を含む画像検査すべてにおいて直径1.5cm以下の単発限局性病変であること
  • 術前診断にて腋窩リンパ節転移がないこと

などがあります。詳しくは担当医にご確認ください。

内視鏡下乳頭乳輪温存乳房全切除

内視鏡手術は皮膚を数カ所小さく(数センチ程度)切開し、先端にカメラやはさみのついた管をそこから入れて手術するものです。傷が身体の前面にできる乳房全切除術に比べて、傷が身体の外側になるため目立ちにくく、また乳頭乳輪も残すことができます。保険診療で行うことができますが、がんの広がりや乳房の大きさなどに制限があるため、ご希望の際はまずは担当医にご相談ください。

ロボット支援下手術「DaVinci SP」による乳頭乳輪温存乳房全切除

DaVinci(ダ・ヴィンチ)SP手術システムを用い、乳房の外側の小さな傷からカメラおよび専用鉗子を入れて、乳房全切除術を行います。皮膚および乳頭乳輪が温存されることから整容性を重視して、ティッシュエキスパンダーやシリコンインプラント等による乳房再建も同時に選択することができます。複雑に曲がる関節を持つロボットによる支援下で手術をおこなうことで、従来の内視鏡下で行う手術では難しかったより細やかな手術が可能となります。また3次元による正確な画像情報を取得できるため、さらに安全で侵襲の少ない手術が可能となり、次世代の医療改革の一端を担った分野と考えられています。

2026年4月現在、ロボット支援下乳輪温存乳房切除術は自由診療のため、医療費は全額自己負担となります。ご希望の際はまずは担当医にご相談ください。

photo202604