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作業療法
作業療法とは、手術後の運動障害に対する機能訓練や、安全で効率的な日常生活動作の練習、自宅復帰にあたり環境調整や介護指導を行う治療法です。
作業療法の効果
当院でのリハビリテーションは『がんのリハビリテーション診療ガイドライン第2版(2019年、金原出版)』に基づき実施しており、ガイドラインでは以下のような効果が示されています。
手術を受ける方、または受けた方
- 頭頚部癌の手術後に作業療法を行うことで、痛みを和らげ筋力低下や肩の可動域制限を改善できる
- 乳癌の手術後に作業療法を行うことで、肩の可動域制限を改善して腕が動かしやすくなる
- 前立腺癌の手術後に筋力訓練を行うことで術後尿失禁を改善できる
脳腫瘍がある方
- 日常生活動作(ADL)や認知機能が改善できる
- 高次脳機能障害に対して作業療法を行うことで、認知機能を改善することができる
緩和ケアを主体とする方
- 身体機能、日常生活動作(ADL)、疼痛、倦怠感、精神状態、生活の質(QOL)が改善できる
認知機能に不安のある方
- 治療中や治療後に作業療法を行うことで、認知機能の改善が見込まれる
- 倦怠感や不安感を減少させることができる
リスクと対策
頭頸部外科、乳腺外科ともに術後早期よりリハビリテーションが開始されます。
ドレーン挿入中は術創部の状態も不安定であり、無理に動かしてはいけません。一方で、動かさないでいると関節が固くなり、痛みを伴ってしまうことがあります。そのため、回復状況に合わせた適切なリハビリテーションの方法が必要となります。主治医、看護師、作業療法士の適切な指導の下で、術創部のケアとリハビリテーションを進めていきましょう。
脳腫瘍はあらゆる症状が混在します。患者さんだけでなくご家族の方もその症状に困惑されてしまうでしょう。作業療法士は、手の機能面の向上、残存機能を生かした生活動作の指導と練習、また言語療法士と連携して高次脳機能検査を行い、日常生活での工夫点を患者さんやご家族の方と共有いたします。その際に起こりえる血圧の変動や転倒・転落などのリスクに対しては、リハビリテーション科の医師と協働して把握し、対応しています。