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ビノレルビン療法

乳がんの進行を抑えるために、全身治療としてさまざまな抗がん剤が用いられますが、ビノレルビン療法はよく使われる抗がん剤治療のひとつです。

使用する抗がん剤

ビノレルビン注

ビノレルビン注はキョウチクトウ科のニチニチソウの成分から半合成された化合物です。細胞が分裂する際に必要な細胞構成成分の一つである微小管に作用し、微小管を構成しているチュブリンという蛋白質の重合を阻害することにより、がん細胞の増殖を阻害したり、死滅させます。ビノレルビン注は長い時間をかけて点滴するのではなく、短時間で注射します。注射部位に違和感や痛みを伴うようなことがありましたら、医師・看護師にお申し出下さい。

ビノレルビン療法による副作用

白血球減少

白血球は、体内へ細菌が入り込まないように守っている血液成分の1つです。白血球が減少すると細菌に対する防御能が低下し、発熱や感染を起こす可能性があります。ビノレルビン療法では、治療を開始して3~4週間後に白血球が減少することがあります。ビノレルビン療法の場合、10人に1人の割合で発熱する方がいます。38℃以上に発熱した場合、抗生物質の服用が必要になる可能性がありますので、担当医にご連絡下さい。

倦怠感

10人に7人の割合で、注射後に体が重く感じたり、だるさを感じたりすることがあります。

血管炎

ビノレルビン療法により、注射をした血管に痛みを感じたり、赤く腫れたりすることがあります。

注射部位への皮膚障害

 ビノレルビンは、注射の際のわずかな漏れでも皮膚障害を起こすことがあります。

吐き気

ビノレルビン療法により吐き気の症状がでることは比較的少ないと言われていますが、患者さんによっては吐き気が出たり、食欲が低下したりすることがあります。

味覚障害・食欲不振

ビノレルビン療法中に治療前と比べて嗜好が変わる、味を感じにくくなるなどの味覚の変化がおこることがあります。

便秘

ビノレルビン療法によって腸の動きが弱くなり、便がでにくくなることがあります。

脱毛

ビノレルビン療法により軽度の脱毛がおこる場合がありますが、頻度は比較的少ないといわれています。脱毛がおこったとしても、治療を終了すれば回復し始めます。

末梢神経障害

ビノレルビン療法によって、頻度は高くありませんが、手足のしびれ(末梢神経障害)がでることがあります。治療を終了すれば回復し始めます。

 

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